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「耳順う」

いろんな意味で、今年は節目でした。

生涯の大きな仕事となった「吉野大峯」の世界遺産登録から10周年。数年がかりで関わってきた大きな慶讃行事も恙なく、終えることが出来ました。5年越しとなった弘法大師の道プロジェクトも完了し、吉野ー高野の道再興開闢修行も「さいこー」でした(^_^)v

長年お世話になった東南院の親奥さんをはじめ、たくさんのお別れを経験した年でもありました。なんだか、もういいよ、って言っていただいているような一年でした。

そして来年は私も還暦。
節目というかリセットして、新たに生き直す年のように思っています。

そういう思いを認めてみました。正月号、「蔵王清風」の早出しです。

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「耳順う」

今年で筆者は還暦を迎える。なんともあっという間の六十年だったなあ、という感である。僧侶になってからの法﨟は四十五年。いづれにしろ「少年老いやすく、学成り難し」そのままの人生といえようか。

「子曰く、吾れ十有五にして学を志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知り、六十にして耳順う」(論語為政篇)というが、その「耳順う」歳を迎えることとなったのである。この「耳順う」とは少々聞き慣れない言葉かもしれない。六十歳になったら人の言うことを逆らわず素直に聴けるようになる、というような意味である。

しかしながら、人の言葉というものは助言にせよ諌言にせよ、なかなか素直に聞けないもの。それは相手との人間関係であったり、自我のなさしむることであったり、いろいろと理由はあるが、人の言葉を言葉の意味のままに理解するのは存外難しいものである。論語を残した孔子でさえ六十歳になってようやく、その境地に至ったと語っているわけであるから、筆者などの凡夫ではなかなか「耳順う」などという域には達せないだろう。

早稲田実業の校是に「去華就実」という有名な言葉がある。外見の華やかさを取り去り、実際に役に立つ人間になる、というほどの意味であるが、先日テレビを見ていたら歌手で俳優の武田鉄矢氏が、この「去華就実」を「花散りて次に葉茂り実をむすぶ…」と読み替えて、年齢を重ねるほどに華はなくしていくが、そのかわり実を結ぶのが人生だ、という風に語っておられた。なるほどと思ったのであった。

還暦を迎えたからと言って、そんなに老い込むこともないが、それでも若い頃と比べると、足腰の衰えや目や耳の老化に加え、頭の回転の悪さには自分ながら愕然とする。向こう意気だけで突っ走っていたわが人生ながら、もう充分じゃないのかなあという気もするし、「耳順う」歳を思えば、そう嘆くことでもあるまいと思ったりしている。それだからこそ、武田氏の「去華就実」がなるほどと身にしみるのである。

華はこれからもどんどん失って行くに違いない。我を張って生きることを止めて、耳順って生きることも大切である。そうやって生きる中で、人生の実を結ぶことが出来れば幸いと言えよう。そんなことをつれづれに感じている平成二十七年の新年である。

■再掲載!奈良県による首都圏シンポジウム/2015.01.24

■再掲載!奈良県による首都圏シンポジウム/2015.01.24
「奥大和で見つける私 〜神と仏に出会う〜」

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・・・実は締め切りまであと半月(来年1/15)!。でももう正月休みなので、
  10日ほどしかありません。さてさて、1000人集まるかなあ。
  河瀨直美さんも参戦します!...
   お申し込み、お急ぎ下さーーい・・・でも正月明けですけど。

***********

もう半年以上前から企画はほぼ決まっていたのに、その後、チラシなどの制作が遅れていて、ようやく、今月25日から募集が始まっています。東京近郊のみなさま、是非、お越し下さい。

第一部は奈良が誇るカンヌ映画祭グランプリ監督の河瀬直美さん。第二部は私が進行役をつとめ、奈良県内の奥に位置する名刹寺社の代表が首都に集います。金峯山寺の法螺と、長谷寺の声明公演も行われます!!!

○趣旨
古代の気配がなお残る大和路を奥へ奥へと進むと、日々の生活で心身に積み重なったほこりがふるい落とされていくような気持ちになる。
理屈なく手を合わせたくなる神々しい風景や、やさしく抱かれるような仏さまのお顔。
そこには、長い年月をかけて受け継がれ、守られてきた古の生き方がある。
そんな、忙しい現代社会において忘れ去られてしまった、今こそ大切にしたい生き方をお伝えします。

○入場無料(申込必要)

○当日のプログラム

1)[オープニング]金峯山寺の法螺吹奏

2)[第一部]鼎談

 石上神宮宮司 森正光師 
 長谷寺化主 加藤精一師
 映画作家 河瀨直美氏

3)[幕間]長谷寺の声明

4)[第二部]パネルディスカッション

 コーディネーター:金峯山寺宗務総長 田中利典師
 パネリスト:室生寺座主 網代智明師
        高鴨神社宮司 鈴鹿義胤師
         信貴山朝護孫子寺管長 鈴木貴晶師
              吉野神宮宮司 河﨑宏師 
         岡寺住職 川俣海淳師

○会期:平成27年1月24日(土) 12:30開場、13:30開演、17:00頃終了

○会場:東京国際フォーラム ホールB7
 アクセス:JR線「有楽町駅」より徒歩1分、地下鉄有楽町線
                 「有楽町駅」B1F地下コンコースにて連絡
○主催:奈良県
○共催:毎日新聞
○後援:観光庁

●参加費:無料(申し込み必要)
●定員:1000名

●申込方法:参加ご希望の方は、E-mail・はがき・FAXにて郵便番号・住所・氏名・電話番号・申込人数(ご自身を含む、最大3名まで)を明記の上、下記事務局へお申し込みください。
※定員を超える場合は抽選とさせて頂き、当選者には1月19日(月)までに入場券をお送りします。
※お預かりした個人情報を奈良県のイベントのご案内に使用させて頂く場合がございます。ご不要の方は申込時にその旨明記してください。

●申込締切:平成27年1月15日(木)

●申込み先:奈良県首都圏シンポジウム運営事務局
 〒150-0011 東京都渋谷区東3-15-6 百百代ビル2F
 FAX:03-6418-4735
 E-mail:sympo@welcome-nara.jp
●お問い合わせ先:奈良県観光プロモーション課 TEL:0742-27-8482

マツケンと私。。

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先日放映された三重テレビの熊野古道番組がテレビ局から送られてきました。

松平健さんをご案内した場面は結構たくさんつかっていただきました。袈裟がゆがんでいるのが恥ずかしかったです。

でもまあいい番組でした。お金も掛けて、頑張って奥駈道や修験の世界を紹介していただきました。

「クリスマスも葬式も・・・」

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「クリスマスも葬式も・・・」

修験道というのはまさにその仏教を父に、神道を母に生まれた、メイド・イン・ジャパンのローカルな宗教なんです。

それはこの資料に書きましたとおり、仏教というグローバリゼーションが、日本にあった元々のローカルなものと融合して、日本人の宗教観を創ってきた証のようなものなのです。

家に神棚がある、仏壇がある。お正月は除夜の鐘を突いてから、本宮大社へお参りに行く。彼岸やお盆には高野山や故郷の墓参りに行く。子供が産まれると神社に宮参りに行く。結婚式は大概、神道かキリスト教で挙げる。暮れになるとクリスマスケーキを買ってキリストさんのお祝いもする。死んだらお坊さんを呼んで葬式をする。

こうしてみると日本人は生まれてから死ぬまで、正月からクリスマスまで、いろんな宗教に関わって、それでも何ともないのが日本人なのであり、そういう宗教観を生んできたのが、まさに仏教のグローバリズムと、神道を持ってきたこの日本のローカルなものが融合してできてきた文化性なのである。

そういったものを千年以上にわたって守ってきた聖地がこの三霊場なのです。少なくとも明治まではどこでも行われてきたことなのですが、明治に神仏分離、神様と仏様を別けるという大事件が起きて以来は、百四十年かけて、家の中に仏壇も神棚もなくなってしまうような社会になってもなお、まだこの地には道でつなげられた違う聖地同士が、お互いに影響を持ちながら現代の日本人の精神を支え続けている。ここに深い、深い、この聖地の意味があるのです。

ー2014年10月「紀伊山地三霊場会議主催・紀伊山地の霊場と参詣道世界遺産登録10周年記念フォーラム 於あべのハルカスビル25F大会議室」基調講演講演録より

「役行者霊蹟札所会」

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久しぶりのプチ著述集。昨日臨時総会を行った役行者霊蹟札所会について10年以上前に書いた文章ですが、再アップします。

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「役行者霊蹟札所会」

私はここ数年、修験道再生を意識して、修験道間の横の繋がり、つまりネットワーク作りを実現したいと活動してきた。

その取り組みの第一歩となったのは、平成十二年(二〇〇〇)に迎えた役行者千三百年遠忌だった。このとき、修験道はじまって以来、初めて、吉野修験総本山金峯山寺と本山派修験総本山聖護院と当山派修験総本山醍醐寺の、修験三本山の合同を構想したのだ。
 この構想は実現し、修験三本山が力をあわせ、遠忌年を一緒に迎えることになった。さらに、互いに手をたずさえて合同事業に取り組むことも合意した。

その結果、特別展覧会「役行者と修験道の世界」の開催や役行者シンポジウム、大峯奥駈道楊子宿小屋復興、そして大峯山寺合同法要など、数多くの共同事業をなし遂げることとなる。

こういう一連の合同事業のなかで、平成十二年に一年限定の取り組みとして、近畿日本鉄道株式会社にご協力いただき、主催したのが「役行者ゆかりの三十九寺社集印巡り会」だった。この「役行者ゆかりの三十九寺社集印巡り会」は、近鉄沿線を中心に、役行者開基と伝える寺や役行者修行の地など、役行者にまつわる寺歴のあるお寺を集めたものだ。
 この企画の目的は、現代に役行者信仰を復興する方法を模索することにあった。企画は大成功し、多くの寺社にご賛同いただいて、広く人々の関心を集めることができた。

ただし、本会は平成十三年三月に、一年限定という当初の予定どおり、解散することになる。しかし、せっかく広く世間一般にアピールしたものを、そのままやめてしまうのではあまりに惜しい。

そこで、この企画に参加した三十九寺社をもとに、やめたいというところは削除し、新しく加わりたいというところは入れて、近畿一円の三十六寺社で再編することにした。こうして出来上がったのが、「役行者霊蹟札所会」なのだ。

本会は、平成十四年九月に正式に発足。ここに、修験道関連寺社の新たなネットワークが機能しはじめた。こうして、修験三本山からはじまったネットワークは、近畿一円の新しい修験道の連帯へと発展を遂げた。

この「役行者霊蹟札所会」の目的は、役行者に縁やゆかりのある寺社が、その由緒と歴史を自覚して法灯を護持し、それぞれの霊蹟や札所が互いに連絡をとりあって、親睦と協調を実現することにある。そうすれば、おのずから、役行者信仰を現代にアピールし、霊蹟巡礼を盛んにできるにちがいない。

一三〇〇年以上にもおよぶ修験道の歴史から見れば、きわめて不思議な話だが、これまで役行者を中心に据えた修験道霊場は存在していなかった。だから、「役行者霊蹟札所会」は、修験道の歴史はじまって以来、初めて修験道霊場を誕生させたことになる。

考えてみれば、この短い文章のなかに、「史上初めて」という言葉が二回も出てきた。ということは、修験道にはまだまだなすべきことがあり、開発の余地があり、ひいては大いに可能性があるということだ。一三〇〇年以上の歴史をもちながら、まだまだ可能性を秘めているとは、なんと素晴らしいことだろうか。

現状では、役行者と書いても「ヤクノギョウジャ」とよばれたりするほどで、一般にはまだまだ認知されていない。しかし、たった今も指摘したとおり、修験道の未来は可能性を秘めている。

本会の興隆とネットワークの連携をとおして、往古以来ながらく世の人々に支持されつづけてきたにもかかわらず、近代化の怒濤のなかで抹殺されてきた役行者信仰を、再び広めていきたい。そして、心身両面において、さまざまな苦難に苛まれている日本の人々、世界の人々に、明るい未来をもたらしたいと念願する。

 ー『はじめての修験道』(田中利典・正木晃共著/2004年春秋社刊)「第5章 全国の修験道」より
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%AE%E4%BF%AE%E9%A8%93%E9%81%93-%E7%94%B0%E4%B8%AD-%E5%88%A9%E5%85%B8/dp/4393203046


Amazonには在庫切れになっていますが、金峯山寺には置いています。お求めは0746-32-8371まで。

急告!奈良県による首都圏シンポジウム/2015.01.24

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「奥大和で見つける私 〜神と仏に出会う〜」

・・・実は締め切りまであと1ヶ月。チラシ完成!募集も今日から。
   さてさて、1000人集まるかなあ。
   河瀨直美さんも参戦します!...
   お申し込み、お急ぎ下さーーい・

***********

もう半年以上前から企画はほぼ決まっていたのに、その後、最終的なチラシなどの制作が遅れていて、ようやく、昨日出来ました。
募集も今日から始まっています。東京近郊のみなさま、是非、お越し下さい。
第一部は奈良が誇るカンヌ映画祭グランプリ監督の河瀬直美さん。第二部は私が進行役をつとめ、奈良県内の奥に位置する名刹寺社の代表が首都に集います。金峯山寺の法螺と、長谷寺の声明公演も行われます!!!

○趣旨
古代の気配がなお残る大和路を奥へ奥へと進むと、日々の生活で心身に積み重なったほこりがふるい落とされていくような気持ちになる。
理屈なく手を合わせたくなる神々しい風景や、やさしく抱かれるような仏さまのお顔。
そこには、長い年月をかけて受け継がれ、守られてきた古の生き方がある。
そんな、忙しい現代社会において忘れ去られてしまった、今こそ大切にしたい生き方をお伝えします。

○入場無料(申込必要)

○当日のプログラム

1)[オープニング]金峯山寺の法螺吹奏

2)[第一部]鼎談

 石上神宮宮司 森正光師 
 長谷寺化主 加藤精一師
 映画作家 河瀨直美氏

3)[幕間]長谷寺の声明

4)[第二部]パネルディスカッション

 コーディネーター:金峯山寺宗務総長 田中利典師
 パネリスト:室生寺座主 網代智明師
        高鴨神社宮司 鈴鹿義胤師
         信貴山朝護孫子寺管長 鈴木貴晶師
              吉野神宮宮司 河﨑宏師 
         岡寺住職 川俣海淳師

○会期:平成27年1月24日(土) 12:30開場、13:30開演、17:00頃終了

○会場:東京国際フォーラム ホールB7
 アクセス:JR線「有楽町駅」より徒歩1分、地下鉄有楽町線
                 「有楽町駅」B1F地下コンコースにて連絡
○主催:奈良県
○共催:毎日新聞
○後援:観光庁

●参加費:無料(申し込み必要)
●定員:1000名

●申込方法:参加ご希望の方は、E-mail・はがき・FAXにて郵便番号・住所・氏名・電話番号・申込人数(ご自身を含む、最大3名まで)を明記の上、下記事務局へお申し込みください。
※定員を超える場合は抽選とさせて頂き、当選者には1月19日(月)までに入場券をお送りします。
※お預かりした個人情報を奈良県のイベントのご案内に使用させて頂く場合がございます。ご不要の方は申込時にその旨明記してください。

●申込締切:平成27年1月15日(木)

●申込み先:奈良県首都圏シンポジウム運営事務局
 〒150-0011 東京都渋谷区東3-15-6 百百代ビル2F
 FAX:03-6418-4735
 E-mail:sympo@welcome-nara.jp
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河瀬直美監督からのメール、映画『あん』が来年6月に公開予定!!

河瀬直美監督からのメール
映画『あん』が来年6月に公開予定!!10176118_782085031857488_9206217200

*********

...

寒い毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか?
いよいよ今年も残りあと半月ですね。

そんな師走に、先日クランクアップした最新作、
  『あん』という作品の製作発表をいたしました。

  ***

  映画『あん』
  公式サイト http://an-movie.com/

河瀬直美監督と樹木希林が紡ぐ
感涙のエンターテイメント・ドラマ

出演     樹木希林   他
  原作        ドリアン助川
  監督・脚本 河瀬直美

  縁あってどら焼き屋「どら春」で
自慢の粒あん作りを手がけることになった徳江(樹木希林)。
  一日一日を精一杯生きる彼女を取り巻くドラマが、
  四季の情景を切り取った美しい映像と豪華キャストで丁寧に紡がれていく…。

  *製作発表の様子はこちら
http://www.cinemacafe.net/article/2014/12/11/28011.html

***

  公開は来年6月を予定しています。
  SNSなどでは情報が日々更新されているのでぜひチェックしてみて下さい。

FB https://www.facebook.com/anmovie2015
ツイッター @anmovie2015

皆様にスクリーンでご覧いただける日を心待ちに、
これから編集頑張ります!!

かわせなおみ

「渡邊座主本葬に行きます」

「渡邊座主本葬」

私は大学卒業後、叡山学院に通う傍ら、高校との時に過ごした比叡山高校の山家寮の寮監をつとめた。同僚で居られたのがM先輩。そのM先輩の師匠が渡邊座主猊下だった。まだ探題さまにもなられる前であった。

寮監時代、そんなわけで、電話の取り次ぎなど、渡邊猊下とは親しくさせていただく機会が多く、金峯山寺入寺後も、ご一緒して、インドの大乗教インド大仏開眼式などにも行かせていただいたりした。このインド行きは終わってからも金峯山寺と当時参加した延暦寺さんとの、交流会が出来て、10数年続いた。座主になられてからも渡邊座主にお出まし頂いたこともあったし、いろんな会でお出遭いするたびに、親しく接していただいた。

...

歴代のお座主猊下の中では、一番、親しくお話しが出来た方だった。

その猊下の本葬が今日である。生前のご法縁に感謝申しあげて、参列させていただこうと思っている。坂本は寒いだろうなあ・・・。

**********************

渡辺恵進前天台座主ご逝去

渡辺恵進氏 天台宗(総本山・延暦寺、大津市)の前座主の渡辺恵進(わたなべ・えしん)氏が13日午前5時5分、大津市内の病院で死去した。104歳。岐阜県出身。自坊は大津市坂本6の2の24、円乗院。通夜は16日午後6時から、密葬は17日午後1時から延暦寺葬として行う。本葬は12月16日午後1時から天台宗葬として行う。いずれも大津市坂本4の6の1、滋賀院門跡で。

 葬儀委員長・喪主は、通夜、密葬は延暦寺執行の小堀光實(こぼり・こうじつ)氏、本葬は天台宗務総長の木ノ下寂俊(きのした・じゃくしゅん)氏。

 1910(明治43)年、岐阜県安八町で生まれた。大正大卒業後、約6年間兵役に就いた。戦後、比叡山に入って横川地域の復興に関わり、延暦寺副執行、滋賀院門主などを歴任。97年に第255世の天台座主に就任した。座主には任期の定めがなく終身とされるが、年齢や体調不良を理由に2007年に退任した。

 天台宗の戒「円頓戒(えんどんかい)」の研究で知られ、仏教精神に基づいた世界平和を訴えた。米ニューヨークの国連本部で2000年に開催され、世界の宗教者が一堂に会した「ミレニアム世界平和サミット(世界宗教指導者サミット)」では、日本の宗教者を代表して平和と寛容の精神を訴えた。

 
「渡邊座主本葬」

私は大学卒業後、叡山学院に通う傍ら、高校との時に過ごした比叡山高校の山家寮の寮監をつとめた。同僚で居られたのがM先輩。そのM先輩の師匠が渡邊座主猊下だった。まだ探題さまにもなられる前であった。

寮監時代、そんなわけで、電話の取り次ぎなど、渡邊猊下とは親しくさせていただく機会が多く、金峯山寺入寺後も、ご一緒して、インドの大乗教インド大仏開眼式などにも行かせていただいたりした。このインド行きは終わってからも金峯山寺と当時参加した延暦寺さんとの、交流会が出来て、10数年続いた。座主になられてからも渡邊座主にお出まし頂いたこともあったし、いろんな会でお出遭いするたびに、親しく接していただいた。

歴代のお座主猊下の中では、一番、親しくお話しが出来た方だった。

その猊下の本葬が今日である。生前のご法縁に感謝申しあげて、参列させていただこうと思っている。坂本は寒いだろうなあ・・・。

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渡辺恵進前天台座主ご逝去

渡辺恵進氏 天台宗(総本山・延暦寺、大津市)の前座主の渡辺恵進(わたなべ・えしん)氏が13日午前5時5分、大津市内の病院で死去した。104歳。岐阜県出身。自坊は大津市坂本6の2の24、円乗院。通夜は16日午後6時から、密葬は17日午後1時から延暦寺葬として行う。本葬は12月16日午後1時から天台宗葬として行う。いずれも大津市坂本4の6の1、滋賀院門跡で。

 葬儀委員長・喪主は、通夜、密葬は延暦寺執行の小堀光實(こぼり・こうじつ)氏、本葬は天台宗務総長の木ノ下寂俊(きのした・じゃくしゅん)氏。

 1910(明治43)年、岐阜県安八町で生まれた。大正大卒業後、約6年間兵役に就いた。戦後、比叡山に入って横川地域の復興に関わり、延暦寺副執行、滋賀院門主などを歴任。97年に第255世の天台座主に就任した。座主には任期の定めがなく終身とされるが、年齢や体調不良を理由に2007年に退任した。

 天台宗の戒「円頓戒(えんどんかい)」の研究で知られ、仏教精神に基づいた世界平和を訴えた。米ニューヨークの国連本部で2000年に開催され、世界の宗教者が一堂に会した「ミレニアム世界平和サミット(世界宗教指導者サミット)」では、日本の宗教者を代表して平和と寛容の精神を訴えた。

  • 田中 利典

年末恒例の『仏名会・三千仏礼拝』

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金峯山一山の今年最後の法会となるのが、年末恒例の『仏名会・三千仏礼拝』です。今日から14/15/16日の3日間、午前11時より蔵王堂御宝前において、行われています。毎年仏名会は寒いのですが、今年も今朝から降り出した雪で一面真っ白。そうとう冷え込でいます。

仏名会とは中国に於いて始まった悔過(けか)の法会の一つで、過去・現在・未来のそれぞれ千体の仏の御名を称えて懺悔し、神仏に感謝の念を捧げる仏事だそうですが、この法会の間、蔵王堂には寒さ厳しき中を、懺悔の祈りを捧げるというわけ・・・。まあ、早い話が一年の終わりに、今年一年の人間が犯してきた罪・災いを、御仏に懺悔して、謝り倒して、来るべき歳の幸いをお祈りするという、とても大事な法要なわけ。

私も会奉行として、出仕でした。第1日目、終了・・・ほんと、寒かった(>_<)

「日本的登山」

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衆議院選挙投票日。雪が降っています。

・・・さてひさしぶりの田中利典プチ著述集から。。

「日本的登山」

...

西洋というのは、山には森には悪魔が住んでいるわけですから、たいへん自然との付き合い方が下手なところがあります。その下手なところから始まって、征服をするとか切り取るとかいう価値観で、近代登山ができてきたのです。

一方、日本というのはそうではなくて、自然そのものをいかしてきた。自然のなかで生かされてる人間を感じてきた。もっと言いますと西洋人にとっては、分母が神であり、分子が人間なわけですが、日本人にとっては、分母が自然なのであります。自然そのものが神であり仏であったりする、そういう違いがあるのではないでしょうか。

今日は日本山岳会の百周年ですから、あまり西洋登山の悪口を言うと怒られますので、この辺にしたいと思いますが、人間も自然の一部である、神も仏も自然の一部である、人間の営みも自然の一部である、というふうに自然を見たときに、おのずから地球環境問題も、自然との関わりも新しい視点が生まれるのではないかと思うものであります。自然を物として見ている限り、私は、地球環境も先が知れているのではないか、という気さえいたします。

それと、最近、百名山登山とか、中高年の登山が流行っていますが、どうも私は無宗教です無信心ですといった日本人のカルチャー、一神教的な価値観に洗脳されて西洋人と同様に自然を物として見る、畏怖する心を忘れた、そういう心で山との関わりを持つことに、大変な危険を感じています。

日本人はもっと敬虔な思いで自然と関わってきたのであります。山にいくと山の論理に従うことを前提に体も鍛えたし、準備もしたわけでありますが、今は自分達の論理、都会の論理でそのまま入っていくから道に迷って遭難するわけであります。山に入ると誰も助けてくれません。助けようとなると(山岳救助隊や経費やらで)大変なことになるわけであります。そういったことがどうもおかしくなっている。今の日本人はどこか一神教的な価値観の上澄みだけに侵されているところがあって、西洋的な急作りの自分達の勝手な価値観で何でも行ってしまう。私達の先祖たちはそんなことはしてこなかったはずだと思います。

たぶん100年前にこの日本山岳会が設立なった時の先人たちというのは、明治以前のカルチャーをたくさん持った人たちが日本的な登山の形を踏まえて試行錯誤しながらお作りになったんだろうと思います。今は明治以前のものって本当に少なくなってしまいました。私は、修験の身でございますが、修験も明治に殺されながら、天然記念物になりながらも、なんとか生きてまいりました。そんななかで、今申し上げたような価値観が実は残されているのだということを申し上げているわけです。そういった意味で、これからの日本的な登山のありかたを創造するというのが、大変大事なのではないか、と思うわけであります。

ー2006年「日本山岳会創立100周年・関西支部創立70周年 於高野山大学」基調講演講演録より

「修験道とは親切な教え!」

・・・久しぶりの田中利典プチ著述集261204を掲載します。ちょっと古い文章ですけど。

「修験道とは親切な教え」

私は修験道というのは、非常に親切な教えであると思っております・・・

仏教の教えは非常に宏遠でいろんな教えが説かれております。例えば大乗仏教における最も大切なものは何かと申し上げますと、六波羅蜜行、いわゆる布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧という六つの修行が大乗仏教の修行の徳目でございます。

ところが日常生活の中で、布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧、この修行が出来るかといいますと、凡夫である我々にとっては、日日の事柄に流されて、なかなか怠り勝ちであるわけですが、山に入り、例えば我々は吉野から熊野にかけて八日ほど山を駈けますが、その八日の中では、布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧という六つの修行が自ずから実践出来る。青色吐息の人に優しく声もかけられますし(布施行)、少々のことも我慢出来ます(忍辱行)。まじりっけなく、今日の宿所を目指して心専一に歩くことも出来ます(精進行)。

あるいは歩く姿そのものが禅定に繋がる。「歩行禅」などと言われる方もおられますが、無念無想、サマーディーのような気持ちで、歩くことが出来る。 あるいは、教学担当という教団の仕事柄、よく人前で話をさせていただきますが、普段、娑婆の世界で法を説かせていただいても、しゃべっている方も、聞いている方も、どこか実感が伴わないこともありますが、山の中で毎日毎日共に行じながら修行しておりますと、一言一言の法話も、話をする方も素直に感じたままをお話することが出来ますし、聞いている方も素直に腑に落ちることがあります(智慧行)。

そういった、大乗仏教における六波羅蜜行といった修行の徳目も、ただ机の上で学んでいるだけでは、簡単には実践に結びついていかないようなことでも、山の中で修行すると、誰もが実感出来る、そういうことが多々あります。

それから「仏道とは自己を知ることと見つけたり」(道元)というような言葉がありますが、日常の生活ではなかなか本当の自分に気づかない、自分と自分自身とが離れていると申しますか、自分を見失っている様な生活が在るわけですが、山に入るとまさに間近に自分と向き合います。たかだかこれぐらいの坂が、これぐらいの道が辛くなったときに、そこにいるのは、誰でもない自分であります。そういう自分に必ず出逢わせていただくことが出来ます。

ここで重要なのは、ただ山に登山で行くのではなく、山を曼荼羅世界とみて、神仏を拝む気持ちで歩くということです。我々は山に入りますと、石を拝み、岩を拝み、木を拝み、流れる川を拝み、空を拝み、風を拝みます。そこは久保田先生がおっしゃった通り、まさにあらゆるものを肯定しながら、歩かせていただく。

しかも人間の存在を超えたものを感じながら歩くことが出来るわけであります。そういう意味ではどういう人であれ、その人なりに、大きな人には大きく、小さい人には小さく響く、そういう親切さが、山の修行、修験道の修行にはあるのではないかと感じております。

-平成11年10月9日、大阪市天王寺公園内のマルチメディア映像館で開催された「役行者シンポジューム」講演録より

「木曜スペシャル 探訪!京都巡礼団2~朝廷vs武家 時の権力者たちが信じた秘密の力」

10月末に取材のあったBS日テレの番組が今週放送される。結構いろいろゲストに聞かれて,お話ししたので、かなり出てくると思います。ま、番組自体が長い番組なので、録画でもしていただいて探してもらう方がいいかもしれません。

「木曜スペシャル 探訪!京都巡礼団2~朝廷vs武家 時の権力者たちが信じた秘密の力」

放送日時 12月4日(木)19:00~20:54

「内容」
世界遺産の都・京都と吉野に今回追ったのは、権力者たちが天下を取るためにすがった「秘密の力」。伏見稲荷に隠された平清盛の信仰、小野篁の存在、豊臣秀吉の野望まで!

http://www.bs4.jp/programschedule/detail/detail_pc_309024476.html

「慈母の如き人を悼む」

今日、午後から東南院の親奥様の本葬儀が東南院鳳凰殿で執り行われる。
朝から吉野山は、奥様のご逝去を悼むかのような雨が降り続いています。慈雨とも思うべき、雨の朝であった。

奥様には若い頃より本当に大変お世話になった。少し、文章を書いてみました。

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「慈母の如き人を悼む」

私は比叡山高校に入る前、十五才のときに第二十八世金峯山寺管領の故順教猊下のもとで得度受戒し、その後、夏になると猊下ご自坊の東南院にお手伝いに上がった。あの頃の東南院は林間学校の生徒で一杯で、連日とても忙しかったことが懐かしい。高校卒業後は一年間、東南院で随身し、その間に四度加行も履修させていただいた。一年後には龍谷大学に入ったが、夏になるとやはり東南院の手伝いに帰山した。私にとっては東南院はまさに第二の故郷であり、事実、東南院に戻る度に奥様からは「おかえりなさい」と言っていただいていた。その奥様が先月逝去された。九十二才の生涯を閉じられたのである。またひとつ故郷を亡くしたような、漠々たる寂しさを禁じ得ない。

私は今でも東南院のお内仏に、ことある度にお参りさせていただいている。縁あって弟が東南院の住職に就いたことも関係なくはないが、それよりも私自身が長く東南院での随身生活を送り、このお寺で僧侶にしていただいたという思いがあるからである。その随身生活にはいつも奥様がおいでになった。奥様に物心ともにお世話になったお蔭で、今の私があるのは間違いない。故に、なにほどの恩返しも出来ないまま、今生の別れとなったと思うと、ただ寂しいだけではなく、申し訳ない思いで胸が一杯になる。

奥様は南満州でお生まれになり、終戦を経て、満州からの引き上げ後は、神職をされていた父君とともに、橿原神宮、丹生川上中社と居を変えられた。そんな中で、五條順教猊下とご縁を得られ、東南院に入られたのである。以後、六十数年、東南院の護持経営にその身を尽くされ、また順教猊下を支え宗門の発展にも大いに力を果たされた。

私のこと、弟のことを思うにつけ、私どもと東南院さまとのご縁は深いが、そこにはいつも奥様の存在があった。優しい眼差しの奥にある真実を見通す目、その慈母の如き慈しみに満ちたご尊顔。順教猊下の恩徳とともに生涯忘れずに感謝申しあげたいと思っている。

 
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寂しいお別れであるが、しっかりとお弔いをさせていただきたい。

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