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「修験道大結集10周年!」

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「修験道大結集」

金峯山寺では、『紀伊山地の霊場と参詣道』のユネスコ世界遺産登録を記念して、二〇〇四年七月一日から翌年六月三十日までの一年間にわたって蔵王堂秘仏御本尊金剛蔵王権現のご開帳など、多くの慶讃行事を行いました。その一連の記念行事の中心事業となったのが「修験道大結集・平和の祈りの大護摩供」でした。これは、明治期に大弾圧を受けながら見事に復活を遂げた修験道の、二十一世紀に法統を伝える新たな始動の第一歩として行ったもので、地球の平穏と世界の平和を修験道全体で祈念しようという呼びかけでした。

この歴史的な呼びかけに応じて、三井寺や聖護院、醍醐寺、五流尊瀧院、大峯山寺、那智山青岸渡寺、薬師寺修験部、高尾山薬王院、犬鳴山七宝瀧寺、験乗宗光明寺など、修験道の伝統を護持する全国の山伏たちが金峯山寺に結集したのです。その数、なんと十七カ寺・三千数百人にものぼりました。

...

修験道大結集が行われたこと自体が日本仏教史上、はじめてのことでした。ましてや、これほどの数の山伏が結集したことは、もちろんこれまでにありません。

結集した山伏たちは、特別ご開帳中の日本最大秘仏・金剛蔵王権現の宝前で、それぞれの流儀に従い、祈りを込めて修法し、修験道の精神を多いに発信しました。山に伏し、野に伏し、自然とそこに坐す神々に祈る日本独自の宗教・修験道。その修験道が、世界遺産登録決定を記念した修験道大結集を通じて、現代の世界・社会が抱える問題解決の可能性を秘めていることを世界に向かって明らかにした、エポックメイキングな出来事でした。

なお、この修験道大結集は、平成二十一年に五周年、平成二十六年には十周年を迎え、継続して開催されています。

 ー拙著『体を使って心をおさめる 修験道入門 (集英社新書)』より

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なお、今年の10周年記念大結集は以下の予定となっている。

修験道大結集10周年平和の祈りの大護摩供/吉野山出開帳結願法要
内容:平成16年の世界遺産登録時より1年間の間、日本全国の修験道関係本山、寺院が吉野山蔵王堂に来山し、それぞれの流儀で世界の平和を祈った修験道大結集。

その寺院が再び、世界遺産10周年を記念して、役行者霊蹟札所会吉野山出開帳の結願に合わせ、蔵王堂に集い、世界平和を祈念する大護摩供を厳修します。

諸宗の修験者が合同で参加される中、幼稚園児から小学校低学年までのちびっ子も本格的な山伏衣装を着け、稚児山伏として参加します。

参加寺社:役行者霊蹟札所会加盟の36寺社、髙尾修験高尾山薬王院(東京)、南都修験薬師寺(奈良)、熊野修験那智山青岸渡寺(和歌山)、三徳山修験三仏寺(鳥取)など

日時:11月16日(日) 午後2時から 蔵王堂境内

法要:平和の祈り大護摩供 

お導師:役行者霊蹟札所会会長・犬鳴山七宝瀧寺東條仁哲管長猊下

*写真は5周年の大結集平和の祈り大護摩供

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