« 紀伊山地三霊場会議主催フォーラムは大成功 | トップページ | 「蔵王権現の全国伝播!」 »

「役行者霊蹟札所会」

10406828_753494641383194_3454807055


*

1487349_753494694716522_52331307105


*

「役行者霊蹟札所会」

*

私は修験道再生を意識して、修験道間の横の繋がり、つまりネットワーク作りを行いたいと考えてきた。

その第一の取り組みは修験三本山の合同であった。

平成十二年(二〇〇〇)に迎えた役行者千三百年忌では、まず吉野修験総本山金峯山寺から、本山派修験総本山聖護院と当山派修験総本山醍醐寺に呼びかけをして、修験道史上はじめて、修験三本山が力をあわせて遠忌年を一緒に迎えることになった。加えて互いに手を携えて合同事業に取り組むことも合意した。結果、特別展覧会「役行者と修験道の世界」や役行者シンポジウム開催、大峯山寺合同法要など数多くの共同事業をやり遂げることとなる。

一連の合同事業の中、平成十二年一年限定の取り組みとして、近畿日本鉄道株式会社の協力の下に主催したのが「役行者ゆかりの三十九寺社集印巡り会」であった。この「役行者ゆかりの三十九寺社集印巡り会」は近鉄沿線を中心に、役行者開基と伝える寺や役行者修行の地など、役行者にまつわる寺歴のあるお寺を集めたものである。現代に役行者信仰を打ち出していくひとつの方法として、多くの寺社を巻き込んで行われ、広く人々の支持を集めるところとなった。ただ本会は平成十三年三月に当初の予定通り解散することとなる。そしてこのとき集った三十九寺社をもとに、やめるところは削除し、新しく追加して誘うところも入れて、近畿一円の三十六寺社で再編したのが「役行者霊蹟札所会」である。会は平成十四年九月に正式に発足した。新しい修験道関連寺社のネットワークがはじめられたのである。

この「役行者霊蹟札所会」は役行者の由緒と歴史を自覚し、その法灯の護持と、各霊蹟札所相互の連絡と親睦・協調を図ることを目的としている。つまり役行者信仰の宣揚と霊蹟巡礼の興隆発展を目指して設立されたもので、役行者に関わる初めての修験道霊場の誕生であった。

役行者というとまだまだ「ヤクノジョウジャ」とよばれたりするほどで、一般には「エンノギョウジャ」とよんで貰らえない状況にあるが、本会の興隆とネットワークの連携を通して、もともとは広く世の人々に指示されてきた役行者信仰をふたたび広めていきたいを念願するものである。

修験三本山からはじまったネットワークは近畿一円の新しい修験道の連帯へと繋がったのである。

 ー『はじめての修験道』(田中利典・正木晃共著/2004年春秋社刊)「第5章 現代の修験道」より
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%AE%E4%BF%AE%E9%A8%93%E9%81%93-%E7%94%B0%E4%B8%AD-%E5%88%A9%E5%85%B8/dp/4393203046


Amazonには新刊在庫切れになっていますが、金峯山寺には置いています。お求めは0746-32-8371まで。

***********

なお今年は吉野大峯世界遺産登録10周年を記念して、役行者霊蹟札所会の吉野山出開帳が金峯山寺蔵王堂で開催される。掲載の写真はその出開帳のチラシです。

なおなお、11月12-16日。15日は私が「修験道ルネッサンス、16日は作家の家田荘子さん「役行者とともに」と題し、金峯山寺聚法殿で11時から記念講演会を開催します。入場は無料。

« 紀伊山地三霊場会議主催フォーラムは大成功 | トップページ | 「蔵王権現の全国伝播!」 »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

本・著作

最近のトラックバック

Twitter

  • Follow me
  • Twitter
    TwitterPowered by 119
2022年4月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ