修験道大結集10周年記念世界平和祈りの大護摩供
昨日は快晴のお天気に恵まれ、吉野大峯世界遺産登録10周年記念行事・役行者霊蹟札所会吉野山出開帳結願、並びに修験道大結集10周年記念世界平和祈りの大護摩供を無事終えることが出来ました。 平成12年に世界遺産登録に手を上げて、16年7月には登録となり、登録とどうじに日本中の修験道関係寺社にお声がけして(結果として神社からの参加はありませんでしたが・・・・)、史上初の修験道大結集祈りの大護摩供を催し、今年はその10周年でした。
ここ10数年にわたる私の活動の集大成です。
当初、富士山の世界遺産登録1周年事業とコラボして、富士山麓での合同事業を目指しましたが、力不足で叶わず、役行者霊蹟札所会吉野山出開帳とのコラボによる大結集10周年の大護摩供となりました。札所会も立ち上げから、発起人として私が関わってきたので、感慨無量のものがありました。
幸い、西大寺大矢管長猊下はじめ、大覚寺ご門跡、聖護院ご門跡、中山寺管長猊下など、たくさんの高徳にもご臨席いただき、犬鳴山七寶滝寺管長東條仁哲猊下の大導師による、祈りの大護摩供の大聖儀を厳修することが出来ました。 私は登録時に大結集寺院で採択された「平和の祈りのメッセージ」を願文として奉読させたいただきました。 以下、少し長くなりますが、当日の願文を転記します。
***********
吉野大峯世界遺産登録十周年記念
役行者霊蹟札所会吉野山出開帳結願法要
修験道大結集世界平和祈りの柴灯大護摩供願文に替えて
奉読致します
「修験道平和の祈りのメッセージ」
ー人が信じる、すべての仏に、神々に、合掌
私たち人間は、地球の住人です。 その地球、そして大宇宙の森羅万象の中で、私たち人間は特別に優れているとか、 劣っているとか、そういうことはありません。 あらゆる命、あらゆる存在が全て等しくこの世にあります。
しかし、人間はその真理を忘れ、今に至りました。 欲望を満たすことだけが生きる意味ととりちがえ、森羅万象をないがしろにする。 人間同士、些細な理由で互いをわけへだて、差別する。 宗教、人種、歴史、文化…。互いの価値観のちがいを、 ことさらにあげつらい、蔑み、妬み、争い、ときには殺し合う。なんとあさはかなことでしょう。
歯止めのきかない自然環境破壊、頻発するテロや戦争、すべてが、その結果です。 今、人間はみずから播いた災いの種に苦しめられています。
「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、 人の心の中に平和の砦を築かなければならない」とユネスコ憲章の中にあります。 禍の根源にあるのは、私たち一人ひとりの心です。 見えざる大きな力が働いているわけではありません。 この心を正すことなくして、地球に平穏は訪れません。
世界自然憲章の前文は「人間は自然の一部である」と語ります。「自然は人間を癒す」とも語ります。 人間は、自然との深い関わりなしに、その歪んだ心を正すことはできないのです。
山に伏し、野に伏し、自然を、そこに坐す神仏を祈る修験道は、開祖役行者神変大菩薩の教えによって、そうした人間の心に巣食う罪、過ちを戒め、五体を通した修行の中で、 清め、再生することを実践してきました。 大自然の霊気に接することで、山を、木々を、 一切の存在、命を敬い、感謝する心を育んできました。
人と人は、過去にとらわれず、互いを思いやる。 すべてを咎めず、許す。その精神は「恕」の一文字に集約されます。
私たちは、十年前に吉野大峯世界遺産登録を縁として大結集し、この平和の祈りのメッセージを採択しましたが、今年迎えた登録十周年の記念開催となった役行者霊蹟札所会吉野山出開帳結願法要、修験道大結集十周年記念柴灯大護摩供に際し、ふたたびここにあらゆる宗派の垣根を越えて、この「恕」の心を、世界に、未来に発信します。
そして、地球上の山川草木、さらには大宇宙のありとしある全存在とともに、 宗教、人種、歴史、文化の違いを超え、すべての人間に、森羅万象の一切に、国土の安穏、災害封じと「地球平穏・世界平和」への祈りを捧げ続けることを宣言します。
平成二十六年十一月十六日
修験道大結集十周年吉野実行委員会
役行者霊蹟札所会副会長
国軸山金峯山寺 田中利典敬白
****************
ほんとにひとつの区切りとなる、私にとっては特別な一日でした。
下の写真はFB友だちの下猶さんと野本さんのものです。
« 「人生あおによし」の連載第8回目 | トップページ | 「人生あおによし」の連載第9回目 »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 「ダイアローグ」(2019.04.15)
- 「電子書籍版/吉野薫風抄の表題募集結果発表」(2019.03.23)
- 「ご意見、くださいませ・・・!!」(2019.03.16)
- 「半日断食・・・」(2019.02.26)
- 「鼻血のサイン・・・」(2019.02.24)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント