亡父のいいつけ
金峯山寺の宗務を預かっていて、単身赴任15年目に突入しているが、たまには自坊でも法務にいそしむ。
自坊は亡父が昭和49年に建立した新寺で、家祈祷や地鎮式、家相判断などなど各種祈祷を主とする祈願寺である。
父は大変丁寧な人だった。で、家祈祷や地鎮式となると準備その他がすこぶる大仰だった。ちょっと行ってちょこちょこっと拝むのではなく、祈祷札や御幣の準備は並大抵のことではないのだ。
父のように、自坊の法務専職ならそれも可能であるが、私のようにたまに帰郷して、出向するとなると、ものすごい手間と時間を要する。
それでついついさぼりがちになるが、先日の2日ほどは3軒の信者さんに依頼され、家祈祷や地鎮式をさせていただいてきた。
写真は家祈祷の祭壇飾りであるが、この御幣とそれに使うオーダーメードの祈願札を作成するのに半日以上かかるのである。地鎮式になると更にその手間は大きくなり、お札の数だけでも20数枚を作らねばならない。青竹をたて、しめ縄を張り、垂弊を飾り、当日の道場荘厳も大がかりになる。
家庭の中の祭祀ごとが廃れてしまった今こそ、こういう風に祭壇を作り、年に一回、家族がそろって一家の平安を祈る家祈祷や家屋の改築新築に地の神様にお祈りを捧げるのは大変意義深いことだと自負するが、それでも、やはり何軒も依頼されるのはとてもハードである。
もっと簡便に出来ないだろうかと思うが、亡父が許してくれないだろうなあ。
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