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「山川草木悉皆成仏は日本ならでは」

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「山川草木悉皆成仏は日本ならでは」

仏教でね、山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)という思想がありますが、日本人はこれをよく見聞きしてますよね。

これ、山も川も木も草も全部仏性を持っていて、成仏するんだという思想なのですが、実はもしこれをお釈迦さんが聞いたらきっと腰を抜かすほどビックリされると思うのです。

お釈迦さんは決して、木や草やまして石や岩に仏性なんか認めていないのです。これは中国を経て日本に伝わって来た仏教が、ある種、もともと日本にあった神道的なものと融合して出来できた、いわば日本独特の思想なんですね。八百万の神ですね。

修験というのは、そういう思想というか、自然観の上に成り立った宗教なのです。日本独特のカルチャー、文化というのをまず自覚することが大事なのです。

先ほどの繰り返しになりますが、西洋人が北斎の版画を見て感動するのは、版画自身が富士や波の絵の中に聖なるものを感じる感性のもとに描かれいるからなのです。

それは、少なくともキリスト教以降の欧米にはなかったカルチャーなのです。だから、欧米人も逆に感動するのです。それは、私たちが伝え保持してきた大変大事なものなのです。この自覚は、富士山の世界遺産登録を見ていく時に非常に重要であるということを、繰り返し申し上げておきたいと思います。

で、修験という大変わかりにくいものや、修験が成り立つ吉野・大峯の価値をどう伝えるかというのは、頭の中だけで考えると難しい。しかし、私自身が実践を通して、先ほど見ていただいた山修行の中に見つけることが出来た。

明治以降の日本は近代化することによってそれ以前のものを随分損なっていくのですが、明治以前のものを見ようとした時に、山修行にはたくさん残されている。

神も仏も分け隔てなく、尊んでいく…、自然の中にある自分を超えたものへの畏怖を持ち、崇めていく。そういったものは近代以降本当に急速に衰えていったのだけれども、私が奥駈修行で得た体験的なものをそのまま伝えることで、理解されるようになった…、世界の人々に届いたのではないかと思います。

実際に私自身が世界遺産委員会に行って話したり、しゃべった訳わけではないのですが、日本の調査官やイコモスの調査に立ち会う時など、担当の人たちに訴える中で、奈良県での推薦の道筋が開けてきたのではないかと思っています。

富士山世界文化遺産国際シンポジウム
-「テーマ・世界遺産と富士山の象徴性パネルディスカッション」より
 於 2008年11月9日 富士市交流プラザ多目的ホール

*写真は奥駈仲間で富士登拝修行をしたときのもの。

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