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「山は神仏の世界」

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「山は神仏の世界」

西洋の魔法使いには、良い魔法使いと悪い魔法使いがいる。このことは、『ハリー・ポッター』を読んでも、よくわかる。良い魔法使いの代表がダンブルドア校長で、悪い魔法使いの代表がヴォルデモートだ。

日本では悪い魔法使いというのは、あまり登場しない。戦争ばかりの西洋に比べれば、日本ははるかに平和なところだったので、ヴォルデモートみたいに、とことん悪い魔法使いは出番がなかったらしい。あえて探すと、夢枕獏さんの『陰陽師』に出てくる道満あたりだろうか。

ちなみに、『古事談』や『峯相記』などの記録によれば、道満は実在した人物のようだ。「法体」、つまり坊さんの格好をしていると書かれているので、どうやら密教系の陰陽師だったらしい。

話をもとにもどそう。山伏のなかに悪い魔法使いタイプが全然いなかったわけではないが、たとえいたとしても、ごく少なかった。その理由は、山で修行をしていたからだ。

日本の山は、さっきも説明したとおり、聖なる場所だった。神や祖霊、つまり先祖の霊が住んでいる、とても素晴らしい場所だった。

六世紀に仏教が大陸から伝わると、仏教もまた、修行のために聖なる場所を求めて山に入った。すると、山は神や祖霊だけではなく、仏たちもいる場所になった。たとえば、日本史上、最高の宗教的天才といわれる空海さんも若い頃、立身出世主義のガリ勉ばかりの大学をやめ、真の教えを求めて山に入り、厳しい修行を積んだことは、よく知られている。

こういうぐあいに、神や仏や祖霊がいる聖なる場所で修行をしているかぎり、悪いことはしにくい。すごくきれいなところにはゴミを捨てにくいのと、似た理由だ。仮に悪い心を持っていたとしても、修行を積んでいるうちに、心が洗われて、きれいになってしまう。

ところが、キリスト教のように森や山を毛嫌いして、ああいうところにいるヤツにろくなヤツはいないと決めつけていると、ほんとうにどうしようもない悪いヤツばかりが集まってしまう。そして、ますます悪くなる。もともとはきれいな心を持っていても、朱に交われば赤くなるということわざではないけれど、心が汚れて、悪いヤツになってしまう。

その点、日本は恵まれていた。山を、神や祖霊や仏がいる聖なる場所とみなしてきたおかげで、とことん悪いヤツが現れるのを未然に防げたからだ。考えてみれば、私たちのご先祖さまたちは、とても賢かったということになる。

 ー『はじめての修験道』(田中利典・正木晃共著/2004年春秋社刊)「第1章 修験道とはなにか」より
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