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「日本を取り戻す」

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「日本を取り戻す」

日本の教育が悲鳴をあげています。子どもも親も先生もそしてそれを取り巻く全てのものが悲鳴をあげている、と言って過言ではないでしょう。地域社会や各自治体の教育委員会はいうのおよばず国の文部科学省でさえ、ホントの所はどうして良いのかわからないでいます。少し前に教育基本法が改正になりましたが、遅きに失した感さえぬぐえず、教育は国の根幹から問われる問題となっているのです。

私はいろんな機会に子どもの問題は実は子ども自身の問題以前に大人の問題であり、社会全体が抱えた問題の顕著な現れであるとお話してきました。子どもは大人の背中をみて大きくなるのです。だから今の社会全体が抱えている閉塞感や喪失感、不安感を全部子どもに抱えてさせてしまったから、陰湿で心ないいじめが後を絶たず、自分や他人の命を軽んじてしまう青少年さえも続出させたのでしょう。

教育の問題は国の根幹であり、教育の迷走は大人社会が歩んできた道の誤りをなによりも雄弁に語っているのです。どこかで間違ったこの国のかたち…。それが今、青少年の問題として問われているのです。親の責任や先生の責任、乃至教育界の問題といった視点では解決し得ない、この国が背負ってしまった不幸なのです。そしてその不幸のおおもとは日本人の宗教心の崩壊にあると私は思っています。それこそがこの国の本当の不幸なのです。

哲学者梅原猛氏が力説されるように、この国は明治維新と大東亜戦争の敗戦期に二度の神殺し、仏殺しを行ないました。そしてモノの豊かさだけを得て、『国家の品格』の著者藤原正彦氏の言葉を借りれば、この国は国の品格を失ったのです。

宗教心を前提としない道徳や倫理は存在しません。また道徳や倫理を失った国は国の体をなさないでしょう。私たちのこの国は明治以後、たかが百四十年ほどで、世界に冠たるモノの豊かさを誇る国になりましたが、そのわずか百四十年で心の貧しい国へと変貌を遂げようとしているのではないでしょうか。もう一度私たちは先人達が有史以来培ってきた神と仏との関係性を取り戻さなければならないと思います。そしてそれは宗教人の担うべき役割なのであります。

東大寺のお水取りは千二百五十数年間、一度も欠かすことなく行われてきました。伊勢神宮の遷宮にいたっては二十年置きに執行され、千四百余年で六十一回を数えてきています。そういう伝統は世界の奇跡だし、その奇跡を未だにこの国は粛々と続けているのです。わが修験道にしても役行者以来千三百年を超えてなお、その法灯を守り、山修行の伝統を守り伝えています。そういう明治以前の神や仏との関係を今一度取り戻すところに、この国のかたちを再生させる道筋があるのではないでしょうか。「日本を取り戻す!」というのはそういうことなのではないでしょうか。

「日本をなんとかしたい」と私は思っています。「なんとかしたい」をキーワードに何が出来るのか、何をどうするのかを始動させたいと思っています。

そんな思いで今後も語り続けていたいと思います。

午前中にアップした26日放映のNHKEテレ「こころの時代」でも、たくさんお話ししました。インタビューは合計で4時間を越えました。ま、どの程度使われるか使われるかどうかという問題はありますけど。ご期待下さい。

*自坊に帰ってからの方がずっといそがしくしていて、金峯山寺にいたときほど、FBやブログに書き込みが出来なくなりました。ともかく蔵王供修行まで時間がなくて追われています。

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