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先日の松平健さんの三重テレビ取材に続いて、今週2本目となるBS日テレのテレビ取材がありました。レポーターでおいでになったのは荒俣宏さんと近藤サトさんと、俳優の佐野史郎さん。またまた私がご案内をしました。
良い天気で良い取材が出来たと思います。いっぱいしゃべりました。
○番組名 BS日テレ 木曜スペシャル「探訪、京都巡礼団」
○放送日 2014年12月4日 19:00〜20:54
公式サイト→ http://www.bs4.jp/mokuspe/
まだサイトにはアップされていませんが、FBに載せてもいいと近藤さんに言ってもらいましたので、載せました。
近藤さんとは初対面ですが、以前、BSフジで「日本こころの百景・金峯山寺編」のナレーターを務めていただいたので、なんとなくシンパシーを感じました。近藤さんも私とは初対面ながら、テレビ画面を通して知っていただいていたようでした。
荒俣さん、佐野さんは、なかなか博識で、たくさん役行者さんや後醍醐天皇のことなどについてご下問を受けました・・・。
写真は収録を終えての記念写真です。
「国軸山山号碑建立」
念願の金峯山寺の山号碑「国軸山」と世界文化遺産の石碑が建立なった。
金峯山寺の山号は国軸山という。
国軸山とは国の軸をなす山であるという意味とともに、天界と地上界を結ぶ軸をなすことを示している。山岳を宇宙柱、宇宙軸と考える信仰を示すもので、金峯山寺では古くから山号として「国軸山」を使ってきている。あるいは上品上生から下品下生にいたる九品浄土という浄土信仰ではその中心になる中品中生の地を金峯山とする。
ところが長らく金峯山寺の境内にその山号碑はなかった。
そこで、この秋、世界文化遺産登録10周年を記念して、関係者の力添えを得て、「世界文化遺産・国軸山金峯山寺」の山号碑が蔵王堂正面右に建立されることとなり、建立式に先立って昨日無事施設された。筆者が長年念願した山号碑である。
なお、建立式は11月7日。
1日からのご開帳にお越しの節は、ぜひ、ご覧下さい。
*
「里の行と山の行の循環」
さまざまな個人の悩み・願いに対応する山伏修験者。そのために厳しい山修行で培う行力・法力が必要になるのです。また、悩みを抱えた人、困った人にばかりに対応していると、自分自身の気も奪われ、力がなくなっていきます。ですから、自らが邪気をはらい、いっそうの法力を高めるためにも山修行が必要になるのです。
つまり、山伏の山修行とは、自分の力を高めるため、市井の人たちに応えるためのものなのです。自分の力を修行によって高めることはもちろん大事ですが、人とどうかかわっていくか、あるいは人に対応したがゆえの気の濁りのようなものを山修行でリセットすること。これが山伏修行の大きなテーマです。
つねに山の修行と里の行を循環する。それが、山伏の活動の本質なのです。
ー拙著『体を使って心をおさめる 修験道入門 (集英社新書)』より
*写真は自坊林南院の秋の大祭大護摩供と火渡り式。今年も11月3日午後から行います。
*
「修験道大結集」
*
金峯山寺では、『紀伊山地の霊場と参詣道』のユネスコ世界遺産登録を記念して、二〇〇四年七月一日から翌年六月三十日までの一年間にわたって蔵王堂秘仏御本尊金剛蔵王権現のご開帳など、多くの慶讃行事を行いました。その一連の記念行事の中心事業となったのが「修験道大結集・平和の祈りの大護摩供」でした。これは、明治期に大弾圧を受けながら見事に復活を遂げた修験道の、二十一世紀に法統を伝える新たな始動の第一歩として行ったもので、地球の平穏と世界の平和を修験道全体で祈念しようという呼びかけでした。
この歴史的な呼びかけに応じて、三井寺や聖護院、醍醐寺、五流尊瀧院、大峯山寺、那智山青岸渡寺、薬師寺修験部、高尾山薬王院、犬鳴山七宝瀧寺、験乗宗光明寺など、修験道の伝統を護持する全国の山伏たちが金峯山寺に結集したのです。その数、なんと十七カ寺・三千数百人にものぼりました。
...修験道大結集が行われたこと自体が日本仏教史上、はじめてのことでした。ましてや、これほどの数の山伏が結集したことは、もちろんこれまでにありません。
結集した山伏たちは、特別ご開帳中の日本最大秘仏・金剛蔵王権現の宝前で、それぞれの流儀に従い、祈りを込めて修法し、修験道の精神を多いに発信しました。山に伏し、野に伏し、自然とそこに坐す神々に祈る日本独自の宗教・修験道。その修験道が、世界遺産登録決定を記念した修験道大結集を通じて、現代の世界・社会が抱える問題解決の可能性を秘めていることを世界に向かって明らかにした、エポックメイキングな出来事でした。
なお、この修験道大結集は、平成二十一年に五周年、平成二十六年には十周年を迎え、継続して開催されています。
ー拙著『体を使って心をおさめる 修験道入門 (集英社新書)』より
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なお、今年の10周年記念大結集は以下の予定となっている。
修験道大結集10周年平和の祈りの大護摩供/吉野山出開帳結願法要
内容:平成16年の世界遺産登録時より1年間の間、日本全国の修験道関係本山、寺院が吉野山蔵王堂に来山し、それぞれの流儀で世界の平和を祈った修験道大結集。
その寺院が再び、世界遺産10周年を記念して、役行者霊蹟札所会吉野山出開帳の結願に合わせ、蔵王堂に集い、世界平和を祈念する大護摩供を厳修します。
諸宗の修験者が合同で参加される中、幼稚園児から小学校低学年までのちびっ子も本格的な山伏衣装を着け、稚児山伏として参加します。
参加寺社:役行者霊蹟札所会加盟の36寺社、髙尾修験高尾山薬王院(東京)、南都修験薬師寺(奈良)、熊野修験那智山青岸渡寺(和歌山)、三徳山修験三仏寺(鳥取)など
日時:11月16日(日) 午後2時から 蔵王堂境内
法要:平和の祈り大護摩供
お導師:役行者霊蹟札所会会長・犬鳴山七宝瀧寺東條仁哲管長猊下
*写真は5周年の大結集平和の祈り大護摩供
この秋は世界遺産登録10周年事業がめじろおしですが、その中で、三年目を迎える「世界糖尿病撲滅キャンペーン・蔵王堂ブルーライトアップ」。
日時は11月12日(水)~11月16日(日)毎日、午後5時~午後9時30分
概要は国連で採択された世界糖尿病の撲滅のためのキャンペーン・ブルーライトアップで、世界糖尿病デーの11月14日を中心に世界中や日本各地で行われています。そのキャンペーンに金峯山寺では3年前から協賛しており、今年も国宝蔵王堂をブルーにライトアップします。
...ぜひ青の蔵王堂においで下さい。
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そのほか主立った10周年事業を羅列します。
・特別ご開帳前夜祭/開闢法要、第4回吉野権現能
10月31日(金) 午後5時半~午後8時頃
会場:蔵王堂内 観客:約200名
・『世界文化遺産 國軸山 金峯山寺』碑、建立と除幕式
日時:11月7日(金) 午後1時から蔵王堂前において。
・役行者霊蹟札所会第2回吉野山出開帳
日時:11月12日(水)~11月16日(日)
午前8時半~午後4時半(受付は午後4時まで)
(吉野山出開帳開闢法要)
11月12日、午前11時~ 蔵王堂に於いて、五條覚照管長猊下お導師、36寺社の住職・宮司の出仕。
(記念講演会)
日時:11月15日、16日 午前11時から1時間程度
場所:金峯山寺聚法殿(吉野山ビジターセンター)
○11月15日(土)
「修験道ルネッサンス」
講師:金峯山修験本宗宗務総長 田中利典師
○11月16日(日)
「役行者とともに」
講師:作家 家田荘子さん
・修験道大結集10周年平和の祈りの大護摩供/吉野山出開帳結願法要
日時:11月16日(日) 午後2時から 蔵王堂境内
法要:平和の祈り大護摩供
お導師:役行者霊蹟札所会会長・犬鳴山七宝瀧寺東條仁哲管長猊下
*
先月末の御嶽山の噴火・・・たくさんの方がなくなり、まだ遺体が山中に残されたまま、積雪で捜索は中止となったとのこと。痛ましいことであります。
またしばらく前から蔵王山の噴火を示唆する兆候が現れているとか、報道されています。大変心配ですねえ。蔵王権現様のお力を念じたいと思います。
実は、あまり報道では伝えられていませんが、ご存じの方はご存じのように、御嶽山も蔵王山ももともと吉野の蔵王権現さまを勧請(おむかえ」して、その名を得るところとなりました。
拙著からそこのところを少しだけ、紹介します。
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「全国各地に吉野大峯、蔵王、金峯……」
たとえば、チャイナタウンというのは、世界各地にありますね。あるいは、ロサンゼルスにあるリトルトーキョーなども、その一画に日本の食文化や職場、娯楽施設などが再現された街です。適切なたとえであるかはわかりませんが、いわばそれらの聖地バージョンが、修験道の吉野・蔵王権現信仰といえると思います。吉野大峯修験の蔵王堂を本家本元として聖地を再現した修験道文化が日本全国に点在しています。
かつて人々のあこがれの聖地だった吉野大峯。そして修験道の霊山・金峯山。修験文化が定着した山地や連峰には、蔵王、大峯山、金峯(峰)山、吉野山などの名前が散見されます。また、もともとは金峯山のことを指していた「御嶽=みたけ・おんたけ」が、のちに各地の霊山の総称となっていき、さらに修験道の本尊である蔵王権現をまつる堂舎は、明治の神仏分離令のときに、御嶽神社、金峯(峰)神社、蔵王神社などと改称されました。
東京都青梅市にある武蔵御嶽神社も、権現信仰で栄えた歴史のある神社です。私も訪れましたが、地形的にも雰囲気が吉野山によく似ていると実感しました。武蔵野の地の吉野、そんな想いで霊山とされた歴史的背景を感じます。
ほかにも第二章で紹介したように、「金峰山」にしても、秋田、および山梨と長野の境、山口、熊本と、全国にいくつもあるのをはじめ、修験道隆盛の時代の名残りが各地の地名に現れています。
ー拙著『体を使って心をおさめる 修験道入門 (集英社新書)』「第四章 修験道の聖地・吉野と桜」より
「役行者霊蹟札所会」
*
私は修験道再生を意識して、修験道間の横の繋がり、つまりネットワーク作りを行いたいと考えてきた。
その第一の取り組みは修験三本山の合同であった。
平成十二年(二〇〇〇)に迎えた役行者千三百年忌では、まず吉野修験総本山金峯山寺から、本山派修験総本山聖護院と当山派修験総本山醍醐寺に呼びかけをして、修験道史上はじめて、修験三本山が力をあわせて遠忌年を一緒に迎えることになった。加えて互いに手を携えて合同事業に取り組むことも合意した。結果、特別展覧会「役行者と修験道の世界」や役行者シンポジウム開催、大峯山寺合同法要など数多くの共同事業をやり遂げることとなる。
一連の合同事業の中、平成十二年一年限定の取り組みとして、近畿日本鉄道株式会社の協力の下に主催したのが「役行者ゆかりの三十九寺社集印巡り会」であった。この「役行者ゆかりの三十九寺社集印巡り会」は近鉄沿線を中心に、役行者開基と伝える寺や役行者修行の地など、役行者にまつわる寺歴のあるお寺を集めたものである。現代に役行者信仰を打ち出していくひとつの方法として、多くの寺社を巻き込んで行われ、広く人々の支持を集めるところとなった。ただ本会は平成十三年三月に当初の予定通り解散することとなる。そしてこのとき集った三十九寺社をもとに、やめるところは削除し、新しく追加して誘うところも入れて、近畿一円の三十六寺社で再編したのが「役行者霊蹟札所会」である。会は平成十四年九月に正式に発足した。新しい修験道関連寺社のネットワークがはじめられたのである。
この「役行者霊蹟札所会」は役行者の由緒と歴史を自覚し、その法灯の護持と、各霊蹟札所相互の連絡と親睦・協調を図ることを目的としている。つまり役行者信仰の宣揚と霊蹟巡礼の興隆発展を目指して設立されたもので、役行者に関わる初めての修験道霊場の誕生であった。
役行者というとまだまだ「ヤクノジョウジャ」とよばれたりするほどで、一般には「エンノギョウジャ」とよんで貰らえない状況にあるが、本会の興隆とネットワークの連携を通して、もともとは広く世の人々に指示されてきた役行者信仰をふたたび広めていきたいを念願するものである。
修験三本山からはじまったネットワークは近畿一円の新しい修験道の連帯へと繋がったのである。
ー『はじめての修験道』(田中利典・正木晃共著/2004年春秋社刊)「第5章 現代の修験道」より
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Amazonには新刊在庫切れになっていますが、金峯山寺には置いています。お求めは0746-32-8371まで。
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なお今年は吉野大峯世界遺産登録10周年を記念して、役行者霊蹟札所会の吉野山出開帳が金峯山寺蔵王堂で開催される。掲載の写真はその出開帳のチラシです。
なおなお、11月12-16日。15日は私が「修験道ルネッサンス、16日は作家の家田荘子さん「役行者とともに」と題し、金峯山寺聚法殿で11時から記念講演会を開催します。入場は無料。
こんなのにも出ます。京大で行われる、偉く難しそうなシンポです。
鎌田東二先生に誘われました。緑虫のせんせいです(^_^;)
聴講は無料です。当日会場へおいでになれば参加出来ます。
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11月20日・21日「大荒行シンポジウム」
日時:2014年11月20日(木)13時~17時30分
場所:稲盛財団記念館3階大会議室
企画趣旨説明 鎌田東二10分
①吉野修験道の荒行(奥駈け) 田中利典師(大峯金峯山修験本宗宗務総長・金峯山寺執行長)50分
②羽黒修験道の荒行(峰入り) 星野尚文師(本名:文紘、羽黒修験道松聖・所司役)50分
③熊野修験:那智四十八滝の荒行(青岸渡寺滝行) 高木亮英師(西国三十三所一番札所那智山青岸渡寺副住職)50分
④日蓮宗遠壽院の100日荒行 戸田日晨師(日蓮宗大荒行堂遠壽院住職・傳師)50分
コメンテーター:倉島哲(関西学院大学教授・社会学)15分
総合討論 30分 司会:鎌田東二
日時:11月21日(金)10時~16時30分
場所:稲盛財団記念館大会議室
①吉野修験道の荒行の検討 田中利典+コメンテーター(町田宗鳳広島大学教授【僧侶】・小西賢吾こころの未来研究センター研究員)
②羽黒修験道の荒行の検討 星野尚文+コメンテーター(棚次正和京都府立医科大学教授・奥井遼こころの未来研究センター研究員)
(昼食60分)
③日蓮宗の荒行 戸田日晨+コメンテーター(津城寛文筑波大学教授・アルタンジョラーこころの未来研究センターワザ学研究員)
④天台修験道の荒行(千日回峰行と十二年籠山行)と総合討論
発題:鎌田東二+コメンテーター(篠原資明京都大学教授・井上ウィマラ高野山大学教授・永澤哲京都文教大学准教授)
総合・総括討論 75分 司会:鎌田東二
10月13日・・・ご存じのように、台風19号が日本列島を直撃した日である。幸い吉野も自坊の大きな被害はなかった。
この日、台風襲来の心配で、1日中、このことばかりに終始したが、なにか忘れているなあと思っていた。そして昨日(14日)、夕方近くになってようやく気がついた。
そうだ、母の祥月命日だった!・・・と。
それで夕方、慌てて、自宅へ戻った。夜7時半に着いて、今日は朝9時半には出なければいけないから、正味14時間の滞在だった。
母の好きだった金つばや大福餅などを途中で買って帰りお供えをして、今朝からちょっと遅くなったが、祥月命日のお勤めと、お墓参りをしてきた。
先月から妙に母や父のことが思い出されて、気になっていたが、肝心なときに、忘れてしまっている。なにごとも近頃はボケはじめているが、まさにおおボケであった。
亡くなってまる3年。薄情な自分に反省している。
聞けば嫁はちゃんと覚えていてくれて、13日には母の大好物だった「かどやさんの回転焼き」をお供えしてくれたそうだ。ありがたい。とりわけ「かどやさんの回転焼き」には母への深い思い出があるだけに、感謝である。
以前にも載せたが、知らない方もいると思うので、母を偲んで、改めて母が亡くなったときに書いた「回転焼きと母」という拙文を再掲載する。まだ読んでない方は、是非ご覧下さい。
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「回転焼きと母」
母が10月に亡くなり、今月末に満中陰を迎える。早いものである。
母は今年1月に危篤になり、医者からも余命1週間と宣告されたが、その後、治療加療のおかげで、一時期は車イスに乗って病院の食堂で食事が出来るくらいまで回復した。闘病生活9ヶ月。その間、今まで、あまり母のことに気をかけなかった息子にとって、母を病室に見舞うことで、親孝行のまねごとをさせてもらった貴重な時間だった。
少し元気になった頃、何が食べたいってきくと、「回転焼き、買ってきてんか」と言った。それから、病院に行くときは、アスパ(病院前のスーパー)の近くにあるかどやさんの回転焼きを持参した。あまりたくさんは食べられないので、毎回、1個だけを注文したが、いつ行っても、かどやさんは面倒くさがらずに、快く、1個の回転焼きを売っていただいた。母が美味しそうに食べていたことが今でも思い出される。
お葬式の朝、回転焼きのことを思い出した。棺にいれてあげようと思い、かどやさんに寄った。普段は1個しか頼まないが、その日は母が好きだった3つの味の回転焼きを3つ全部注文した。いつも1種類の1個しか頼まないので、いぶかしく思われたのか、「今日は3つなのですね?」とお店の方に声をかけられた。「はい‥、母が好きだったので、いつも買わせていただいていました。その母が亡くなり、今日はお葬式なので、いっぱい食べさせてやろうと思って‥」というと、「お金はいらんから」と言われて、暖かい3つの回転焼きを渡していただいた。優しさに、思わず涙が出た。
母のことばかりを思ってはいられないが、でも、かどやさんの前を通るたびに、美味しそうに回転焼きをほおばっていた母の顔が思い出されて、心がちくっとする。母の思い出が嬉しくなる、かどやさんの親切に今でも感謝、である。
台風が来ませんねえ。朝から凄い風だったのですが、その後、とても静かな1日。
嵐の前の静けさなのでしょうか?
さて、夏に龍谷大学の校友会会報の取材を受けて、10月号に掲載をしていただきました。
また新刊の『体を使って心をおさめる 修験道入門』(集英社新書)も、新刊紹介のコーナーで掲載していただきました。
大学卒業から36年余・・・。大変ありがたいというか、誉れなことですねえ。
思えばウイキペディアの、龍大出身の著名者一覧に名前が掲載されたのが、13,4年前。はからずも、龍谷大学の門をくぐることになり、真宗門徒とは全く反対側とも言える修験法門に身を置きながら、大変幸せなOBにしていただきました。
いまは、薬師寺の村上副住職に依頼されて、奈良龍大会のお役も受けていますし、愚息も昨年無事仏教学科を卒業させていただきましたし、有り難いことづくめの龍大であります。
果報者と思っております。
先日の東京生活4日の中で、10月10日に行った奈良まほろば館の講演「役行者霊蹟札所会を語る」の写真をアップします。
自己採点は65点の内容でしたが、まあまあ、受けていたので由としましょう。
ちょー満員ではなかったですが、そこそこ満員でした。
まほろば館には過去10数回出演していますが、来すぎなのかもねえ。
で、次回のまほろぼ館登場は11月22日午後5時からです。
講座の趣旨内容は以下。
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連続講演 「伝えたい 世界遺産『吉野』の魅力」(第6回)
日時:平成26年11月22日(土)17:00~18:00
表題「後嵯峨・亀山両上皇と吉野と嵐山」
講師: 田中利典(金峯山修験本宗々務総長)
会場:奈良まほろば館2階
資料代等:無料
定員: 70名(先着順)
連続講座趣旨:
吉野大峯地域が「紀伊山地の霊場と参詣道」の一角として世界遺産に登録されて10周年の節目を迎えることを記念して、「吉野大峯世界遺産登録10周年記念事業」を実施いたします。
その記念事業の一環として、吉野に、“暮らす・働く・学ぶ・遊ぶ、そして愛する”人々がそれぞれの立場・視点から10回にわたって“吉野の魅力”を語り尽くします。
この講座で、私たちの愛する“吉野”の魅力を知り、さらに吉野を身近に感じてください。そして、「日本人のこころのふるさと」「世界遺産と日本一の桜絵巻の里」吉野へ是非足をお運び下さい。全10回で、1回だけの受講も可能です。
【主催】吉野大峯世界遺産登録10周年記念事業協議会(構成団体:環境省近畿地方環境事務所、奈良県、奈良県ビジターズビューロー、吉野ビジターズビューロー、吉野山自治会、吉野山観光協会、総本山金峯山寺、吉野山保勝会、近畿日本鉄道㈱、奈良交通㈱、㈱南都銀行、吉野の桜を守る会、吉野町、吉野町教育委員会)、奈良まほろば館
○申込方法 :
・ハガキまたはFAX
必要事項(講演名・講演日・住所・氏名(ふりがな)・電話番号・年齢)を明記いただき、奈良まほろば館あてご送付ください。
・ホームページ
下記の「申込フォーム」からお申し込みください。
お問い合わせ先
奈良まほろば館 【開館時間】 10:30~19:00
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1-6-2 奈良まほろば館2F
電話03-3516-3931 / FAX03-3516-3932
・詳しくは→http://www.mahoroba-kan.jp/course.html
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表題が今イチなので、まだ募集クローズにはなっていません。
「本家より分家が有名!っていういつものフレーズの話になります。
紅葉の名所と言えば大方が楓の紅葉である。日本中に美しい楓の紅葉名所は点在する。
ところが吉野山の紅葉というと、楓ではなく、全山を覆う山桜の紅葉が主役となる。
楓と違って山桜は、毎年そんなに上手に色づくわけではなく、年ごとの気候に左右されるため風景が変則で、またその紅葉も、眩しいばかりの錦秋というより、可憐で深い色合いとなる。そこに他の名所とは異なる、吉野独特の風情を感じるのは私だけではあるまい。
吉野山にも幾ばくかの美しい楓の名木はあるし、秋には綺麗な紅葉や黄葉に彩られるが、全山を覆うのは山桜ばかりなのである。
これにはわけがある・・・・
ー「私の愛する吉野の紅葉」田中利典から
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上記の文章は、さきほど出版された淡交社の『奈良大和路の紅葉』に掲載された小生の一文である。文の続きは本書でぜひ読んで頂けたらと思います。
本書は奈良の紅葉名所を網羅した一冊。
文章は私の他に、盟友である春日大社の岡本彰夫権宮司や万葉学者の上野誠先生など、私を除いては全員奈良を代表する学識者ばかり。
これも私の文章を除いては、美しい紅葉の写真をみごとに演出する名文が掲載されている。
*
今日行われた大淀町文化会館での「紀伊山地の霊場と参詣道」世界遺産登録10周年記念トークセッション「面があれば裏がある」・・・対談「能楽と修験」に出演して、無事終えました。
「南北朝時代、金峯山寺に南朝が置かれたこと」、「明治の神仏分離で金峯山寺が廃寺になり、全国の修験道が廃絶したこと」、「子供の頃、拝み屋さんの子供と言われることが大嫌いだったこと」「病気の70%はたたりが原因だと知人の名医が言っている」などなど、話が脱線していくつかはシナリオにはないお話をしましたが、宮滝歴史資料館館長の池田淳先生とのトークセッションはたいへんいい時間を過ごせました。久しぶりに100点満点の出来だったと言えるかも。
よろしければ、今日のシナリオをご紹介します。以下。。
***********
はじめに
司会より田中総長と池田の紹介後、直ぐに対談のテーマ「能楽と修験」について対談であることを説明します。
① 池田から田中総長へ質問するかたちで、修験という宗教についてお尋ねします。
田中総長講話《20分》
② 総長のお話をうけて、能楽の歴史について池田が話をします。
池田《20分》
《以下対談》
③ 池田より、①のお話をうけて修験の験力についてお尋ねしますので、10分ほどでお話ください。「蛙飛び」などの事例をあわせてご紹介いただければと思います。
④ 総長のお話をうけて、『谷行』の概要を5分ほどでお話しします。ここでは役行者に仕える伎楽鬼神によって稚児が蘇生されますが、これが験力だと考えて宜しいか、総長に確認を求めますので、補足があればお願いします。
⑤ ③を受けて池田が山伏狂言の一般論を10分ほどお話をします。最後に山伏が失敗するところまではお話をしますが、一歩手前までは様々な験力を発揮していることを説明します。
⑥ 修験の験力が庶民にとって歴史的にどのような意味があったのか、また現在的な意義について約10分程度お話しください。
⑦ 修験者が験力の保持を積極的に主張したことが、『谷行』や山伏狂言を生み出したといってよいか総長にお尋ねしますので、まとめの意味で修験と能楽の関係について5分程度お話ください。・・・・修験の積極的な験力の主張が、時代をになった能楽に取り入れられてきた。能楽にとって、修験の主張が無視しえないものであり、当時の観客にとってはなくてはならない演目となっていった。こうした観客層の欲求は、修験という宗教が庶民に如何に浸透していたかを物語るものである
⑧ 結論として、芸能と宗教が相互に作用しあって、現在世界無形遺産に登録されるような日本の伝統芸能能楽が生まれて今日に至っている。
⑨ 池田から総長へのお礼と聴衆へのお礼を申し上げますので、総長からも一宜しくお願いします。
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とりわけ修験の験力について、きちんとお話が出来てよかったです。いや、池田先生との話を通じて、修験者としての生き方をもう一度、学び直せました。トークの途中で、新たな目覚めをいただいた、私にとってはとても有意義ないいセッションとなりました。
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