「自然に善悪はない」
「自然に善悪はない」
もともと自然に善悪などはありません。どんな大きな地震が起きようと、大津波が襲ってこようと、台風が来て、河川が決壊し、土砂災害が起きようと、それによって日本中の原発が事故を起こしたとしても、それは地震や津波や台風が悪いのではありません。自然とはそういうものなのであり、それが自然の有り様なのです。
私たちは自然に対する畏敬の念を取り戻すときにきているのではないでしょうか。3年前の東日本大震災では多くの方々が亡くなりました。「神も仏もいないのか」と考えた人もいたでしょう。でも、あの時、多くの人が持ったのは祈りの心でした。亡くなった方々への祈りであり、もうこれ以上揺れないでくれという祈りでした。
もともと私たち日本人は自然を飼いならすことなどできないことを知っていました。
福島原発事故によって、福島周辺の美しいあの海、あの山、あの川は汚染され続けています。私たちはあそこに住まう神にどう謝罪したらいいのでしょうか。
物質文明社会の豊かさを享受しようとすれば資源が必要です。しかし、自然を壊してまで手にしたものが本当に私たちを幸せにするかどうか。もし日本にある原発が次々に事故を起こしていくと、日本中のどこにも住めなくなります。そんなことをしていいのでしょうか。
日本人は畏敬の念をもって国土を大事にしてきました。二度と取り戻せないようなことをしてはいけない。人間は帰属するものがないと生きていくことはできません。是非、もう一度、自分たちが帰属する風土や文化を見直すところからこの国の復興は始めるべきだと私は思っています。
・・・・台風の襲来を目の当たりにしながら、昔の講演録を紐解いてみました
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