« 25日、ABCラジオ「ちょっといい話」に出演。 | トップページ | 三夜連続の蔵王堂夜間拝観! »

年頭所感⑤ 2012編:「日本の復興を願う」

今週ずっと続けている、仏教タイム誌の年頭所感バックナンバー⑤・・2012年版、つまり今年の念頭記事です。一応の最終回。来年度版は掲載されてから、また紹介できればと思います。

****************************

■2012編:「日本の復興を願う」

新年明けましておめでとうございます。

昨年三月には東日本一帯を未曾有の大地震が襲い、それに伴う大津波、そして福島第一原発事故と惨事が続きました。我々が見たあの津波や原発事故の映像は、日本だけではなく、世界中に大きな衝撃を与えた人類史的な出来事でした。とりわけ原発事故は大きな物質文明社会への問題を提起したと思います。

自然に善悪などはありません。どんな大きな地震が起きようと、大津波が襲ってこようと、それによって原発事故が起きたとしても、それは地震や津波が悪いのではありません。自然とはそういうものなのであり、それが自然の有り様なのです。

原発事故の映像を見せられるたびにテレビでさんざん聞かされたのは「想定外」という言葉でした。実は自然というのは「想定」などできません。私たち日本人はもともと自然に対して畏敬の念を抱いていました。その自然を自分たちの都合でなんとかなると考えたのが想定するということです。

「想定外」というのは、近代が生んだ原理です。その根底のキリスト教では、神はその形の如く人を創り、人は神に許されて、海の魚や空の鳥など地上の生き物すべてを支配しようとしました。一神教=キリスト教にとって、自然というのは、どのように切り取ってもいいという考えなのです。

私たち日本人は自然に対する畏敬の念を取り戻すときにきているのではないでしょうか。東日本大震災では多くの方々が亡くなりました。「神も仏もいないのか」と考えた人もいたでしょう。でも、あの時、多くの人が持ったのは祈りの心でした。亡くなった方々への祈りであり、もうこれ以上揺れないでくれという祈りでした。

欧米社会の人たちと違って、私たち日本人は自然を飼いならすことなどできないことを知っていました。

福島原発事故によって、福島周辺の美しいあの海、あの山、あの川は汚染され続けています。私たちはあそこに住まう神仏に、そしてそこを守ってきた先人や祖霊たちにどう謝罪したらいいのでしょうか。

物質文明社会の豊かさを享受しようとすれば資源が必要です。しかし、自然を壊してまで手にしたものが本当に私たちを幸せにするかどうか。もし日本にある原発が次々に事故を起こしていくと、日本中のどこにも住めなくなります。そんなことをしていいのでしょうか。

日本人は畏敬の念をもって国土を大事にしてきました。二度と取り戻せないようなことをしてはいけない。また自然が処理をしきれないものを使ってはいけません。

人間は帰属するものがないと生きていくことはできません。是非、もう一度、自分たちが帰属する風土や文化を見直すところからこの国の復興は始めるべきだと私は思っています。     合掌

**********************      

*去年の大震災には日本中が心を痛めました。そこを避けずに念頭記事は書けないという当時の心境が甦ります。そしてそれは今も変わらずに私の心にのしかかっています。来年の念頭記事も今年の続きのような内容となりました。また正月明けに、ご紹介出来ればと思います。

*写真はネットから探してお借りした富士山の初日の出です。

558813_422947291104599_1089211641_2

« 25日、ABCラジオ「ちょっといい話」に出演。 | トップページ | 三夜連続の蔵王堂夜間拝観! »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

一神教 vs 多神教…という安易な二元論は、西田の「一即多」 「多即一」が理解できずに京大から落第くらった梅原猛のコンプレックスが産み出した妄想ですわな。
現実はそう簡単ではなく、「我が兄弟・太陽よ、我が姉妹・月よ」と唄ったアッシジのフランシスコから現代のディープ・エコロジーやアニマル・ライト思想に到るまで多種多様もしくは雑多なものまで「一神教」もグチャグチャに込み入ってるわけで、
そこを都合のいいサンプルだけ取り出してムリヤリ二項対立に持ち込み、そこに当てはまらない都合の悪い多様なものは政治力で揉み消しちゃうからこそ、やっぱり梅原クンは「落第」なんじゃないでしょうか?
哲学者を自称していますが、実態はただの政治屋ですよね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 25日、ABCラジオ「ちょっといい話」に出演。 | トップページ | 三夜連続の蔵王堂夜間拝観! »

本・著作

最近のトラックバック

Twitter

  • Follow me
  • Twitter
    TwitterPowered by 119
2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ