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吉野山の桜~その1~

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◎吉野山の桜~その1~

今年は桜の開花が早い。2月が寒かったので、花も遅いのかなあと思っていたら、3月に入って急に春めいて、吉野山も他の所と同様に、花が急いで咲き出した。去年と比べると10日以上早い開花である。

南朝宮跡の桜も今日、咲き始めていた(写真)。

今年2月の「やまとびと」に吉野の桜の原稿を書いたが、西行の望んだ如月望月に、吉野でも桜が咲いていることになるだろう。希なことが起きる、希な年である。

よろしければ原稿をお読み下さい。

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 「花と蔵王権現」

花は神仏への供養を表す。あるいは、下界の浄土そのものを象徴する、という。

今年ももうすぐ春が訪れる。吉野のお山にも花の開花が告げられ、いつもながらの観光客でにぎわうことだろう。

吉野の花は山桜である。

この山桜、実はいわれがある。

今から千三百年の昔、吉野から南に六里ばかり行くと山上ヶ岳という山林修行の霊山がある。ここで、わが修験道の開祖役行者(634-701)が一千日の参籠修行をし、守護尊・蔵王権現を祈り出す。そしてそのお姿を山桜に彫刻し、山上ヶ岳の山頂と、麓の吉野山にお祀りした。寺伝にいう、金峯山寺のはじまりである。

件の伝説によって、山桜は蔵王権現のご神木とされ、千年以上にわたって地元吉野山では、山桜を大切に大切に守り伝えてきた。また山を訪れる人たちが、権現への信仰の証として桜の苗木を植樹し、ついに桜は全山を覆って、日本一の桜の名勝地にして行ったのである。

春が来て、吉野山が桜色に染まる風景に接するたびに、私は、蔵王権現への供養の心を新たにさせていただいている。

桜花は蔵王権現の浄土そのものを荘厳している。吉野の里人ならずとも、圧倒的な桜花を前にして、その美しさは、誰もが体感することであろう。

  願わくば花のもとにて春死なむ
  その如月の望月のころ

吉野の桜を愛し、吉野にわび住まいした西行法師(1118-1190)は、釈尊入滅の二月十五日、満月の頃に、桜の下に生涯を終えたいと念願して、この歌を詠んだ。そしてその願いどおり、西行は二月十六日に臨終を迎えたという。

今の吉野山では、西行のいう如月望月に花が咲くことは極めて希であるが、その希が今年は起こる。今年は旧暦の二月十六日が、三月二十七日の満月になるのだ。もしかすればこの春は、蔵王堂の秘仏本尊蔵王権現像のご開帳を前にして西行法師の望んだ満月のもと吉野桜の開花を迎えることが出来るかも知れない…。

西行の生きた時代から、八百年を経てもなお、桜を愛するこころは日本人に生き続け、蔵王権現の浄土は守られ続けている。

有り難いことだと思う。この有り難さ、絢爛豪華に咲く山桜花とともに、多くの人々と分かち合いたいと願う、平成の春、望月如月の今である。

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コメント

ヘタレの私はお山に蔵王権現さまのエネルギーと、山人さまのパワーと、桜の生命力を頂きにに上がろう…。
(今月の金峯山時報さんはシビアでした…。頑張ります。)

編集の窓でしょ??

山人先生、題字下の「真言」もですよ!(笑)

…まぁ、若手(私以外は)で、真相説明にあちこち辻説法に走り廻って、少し笑える余裕も出てきたので、楽しみながら読ませて頂いておりますが…(^^;)

M博士からの大恩に少しでも報いるべくドサ回っていて、3月15日になんばPにゆけなかったのが唯一残念でした。

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