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金融恐慌

80 今月のちょー早出しです。毎月、寺の機関誌で書いている随筆を、掲載前にアップさせてもらっていますが、今回は昨夜書いたばかりの新作。来月10日過ぎにならないと配信されないのですけど、日記で先出しさせていただいた。ご笑覧を乞う。。

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「金融恐慌」

アメリカ発の金融不安に日本が、そして世界が危機に瀕している。経済の仕組みは私たち素人にはよくわかりがたいところがあるが、わからないまま、実生活がその災禍の影響をもろに受けて、生活不安が世界中に広がっている。

先週末、ある筋の知人から近々、世界金融恐慌勃発を予見させる情報が入り、「いよいよ君ら宗教家の時代が来たぞ」と電話があった。金融恐慌は世界の経済を破綻させ、人心は乱れに乱れる時代が来るから、今こそ、人心の不安を救う精神的指針が求められるというのだ。確かにそうかもしれない。私自身がその任にあるかどうかは別として、本当の意味で「心の時代」に突入しつつあるようだ。というか、経済破綻による生活不安を救うのは「心」しかない。

私は紀伊山地の霊場と参詣道の世界遺産登録を前後して、ここ五年間で、二百回近くの講演会やシンポジュウムに呼ばれてきた。今もそれは続いていて、来月も静岡県での国際シンポジュウムや奈良県立大学での特別講演などの依頼を受けている。そういう機会を通じ、実に多くの学びと気づきを得たが、回数をこなす内、ただ単に修験道という希有な日本文化を紹介するだけではなく、修験道を通した視点を持つことで、近代日本の弱点に思いを致すようになった。もっといえばそれは近代という化け物の正体に気づくことでもあった。

その正体とは、神殺し仏殺しの、経済優先という価値観である。資本主義は原理的には経済行為が全てに優先する価値観を生み、そこに生きている人間性を蹂躙してもなお、経済を優先させるという非人間的なシステムである。近代とはそういったシステムを基盤に過剰に物質文明社会を発展させ、現代に導いてきたのである。確かにモノは豊かになったし、生活水準は驚異的な伸びを見せたが、それによって損なわれたものもまた極めて多いと言わざるを得ない。その最たるものが精神文化の破壊である。私は明治の近代化によって解体の憂き目にあった修験道の人間だからこそ、痛みを以て断言できるのである。

こうやってみるとアメリカ発サブプライムローンの金融破綻は拝金主義の終焉を示唆しているであろう。経済優先とはそれまで人類の精神基盤を支えてきた神や仏を放棄して、ただひたすらお金を拝むという価値観である。近代によって人類全体が幸福を得るというまばゆいばかりの幻想は、行き着くところ、実体経済が伴わないマネーゲームという魑魅魍魎の世界を現出させ、地球という自然界の中で、自然の恩恵や神仏の存在に生かされることに感謝と畏敬の念を持ち続けることで暴走を抑えてきた人間の欲望のみを肥大させたのであったが、いよいよその大しっぺ返しに遭っているのかもしれない。

世界経済の不安は底を知らない状態が続いている。しかしまあ、あまり悲観的にならず、混乱の時代こそ、神仏を取り戻す好機であると自覚したいものである。

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最後の段は少々詰めが甘いが、字数の制限があり、ここで終えることにした。
いかが・・・。

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コメント

本当にパソコンのワンクリック押しただけでお金儲けができる社会はおかしいと思います。

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