絵本「蛙飛び」出来ました!!
絵本「蔵王さまと行者さま」に引き続き、絵本「蛙飛び」が上梓となりました。
金峯山寺では明日19日から蔵王堂と事務所で販売をはじめています。
前回同様、松田大児さんの柔らかで楽しい作画で話を作りました。7月7日に行っている金峯山寺の伝統行事「蓮華会・蛙飛び行事」の絵本化です。コミニケ出版さんにお世話になりました。
今回も私があとがきを書かせていただきました。
以下、転記します。
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あとがき
ばあーんばぁーんとドラが打ち鳴らされると、その音に合わせて、ピョンピョンと飛び跳ねる大青蛙。毎年夏に行われる金峯山寺の伝統行事、奇祭「蓮華会蛙飛び」です。
ある雑誌の対談で、イラストレーターのみうらじゅんさんと対談したことがあります。その時、みうらさんは対談の内容はそっちのけで、蛙飛び行事の話ばかりをされていたことがありました。「ともかくあの祭りはものすごく面白い」と、大賛辞を浴びたのでした。
確かに面白いです。大青蛙の着ぐるみが出てくるような宗教行事は希有のものだし、動きそのものもとってもユーモラスなのです。
「蛙飛び行事」を執り行う側として、長年出仕をしていると気づかないものですが、外側から見るとしたら、あんなに面白い行事はないのかもしれません。…みうらさんとお話しながらそんなことを思っていました。
その頃から、この蛙飛びが絵本か童話にならないかと漫然と思っていました。そして、このたび念願が叶い、絵本「かえるとび」をお届けすることになりました。
きっかけは、前作の絵本「蔵王さまと行者さま」の制作でした。前作と本作両方に携わっていただいたコミュニケ出版下井謙政さんと、作画の松田大児氏さんとの出会いがなければ、本書が世に出ることはなかったでしょう。金峯山寺絵本シリーズの第二弾が「かえるとび」なのです。出来れば第三、第四弾と続けたいと、厚かましくも思っています。
「親の因果が子に報い…」というのは仏教の教えではありません。仏教では「自分の業因で自分の結果が出る」と教えます。
大きな悪業を重ねた罪は自分で負わなければならないのです。
蛙になった男のように、仏罰に当たって目覚めるのならまだ救いがあるともいえます。
「かえるとび」に教えられた仏様、蔵王さまの教えが、少しでも世に広がっていけば、世知辛い世の中も少しは良くなるのでは…と念じて、巻末のご挨拶と致します。
総本山金峯山寺執行長 田中利典
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あとがきにも書いた通り、今回の絵本制作のきっかけはみうらじゅんさんとの対談でした(平城遷都1300年記念号・「旅の手帖」紙上です)。そのご縁ですてきな帯の推薦文と、蛙のイラストをみうらさんに書いていただきました。たくさんの人に知っていただく機会となれば嬉しいです。
なおなお、金峯山寺では来年の節分に向けて、シリーズ第3弾「(仮称)役行者と鬼さん」の制作企画を進めています。ご期待ください。
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