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講演録上梓…『龍谷大学仏教学叢書3』

2年前に母校龍谷大学で講義させていただいた内容が、講演録となり、このほど上梓してもらった。龍谷大学仏教学叢書3「天台~比叡に響く仏の声」という新刊書である。

叡山の清原前執行や叡山学院で同窓だった千日行者藤波阿闍梨や小林祖承僧正など叡岳の高僧にまじって、私は修験道について話している。

「天台修験の教義と実践」という表題がついた一文だが、表題のような難しい話ではなく、毎度同じの、私なりの修験道論である。

難しい話は恩師の浅田正博先生や末木博士にお任せして、なるべくわかりやすいお話をしたつもりだが、読み返すと私だけ少々違和感がある。比叡山の僧侶ではないことも一因だけど、「天台」の話をしていないことが大いに気になった。まあ、仕方がない。

よろしければお求め下さい。ほかの先生方の論考や高僧たちの修行談は素晴らしいですから。自照社出版刊。税別・2400円。

追伸 講演録は実は来月も別の出版社から活字になる。またお知らせします。7割方内容は一緒ですが・・・(^_^;)

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されどわれらが日々

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柴田翔の『されどわれらが日々』を30数年ぶりに読んだ。大学に入ったころに読んだ本である。

石巻に日帰りで行った車と飛行機の行き帰りの時間で、さらっと読んだのだが、なんでこんな本に昔は夢中になったのかと????がいっぱいだった。若かったせいなのだろうか。

一月くらいまえ、なにかの雑誌でこの『されどわれらが日々』の書評が載っていて、気にかかったので、実家の本棚を探した。柴田翔のほかの作品『われら戦友たち』や『鳥の影』『贈る言葉』などはほこりまみれで赤茶けた文庫本が棚の奥から見つかった(結構当時はまっていたんだよね)が、『されど・・・』だけがなかったので、わざわざ写真の新装版を買って読んだのだった。

私の世代は安保闘争からはるかに乗り遅れた時代で、本書の時代からは2、3世代はあとになる。ただ大学にはいって4ヶ月ほど、私も民青系の歴史学研究会(・・・いわゆる歴研)に入っていて、学生運動の匂いを追いかけていたこともあり、そういう時期に読んだのかも知れない。高野悦子の『二十歳の原点』とか、懐かしいね。

まあいづれにしろ、若いときと言うのは、わからないことだらけの中で生きていたのだなあと改めて思ったりした。

ありえないような長い手紙ばかりの文章や、作者の意図的な虚無感に当時は魅了されたのだから、そういう自分を振り返れて、少し懐かしかった一冊でもあった。

よく考えると今の私のいびつな女性観に影響を与えたのは、寺山修司の少女趣味と、柴田翔の小難しく嘘っぱちな虚無だったのかもしれない。

でも人間って言うのは若いときの感性に縛られてしまう傾向があり、あまり進歩していないということも実感する…。ちょいと情けない。

そう言う意味でも、いやな自分に再び巡り会ったような気にさせられた一冊である。

久しぶりの講演会!

今年は1月に朝カル中之島で講演をして以来、この7月まで講演会らしい講演会がなかった。ただ毎月のように大きなシンポジウムやフォーラムが続き、人前で話す機会は続いていたのであるが、それも4月の朝カル新宿での白洲さんとの対談以来遠ざかっていた。そういう意味では一人で一時間半、しかも自分の作ったお話を自分で飽きずに自分でやるという講演は、やはり半年のブランクのせいで少々疲れた。

7月12日、リーガロイヤルホテル京都で行ったその久しぶりの「京都こころの会」の講演会であるが、京セラ相談役伊藤会長のもと、老舗の社長さんや市長さん、学者の先生など約120名の参加者を得て、無事に終了した。・・・エライ人たちの前でちょっと臆したところもあり、更に久しぶりということもあって自己採点は60点の出来。

でも終了後の懇親会では、50余名の方と名刺交換をした際、たくさんの方によいお話でしたといってもらったし、呼んでいただいた奈良トヨタのK会長からもよかったと言ってもらった。少しべんちゃらとは思うが褒められるのは嬉しい・・・かも。

でも60点の出来では、あまり褒められすぎると気恥ずかしい気持ちもした。全国的な参加者の中、遠く函館や福岡から駆けつけていいただいたみなさまには不出来なことで申し訳なかったです。今度ウチでもって数人の方に声をかけていただいたのは感謝です。

今月はあと2つ、講演会があります。

19日にはリッツカールトン大阪でのダイヤモンド社主催の講演会。「今まさに日本が取り戻すべきもの‥修験道に学ぶ」という表題です。

内容:山中深くに分け入って、大自然の中で修行する山伏の世界。
「修験道(しゅげんどう)」は、まさに“実践”の教えです。
今回は「修験道」の持つ現代的な意味をテーマに、
経営と修験の共通項を探ります。
奈良・吉野の山伏が語る「修験道の学び」をお楽しみに。

詳しくは以下のサイトを↓

http://www.dfc.ne.jp/club/?pid=1337572648-742798

また7月末にはヴィアーレ大阪にて、関西ウォータークラブ主催の講演会にも出向します。

久しぶりに今月は3つ。せめて70点80点の出来を目指します。

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8月22日には薬師寺でもお話しをさせていただきます。

「日本中で寅さんを支えた人たち」

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今週7月10日に発売となった講談社「男はつらいよ フーテンの寅さん」のDVDマガジン(http://toramaga.jp/)第39作目「寅次郎物語」をようやくゲット。

電話取材だったが、朝日新聞の小泉信一さんから取材を受けた「日本中で寅さんを支えた人たち」で当時エキストラで出演した私も紹介していただいている。

あれから25年。実はあの年は結婚した年。今年で銀婚式を迎えたが、DVDマガジンが思わぬメモリアルな発売となった。

私も出ている「寅さん」DVDマガジン 発売中!

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あの「男はつらいよ フーテンの寅さん」のDVDマガジン(http://toramaga.jp/)で、ようやく吉野山がロケ地となっている第39作目「寅次郎物語」が企画され、7月10日に発売となった。

http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B006MI8JUC/_1weekcc-22

以前にも書いているので、私の周辺の方はすでに知っている人も多いと思うが、ロケ地となった金峯山寺を代表して(ホントは私が出ます!!って勝手に出たのだが…)あの映画にはエキストラとして、25年前の若かりし私は2シーン出ていて、しかもエキストラでは唯一、台詞もある。

その台詞・・・、今でも覚えている。
「このお堂が金峯山寺蔵王堂でございます…」だ。
観光客を引き連れて、寅さんの後を、蔵王堂に入っていくシーンだった。もうワンシーンは山伏姿である。是非ご覧頂いてご確認ください。あの頃は痩せていて、ちょっと顔は、今と違うかも知れないけど。

あの作品のヒロインは秋吉久美子さんで、その映画のご縁は3年前にジュンク堂のトークショーなどてご一緒したり、伊勢の世界遺産シンポでご一緒したり、いろいろ繋がっている。この秋にもイベントで来てもらえるかも知れない。

ところで、その秋吉さんとのツーショット写真は引き延ばして今も大切に飾っているのに、あのときは、寅さんと、それから山田洋次監督ともツーショット写真を撮らせて頂いたが、ネガも写真もない。貴重な写真であるが、とても残念で、もったいないですねえ。

山の修行は素晴らしい・・・今年の蓮華会入峰修行が無事終了

7日の蓮華会と蛙飛び行事そして8.9日の蓮華奉献入峰修行が無事終わりました。

山修行はやっぱり素晴らしい・・・。

今年は持病の両膝関節痛に加えて、腰痛も患うという最悪の体調で峯中先達を務めたが、幸いお天気にも恵まれて、なんとか果たすことが出来た・・・。みなさんのお蔭である。

山に入ってすぐ思い出した。

山を歩かせていただく有り難さ、行じることの有り難さ。生きていることの有り難さである。

そして懺悔懺悔六根清浄を何度も何度も唱える中で、いろんな有り難さを思い出す。

仕事がうまくいく有り難さ、うまく行かないことも有り難い。友人や回りの支えが有り難い。うまくいかないところもありがたい。家族の支え、関わる人多くのみんなの顔が浮かんで、ありがたい。

樹が岩が、草や土がありがたい。空気が、光がありがたい。大地が、地球がありがたい・・・そして大峯の山々、神々、蔵王権現さまがありがたい。命がそのままありがたいのである。

そんな想いに包まれた、山の修行であった。

総勢120名に及ぶ入峰修行であったが、参加のみなさん、行をサポートしていただいたみなさん、ホントに有り難うございました。

写真は満行下山上本堂前での、T奉行さんとのよい顔ツーショット。

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惜しみなく愛の言葉を・・・

相変わらずつれづれに・・・。

今、娘が病を得て、しばらく養生のため、自宅に戻っている。

今日は月例の護摩だったが、護摩のあと、娘と先祖の墓参りに行った。病はいやだし、診察から手術に至たる日々には心を痛めたが、お蔭で無事病は癒え、退院後、しばらく家にいることになった。学校を卒業以来、なかなか家に帰ることのない娘と一緒の時間はかけがえのないものかもしれない。

人生などはあっという間のひとときである。私にとって24歳の娘は未だに生まれたばかりの赤子のイメージであり、それでも大人びたことを会話の中で交わすようになった今では、それがとても不思議で、とても嬉しい。単身赴任20年という、家庭を顧みない私の生活は昔から変わらないが、娘を見るとそういう人生を少し反省をする。

人は誰でも「愛」だけに生きることなど出来ないものだ。でも「愛」がなければ生きていけないに違いない。

・・・今夜の歌は「惜しみなく愛の言葉を」

http://www.youtube.com/watch?NR=1&feature=endscreen&v=XyoL0eA1xmg 

「明日をも知れず今日あるだけの1日の花、明日を憂えず今日咲き尽くす1日の花」

そんな風に生きる強くて美しい女性に、娘にはなって欲しいと思う。

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一庶民…談志の「芝浜」…原発再稼働、そして近代との戦い

煌煌と光を放つ灯りの下にいる。

ここからそう遠くない大飯原発では昨日再稼働禁止を叫ぶ人たちがたくさんの行動をして・・・そしてそれでも昨夜、原発は稼働した。

まだ少しハートブレイクが続く私は、自分のこともちゃんと出来ないのに、何が出来るというのか。

経済が止まればそれでなにかが終演する。電気が止まれば、被害を蒙る人の数も半端ではない。死者だって出るかも知れない。

それでもこの丹波の地が、万一原発事故によって、フクシマのように放射能に汚染され、住めなくなるという危険度のリスクは、あまりに大きい。いや、丹波のことだけを言っているのではない。日本の国土全体に関わる話なのである。

今日は突然の猛暑日だった。昨日までの涼しさから急にこんなに暑くなるとたまらない。クーラーが止まった都会生活はきっと地獄になるだろう。

京都から自宅へ帰る車の中で、談志の「芝浜」を聞いた。泣いた。何度聞いても泣くなあ…。

庶民の生きる実感とはそういうものでしかない。そして私もそのひとりであり、そうやって生きている。

原発問題を行動化するのは今の私には重荷すぎるのは間違いない。そして多くの国民がきっとみんなそうなのだと思う。

賛否を表さない黙認は、賛成推進派と一緒だ!と言われれば頷くほかない。

一庶民として生きるのが辛い時代になっている。情報量が半端じゃないだけに、落語に出てくるはっちゃん、くまさんのようには生きられない。

そんな想いを巡らしながら、煌煌とした灯りの下で、私はただ佇むだけである。

なにかを言うには、なにかを行うには、もう少し私には時間がいる。私にとって、近代との戦いはまだ始まったばかりなのだから・・・。

だからといって、ありあまる時間があるわけでもないことはわかっている。近代のなにと戦うのか、近代のなにが戦わねばならないものなのか。それさえまだわからないでいるのだ。

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中村福助さんの「男の花道」

今日は中村福助さんの公演・新歌舞伎座の「男の花道」に知人のKさんにご案内いただき観劇した。そして舞台が終わったあと、楽屋を訪ねて、少しだけお出会いした。

昨年秋は中村勘三郎さんの復帰講演でも楽屋に案内いただたし、10月には仁左衛門さんと孝太郎さん、千之助さんに金峯山寺で奉納舞台をお願いした。

吉野山は歌舞伎の義経千本桜のメイン舞台だし、そういうつながりがあってももともと不思議ではないが、実は今はほとんどない。

ここしばらくはそれぞれ個別においでになることはあっても、あまり深いおつきあいはなかったのである。昨年はプライベートで勘三郎さんがおいでになり、今年は海老蔵さんがご開帳に来ておられたと現場から聞いた。折角、通し狂言義経千本桜の舞台なのだからもう少しご縁があってもよいと思っていた。

とりわけ、参道に建つ狐忠信の霊碑は来年50年周年を迎える。

調べると50年前は歌右衛門さん、仁右衛門さん、勘三郎さん、猿之助さんをはじめそうそうたる名前が狐忠信の霊碑建立に名前を連ねていただいている。この機会に、義経千本桜のメイン舞台、蔵王堂や金峯山寺とのご縁が復活すればありがたいと思った。

知人のKさんのお取りはからいで、今日もいろんな方に親切にして頂いた。こういうご縁を大事にしたいものである。

それにしても座長を務めるような方はオーラが違うねえ。

勘三郎さんも仁左衛門さんも、そして今日出会った福助さんも、それぞれみなさん、オーラ満載だった。

ところで、毎回歌舞伎で泣いているが、歌舞伎とはちがう趣の中、今日は今日でまた泣いた。涙腺が弱いなあ。

・・・それから今日の舞台は初日ということで、演出の津川雅彦さんや音楽担当の宇崎龍童さんも舞台に上がり、また梅雀さんのお茶目すぎる台詞忘れもあったりして、ちょっと得した一日だったかもしれない。

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