« 幻の吉野山ランチ | トップページ | 修験道連続講座・4月は法螺を吹きましょう!! »

シノラーと、せんとくんと、くまぶしくん

Photo

「シノラーと、せんとくんと、くまぶしくん」

このブログでも何度も書いてきたが、私はどうしても、奈良のゆるキャラ「せんとくん」にはなじめない。なじめない…というより、どちらかといえば、合わないっていう感じである。

そのせんとくんの制作者が東京芸大の籔内佐斗司先生である。せんとくんの悪口を書くにつけ、きっと、いずれどこかで、先生に出会うのだろうと思っていたのだが、そのときは、困るだろうなあという気持ちでいた。

私が許せないのは、奈良のゆるキャラとしてのせんとくんであって、決して、籔内先生にどうこうというわけではない。先生は先生の芸術性で制作をなさっているので、そのことに私がとやかく言う立場にはない。先生は以前から、童子の顔に角を着けるというような、せんとくんの原形のような作品を世の中に出しておられるのも、知っていたし、それは先生の芸術であるのであって、私の趣味とは関係がない。芸術とはそういうものだと私は思っている。

ただ奈良県が奈良県をあげて、仏様の顔にトナカイの角を生やすようなキャラクターを採用することに、仏教者として、違和感を隠せなかったのは事実である。それは今でも変わらない。

せんとくんはご存じのように、平城遷都1300年祭のオフィシャルキャラクターとして、採用され、きもかわいい…という当節の流行によって、全国区となった。制作発表当時は随分賛否があったが、そのうち、なんとなく定着とした感がある。

遷都祭当時の担当者に、「田中さんがせんとくんの悪口をブログに書いてくれるので、せんとくんは人気が出ました…」って真顔で言われたことさえある。悪いジョークだと思った…。

さて、その籔内先生にとうとう出会ってしまったのである。

金峯山寺蔵王堂の秘仏本尊金剛蔵王権現様の、今期の特別ご開帳が始まった初日、3月30日にNHKEテレの番組、趣味Do楽「籔内佐斗司流 仏像拝観手引 日本列島巡礼編」の取材で来山されたのだ。

取材依頼があったときから、どんな顔して挨拶しようか…って、ホントに困っていた。

ところが、である。

アシスタントで同伴されたのが、私がかねてよりのファンだったシノラーこと、篠原ともえさんで、彼女が持つウルトラリラックスな感じが、とても和みのある先生との出会いにしてくれたのであった。

先生も彼女の持つ和みにすっかり魅了されておられるようで(番組は2シリーズ目に入っている)、そんな和みの空気を無理に壊すような、せんとくんの話題も出すことなく、取材のご挨拶は無事に終わったのである。

おまけに、初入荷以来売り切れになっていた山伏キャラのテディベア「くまぶしくん」がたまたまその日に100個届いていたので、シノラーにプレゼント出来たのであった。彼女はとても気に入ってくれて、自分のカバンにつけてくれているらしい(私は以前からツイッターで彼女をツイートしていたが、この取材をきっかけに彼女も私をツイートしてくれて、彼女のツイッターにもくまぶしくんを紹介されている)。彼女はほんとに素敵である。

実は籔内先生には最初差し上げなかったのだが、先生も欲しいと言っておられたと取材担当の者から聞いて、慌てて持って行くと、大変喜んでいただいた。

まあ、熊に山伏を着せて、キャラを作ることくらいはあまり気にはしない私なので(くまぶしくんは奈良日航ホテルとのコラボで制作したが、名付け親は私である)、せんとくんのことも、そうとやかく言わなくてもいいようなものだとは思ったが、篠原ともえさんのお蔭で、なんとも籔内先生との出会いが、不可思議なものとなったのである。シノラーのお陰様である。

シノラーのお蔭が大きいが、先生はよい人だよ、って以前から聞いていたので、会ってみて、確かにとてもいい方だとわかった。

その後先生からは、著作本やNHKの番組のテキスト本などを送っていただいた。なんか、恐縮する以外にはないこととなってしまったが、だからといって、私はせんとくんは今でもなじめないのは変わらないことだけ、書いておきたい。

金峯山寺が取材を受けたNHKの番組は「籔内佐斗司流 仏像拝観手引 日本列島巡礼編」の第6回放送分「山岳のほとけさま~修験道と神仏習合~」(5月 7日・午後9時30分~55分)である。是非ご覧いただければと思う。

番組サイト http://www.nhk.or.jp/kurashi/doraku-tue/

ちなみに私は番組には出ていませんので・・・。

Bgkckh6cqaaz2b9

« 幻の吉野山ランチ | トップページ | 修験道連続講座・4月は法螺を吹きましょう!! »

コメント

「せんとくん」…若造のまわりでも、すこぶる?評判悪いなあ。…アレって平城遷都アニバーサリーのためのキャラじゃなかったんですか?!…なんかその後も居すわっちゃってるけど…。
籔内氏、作風も苦手で、奈良でガクーン…善光寺にお参りしてまたガクーン…出雲に行ってカサネガサネガクーン…。
潤沢な資金力を利用して毎年、自分の学生たちの作品のオールカラー写真集を、全国の美術館・博物館に大量に送りつけてくるのもガクーンですね。
…某山ではアレ、カッターナイフ使う時のマナイタとして使われていますが…税金の無駄遣い以外の何物でもない。
今日は今日とて、某山の大阿闍梨さまが「あの人はブツゾーは分かっているつもりなんだろうが、仏さんをケシツブほどにもわかっていない!…Eテレなんて見る価値なし!」
…と公衆の面前で激しくお怒りになられるし…まあ、お気持ちは十分過ぎるほどわかりますが。
それに引きかえ、その天賦の才といい、大人の女性としての美しさといい、毒をも中和してしまうキャラといい…篠原ともえさま、いいなあ。…本当にいいなあ。…カサネガサネいいなあ。
Eテレ、私は見ますよ!…たとえ山人先生が出演しなくても、篠原さんを見るために見ます!
ちなみに私のくまぶしくん…「わー!なにこれ?キャーかわいー!」って言って若い女の子たちが全部もっていってしまいました…。
次回は是非、魔除けの「やまぶしくん」の限定販売を…。

相変わらず、高野若さんは毒舌ですねえ。

まあ、私のせんとくん嫌いは、そこそこ奈良では有名ですが・・・シノラーは良かったですよ。

この記事へのコメントは終了しました。

« 幻の吉野山ランチ | トップページ | 修験道連続講座・4月は法螺を吹きましょう!! »

本・著作

最近のトラックバック

Twitter

  • Follow me
  • Twitter
    TwitterPowered by 119
2022年4月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ