今夜は少しだけ、吉田拓郎論
吉田拓郎と出会ってもう何年になるのだろう。僕は陽水も好きだったし、かぐや姫も、郷ひろみも沢田研二も山崎ハコも水前寺清子も好きだったという、かなりいびつで趣味が悪い、そういう10代20代を過ごした。まあ、ちょっと陰気な人間だったかもしれないね・・・。だから正直、その頃はどっちかというと、拓郎より陽水派だったと思う。
でも50代になって聞くのは拓郎ばかり。
たしか拓郎さんは僕より9歳上。だから少しリアルタイムに遅れて、追っかけてきたのかも知れない。そして50代の後半になってようやく追いついたような日々である。
拓郎のなにがいいのだろうか。たぶん正直に自分に向き合い続けている姿かも…。スーパースターになっても人間は人間だ。なにも変わりはしない。神になったわけではないのだから。でも神になった彼はなにもかわっていない自分を常に正直にあらわにし続けて、それを楽曲を通してあがき、発表し続けてきた。
そういう意味で大きな病気になったときは、やっぱり神じゃなかったんだと、厳しく落ち込んだに違いない。心身症になったって言ってたね。
でもそういう彼と同じ時代に生きていられたことを感謝したい。
私という人間が、うすっぺらな人間であることを、誇りをもって抱きしめさせてくれるシンガーだと心から思う。
今、一番の歌は以下↓
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「慕情」 by吉田拓郎
あなたは どうして そんなに 鮮やかに 見えるのだろう
あなたを 遠くで見つめているだけで 涙が浮かぶ
幾度も 追いかけるほど 届かぬ夢
どこまで この想いを 募らせても
あなたが そばにいることは 願わず
あなたが そこにいる ただ それでいい
あなたは どうして そんなに 穏やかに 生きれるのだろう
あなたの 空気を思っているだけで 胸がはりさけそう
憎しみ合うことより 許し合いたい
切なさ 虚しささえ 抱いて生きる
あなたが いなくなることは ありえない
あなたを 見失えば 世界の終わり
あなたは どうしてそんなに 美しく微笑むのだろう
あなたと かすかに すれ違って行く時に 震えてしまう
わたしは 今まるで 魔法の中で
恋する 少年のような 心になる
届かぬ 愛だけれど 今のままがいい
遠くを 見つめている あなたが好き
*****************
今夜はこの曲を聴いて、ゆっくり眠ろう。
この曲は「永遠の嘘をついてくれ」を自分のために書いてくれた中島みゆきに対する返歌だと言う人もいるらしい。拓郎も若いね。
「あなたが いなくなることは ありえない
あなたを 見失えば 世界の終わり」
・・・こういう恋唄を65歳で書ける拓郎さんはやっぱりスーパースターです。素晴らしい。
http://www.youtube.com/watch?NR=1&feature=endscreen&v=ZajZf1VFWGs
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
良いてすよね、、、私 車の中できくのは拓郎です
若いときは岡林や高石友也きいてました
歌には社会に対するメッセージがいるんだ
拓郎、、愛とか、、軽すぎると、、、
でも30こえてから やっと拓郎の良さが分かり 拓郎が好きになりました
なんか 男のせつなさを感じるんです
投稿: まだまだ | 2012年6月 7日 (木) 16時47分
拓郎はほんとせつない、ね。
投稿: 吉野山人 | 2012年6月 9日 (土) 21時20分