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年頭所感② 2008編「日本の劣化を憂う」

昨日に続いての仏教タイム誌に書いた年頭所感の②・・2008年版です。

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■2008編 「日本の劣化を憂う」
新年明けましておめでとうございます。

昨年(2007年)の夏には、安倍首相が突然に退陣を表明し、政界は一時大混乱に陥りました。その後茶番のような総裁選を経て、福田政権が誕生し、いくらか国の政治も落ち着きを取り戻したかにみえた矢先、今度は、野党第一党民主党小澤党首の辞任騒動。一体この国はどうなっているのかと思わざるを得ないような迷走が続きました。

この小澤騒動でいささか安倍首相の辞任劇もかすんでしまった感はありますが、しかし本事件は昨年一番のサプライズであったにちがいありません。あのときは国中が一様に驚いたものでした。

その安倍さんのことですが、「美しい国作り」も「戦後レジュームからの脱却」も、素晴らしい主題であっただけに私自身は彼の辞任は密かに残念に思うところもありました。ただ病気とはいえ、ひ弱いというか、おぼっちゃまというか、そういう人を首相にしてしまうような現在の政治システムにはやはり問題があるように感じたのは私だけではないでしょう。まあ、宗教人があまり政治のことをいうのは門外漢なだけに差し障えるべきなのかもしれませんが、私が(先の小澤問題も含めて)これら政治上の混乱劇で受け止めたのは、安倍さんたちの個人的な問題以前に、どうも、日本人の劣化度を目の当たりにしたような、そんな思いでした。もちろん個人の問題は問題としてあるのだけれど…。

昨年、香山リカ著『なぜ日本人は劣化したか』(講談社刊)を読みました。そこには「日本語力」「考える力、他者の心を思いやる力」「モラル・責任感」「生きる力」「社会の寛容力」など、様々な方面で起こっている日本社会の劣化の現状がレポートされていましたが、国会論戦の開幕日に首相職を辞するような、そんなひ弱な総理はあまりいなかったと思います。たとえどうあれ首相といえば国家を代表する人間です。まさに劣化を感じました。

本書では劣化の例として、「救急車をタクシー代わりに使う人」とか「図書館の本を切り抜き、税金を払ってるから当たり前だと思ってる人」とか、目を覆いたくなくような劣化度の話が紹介されていますが、実はそれらの劣化度はたいしたことではなくて、首相のような国を代表する人間の劣化の方が大きな問題なのではないでしょうか。

「のど元過ぎれば熱さ忘れる」「人の噂も七十五日」とは言うけれど、安倍首相の退陣劇を簡単に忘れたりせずに、こういうときこそ、国家百年の大計をおもんばかる骨太の政治と人材が必要な時代であることを声高に言わなければならないでしょう。ともかく劣化を引きとどめるような政策を現政界には期待したいし、一方、宗教人としてなにか劣化の問題を解決する糸口を探したいとも思うものであります。

安部さんには今回のことを教訓として、逞しくなって戻ってきて頂きたいと願うものです。

政治家のことを言う前に、いわば神仏なき時代の様相を呈している現代社会においては、宗教人の責任もまた大なるものがあると自戒して、本年の抱負といたします。 合掌

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*掲載原文を少しブログ用に改編しています。
  自民党総裁再登場で、安部さんへの期待はありますが、
  前回のことを教訓にして、命がけでやって欲しいものですね。
*写真はネットから探してお借りした富士山の初日の出です。
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コメント

教育の抜本的再生、これは大人、特に全共闘世代の責任が大きいですね。山人さんのおっしゃる通り、安倍さん以外にこの国をまともに引っ張って行ってくれる政治家はいないようです。応援したいと思っています(^_^)/

候補者の中では一番マシなど、今はそういう決め方しかできなくなりました。悲しいですね。
最近は元気そうですが、阿部さんには体調に気を付けて頂きたいものです。
維新の会も、他も、なんだかよくわからなくなってきました。自我ばっかりの気がして・・。
どこに一票入れるべきなのか、仏様と相談してみます。

安倍さん「復活」に対する各方面からのスカトロじみたネガティヴ・キャンペーンには、この国の品位もここまで堕ちたか…と改めて思いしらされた。
いやもう、「品位」などと言っている余裕などない崖っぷちにまで日本は追い詰められているのだが、そんな今だからこそ、安倍さんには今一度「美しき国・日本」の一からの創造に政治生命をかけて頂きたい。

千葉のBBさん、香具山さん、高野の若さん、コメントありがとうございます。

こういったコメントをいただけるから、勇気をもって、連続投稿ができます。

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