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「世界遺産と吉野大峯」

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「世界遺産と吉野大峯」

吉野大峯から熊野に至る紀伊山地一帯、中でも修験道の伝統を残す大峯奥駈道は、神仏宿る聖地として日本固有の宗教文化を最も色濃く今日に伝える貴重な文化遺産である。

異なる宗教の共生、自然と人間との共生という二重の意味で、前述の世界遺産の精神とも重なり合うこの宝物をきちんと守り活かしてゆくことは、真に豊かな日本の国家を築くことのみならず、ひいては世界に対して共存共生の一つのお手本を示すことにさえなり得ると確信するものである。

キリスト教やイスラム教のような一神論的なもので世界全体をグローバル化することの綻びは、21世紀の幕開け年に起きた米国同時多発テロやそれに関わる不幸な紛争によって世界も認識するところであり、むしろ修験道や山の宗教が持ち得た多神教的な、互いの価値観を認め合うところにこそ、共生の源があるのではないだろうか。

『紀伊山地の霊場と参詣道』の大峯奥駈道が世界遺産として持ち得る意義は、役行者以来、長年にわたり受け継がれてきた日々の修行の実践を通じて、環境破壊と宗教対立に満ちた今日の世界に向けて伝えることのできる数多くのキーワードを有していることである。そういう視点を活かすところから大峯の世界遺産登録を見つめて欲しいと願うものである。

修験道に生きる筆者からの、大峯の世界遺産に関する提言と願いである。

ープチ著述集260820 『吉野・大峯の古道を歩く―紀伊山地の霊場と参詣道 』(歩く旅シリーズ 街道/山と渓谷社大阪支局 2002.10刊)拙稿「大峯奥駈の世界」から

*10年以上前に書いた文章ですが、まだまだ新しさがあると思うのは自画自賛??ちなみに今年は登録10周年です。

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