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随筆「大峯にて・・・」

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本宗の機関誌に連載している随筆。書きたてですが、早出しします。
表題は「大峯にて・・・」。
よろしければお読み下さい。

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「大峯奥駈修行ではどんな体験をされたのですか」と聞かれることがあるが、そんな大した人に誇れるほどの体験をしたわけではない。でもまあ出し惜しみをするわけでもないので、二、三の話を紹介している。

峯中、七つ池という靡でのこと。この靡では、苔むした大きな古木の前でお勤めをする。そのときもまた、いつものようにその大樹の前で、般若心経を唱えていた。ふと見ると、目の前の大樹を一匹の青虫が、必死に上を目指して登っていた。般若心経を唱える間、その青虫を見つめていたが、お経の終わる頃、ひらめきのように「この青虫は前世の私だったのだ」と思った。山深い大峯峯中で一生を終えた、いつかの青虫だった自分の、前世の姿を見せられたような気がしたのだ。「今生、人間として生まれてきて、今この大峯で、奥駈修行をさせていただいている。折角人間に生まれてきて、仏縁を得たのである。今生、この人間としての生を大切に、自分のするべき修行にもっと頑張らねばいけない‥」と、そういう気持ちが素直に湧いてきたのである。五分ほどのお勤めの間、数㍍しか進まない青虫の姿を見て、前世の自分に出逢わせていただいた、そんな貴重な体験をしたのだった。

またある年奥駈。その年は雨も多く、ぐったりとするくらい、峯中で疲れを感じていた。七曜ヶ岳の遙拝所だったと思う。いつものように皆で一心に勤行をしていたとき、私を取りまく全てのものと、私が繋がっているという自覚が、戦慄のように体を突き抜けたのであった。降りつづく雨、そしてその雨を受けている草も樹も岩も、山も空も風も、全てが自分と繋がっている。いや自然や宇宙そのものが私自身なのだと自覚したのだ。黙々と修行に専心する日々だからこそ、心と体が大自然にとけてしまう体験があるのだと思う。

峯中体験でもっとも感動したのは前鬼山へ降る坂の途中、二つ岩という行場での勤行中のこと。天上から白く大きな光に全身が包まれる感触に襲われたのだった。頭上からおりてきた光は、心も体も包み込んでいった。とても柔らかで暖かい光であった。そのとき「あぁ、もし自分が死を迎えるそのときは、こういう光に包まれる感覚でありたい…」とそう願ったのだった。朝四時前から歩き出し、まだ陽の空けやらぬ時間から、夕暮れ近くまで歩き通したその日は、すでに十一時間を越えようとしていた。疲労困憊の心身ではあったが、だからといって、気絶したわけではなく、意識は清々しいほどはっきりとしていた。山を下りて、あの時のような、白く暖かい光に包まれて死を迎えるためには、日々の暮らしの中で、それに相応しい生き方をしなければならないと自分を恥じたが、大自然の中で神仏を拝むとは、こういう瞬間に出会えるということでもあるのだ。だからこそ、山修行はやめられないのだと思うのである。          

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