「石巻大護摩供」
思いだけではなんともならないが、思わないことには始まらない。
今年3月12日から東北の被災地各所を回らせていただき、大船渡、陸前高田、南三陸、石巻・・・とその惨状を目の当たりにして、心砕ける想いの中、なんとか被災地での直接の祈りの場を持ちたいと発願した。
それから、2度にわたって、東松島や石巻に足を運び、ボランティア団体の人たちや水産工場の被災された方々に出会った。そして、この8月31日に、ようやく、石巻市魚町にある山崎平塚水産工場内での、東日本大震災復興祈願金峯山寺採灯大護摩供の修法を行わせていただくことが叶った。
アーユス仏教国際ボランティアネットワーク関西支部や、チーム王冠、そしてなにより平塚水産の平塚社長など、協力と応援を得ることが出来たから、祈りの場に繋がったのである。深く感謝したい。
また遠く金峯山寺から、東北に山伏を集めるなど、途方もない考えに賛同して、北は北海道、南は九州から、多くの金峯山行者たちがはせ参じてくれ、当日は40名の行者が祈りのときをおなじく出来た。来てよかった、なにか出来ることがないかとずっと思っていた・・・など、行者さんにも嬉しいお声をかけていただいた。
2,3000人がお参りされても動じない精鋭メンバーでの護摩である。素晴らしい復興祈願と、そして慰霊の法会を行うことが出来た。
参拝者は多くはなかったが、それでも、涙が出るほど嬉しかったと言っていただいた被災地の方々もあった。
ふだんの護摩なら天高く法煙が上がるが、道場内をいぶすような当日の護摩の煙は、集まった魂の癒しを受け止めているように感じたのは私だけではなかったかもしれない。
ともかく、無事、念願の大護摩供養が果たせて、有り難いの一言である。
護摩を終えて、最初に護摩法要を試みようと訪れた、門脇小学校前の慰霊の場に佇み、石巻での護摩修法の約束を果たすことが出来た報告の勤行をした。お唱えしたお経が、延々と続く被災更地に吸い込まれていくような思いだった。
また自分の出来ることで、行えることをつくり、被災地を訪れたいと思う。
自己満足かも知れないが、多くの人の縁によって広がった意味はやはり大きいと思っている。
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