« 「世界遺産のカストーディアン会議」 | トップページ | 「諦める」 »

「修験道大結集「平和の祈りのメッセージ」

Oogoma


平成16年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産登録受けた吉野大峯地域の記念事業として取り組んだのが、「修験道大結集」(本になっています→ http://www.amazon.co.jp/%E4%BF%AE%E9%A8%93%E9%81%93%E5%A4%A7%E7%B5%90%E9%9B%86-%E9%87%91%E5%B3%AF%E5%B1%B1%E5%AF%BA/dp/4938651599)。

その結願に、参加17集団、修験寺院の決議として、採択したのが「修験道大結集・世界平和の祈り」でした。

今年はその世界遺産登録10周年。修験道大結集も10周年となり、11月16日午後2時から、10周年平和の祈りの大結集大護摩供を行います。

...

そのときに、再度、「平和の祈りのメッセージ」を宣言したいと思います。

実は、このメッセージは、平成21年の5周年のとき、更に白光真宏会富士聖地地球シンフォニー平和の祈りと、昨年の奈良県宗教者フォーラム10周年金峯山寺大会・平和祈願祭大護摩供のときにも、採択して読ませていただきました。

以下、大結集結願の護摩のときのオリジナルメッセージです。

********************

世界遺産登録記念・ユネスコ憲章賛同事業
 修験道大結集「平和の祈りのメッセージ」

 ”人が信じる、すべての仏に、神々に、合掌”

私たち人間は、地球の住人です。
その地球、そして大宇宙の森羅万象の中で、私たち人間は特別に優れているとか、
劣っているとか、そういうことはありません。
あらゆる命、あらゆる存在が、全て等しくこの世にあります。

しかし、人間はその真理を忘れ、今に至りました。
欲望を満たすことだけが生きる意味ととりちがえ、森羅万象をないがしろにする。
人間同士、些細な理由で互いをわけへだて、差別する。
宗教、人種、歴史、文化…。互いの価値観のちがいを、ことさらにあげつらい、
蔑み、妬み、争い、ときには殺し合う。なんとあさはかなことでしょう。

歯止めのきかない自然環境破壊、頻発するテロや戦争、すべてが、その結果です。
今、人間はみずから播いた災いの種に苦しめられています。
そして、この苦しみは、私たちの子や孫の世代まで、
そのもっと、ずっと先の世代まで続くのです。

「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、
人の心の中に平和の砦を築かなければならない」とユネスコ憲章の中にあります。
禍の根源にあるのは、私たち一人ひとりの心です。
見えざる大きな力が働いているわけではありません。
この心を正すことなくして、地球に平穏は訪れません。

世界自然憲章の前文は「人間は自然の一部である」と語ります。
「自然は人間を癒す」とも語ります。
人間は、自然との深い関わりなしに、その歪んだ心を正すことはできないのです。

山に伏し、野に伏し、自然を、そこに坐す神仏を祈る修験道は、
そうした人間の心に巣食う罪、過ちを戒め、五体を通した修行の中で、
清め、再生することを実践してきました。
大自然の霊気に接することで、
山を、木々を、一切の存在、命を敬い、感謝する心を育んできました。
また釈尊は「すべての生きとし生きるものよ幸いあれ」と述べました。

人と人は、過去にとらわれず、互いを思いやる。すべてを咎めず、許す。
その精神は「恕」の一文字に集約されます。
私たちは、世界遺産記念奉賛行事結願のこの日、ユネスコ憲章の精神に賛同して行った
「修験道大結集・平和の祈りの大護摩供」結願の証として、
この「恕」の心を、世界に、未来に発信します。
そして、地球上の山川草木、さらには大宇宙のありとしある全存在とともに、
宗教、人種、歴史、文化の違いを超え、すべての人間に、森羅万象の一切に、
「地球平穏・世界平和」への祈りを捧げ続けることを宣言します。

**
 
   主催
     修験道大結集吉野実行委員会
    共催団体  
     吉野町 吉野ユネスコ協会 奈良県ユネスコ連絡協議会 世界遺産吉野協議会
    後援団体
     (社)日本ユネスコ協会 日本山岳修験学会 奈良大学 NHK奈良放送局
    修験道大結集平和の祈りの大護摩供参加寺院
            大峯山護持院竹林院 総本山金峯山寺 大本山薬師寺 修験道五流尊瀧院
            総本山聖護院門跡 天台宗青岸渡寺 験乗宗総本山光明寺 
           大峯山護持院桜本坊 犬鳴山七宝瀧寺 大峯山護持院東南院
           大峯山護持院喜蔵院 大峯山護持院龍泉寺 日光修験道山王院
           伊吹山修験伊吹山寺 天台寺門宗総本山三井寺 高尾山薬王院 
           総本山醍醐寺三宝院 大峯山寺                       (護摩修法順)

***

ちなみに今年の10周年大護摩供は11月16日午後2時です。思えば私のここ10数年の修験道ルネッサンス・・・近代との戦いの、総決算でもあります。

だれでも参拝はしていただけます。山伏さんの出仕も可能です(金峯山寺の事務局に事前にお問い合わせ下さい)。

さあ、やるぞ、ぜひ!!

« 「世界遺産のカストーディアン会議」 | トップページ | 「諦める」 »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

本・著作

最近のトラックバック

Twitter

  • Follow me
  • Twitter
    TwitterPowered by 119
2022年4月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ