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「人生あおによし⑬⑭」

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「人生あおによし⑬⑭」
 ~田中利典著述集271116

⑬金剛蔵王権現の怒りと救世

蔵王堂の秘仏金剛蔵王大権現は、ほぼ同じ形相のお姿で三体で祀られています。三尊は釈迦如来、千手観世音菩薩、弥勒菩薩が本地(元のお姿)で、それぞれが過去、現世、未来を司る守護仏です。

白鳳の昔、金峯山上で千日間の苦行に入られた役行者が、衆生を三世に渡って救済するご本尊の出現を願い、それに応えてお姿を示されました。しかしいずれも柔和なお姿なのでさらに勇ましいご本尊の出現を念じられたところ、三尊が変化して、大憤怒の形相で現れたのが蔵王権現なのです。顔を怒らせ、右手に三鈷杵を打ち振るい右足で虚空を蹴る、悪魔降伏のお姿。この恐ろしい姿で過去現世未来をお守り下さっているのです。

一人の人間の一生にも三世は存在します。なのに死んだら終わりだと考えている人のなんと多いことか。この世でこしらえた罪は未来永劫背負うことを知るべきです。寿命が延びたといってもたかだか80年、三世で考えなければ今生を正しく生きる意味は見いだせません。

文明社会がまきちらした環境破壊という災禍に怯える時代に、蔵王権現様は人間の愚かさを怒っているのではないでしょうか。怒りは大いなるエネルギーの発現です。そして怒りの形相は衆生済度の姿でもあるのです。

⑭吉野の桜 

吉野の桜は日本一の名所として誰もが耳にしたことがあるかと思います。しかし、それが修験道の信仰の現れであることをどれだけの人がご存じでしょう。

役行者は本尊金剛蔵王権現を祈り出し、その姿を山上ケ岳の山頂(山上)と山麓の吉野山(山下)にお祀りになりました。これが金峯山寺の濫觴です。明治の神仏分離修験道廃止の法難では明治7年から一時廃寺となりましたが、山上本堂は大峯山寺として、金峯山寺は山下本堂を中心に旧態の仏寺に復興し今日に至っています。

役行者は祈り出した蔵王権現を山桜の木に刻んで祀られたと伝えられています。ですから山桜はご神木として大切に守られてきました。「桜一本首一つ、枝一本指一つ」と言われ、枯れ木でさえ薪にすると罰が当たるとされました。また参詣する人たちも献木し続けてきました。その積み重ねでできたのが桜の名勝地吉野山なのです。山中を歩いていると人が寄りつけない岩角や谷間にも桜が育っていることがあります。烏がついばんで運んだのでしょう。

山を埋め谷を埋め、全山が見渡す限りの桜は霞か雲か、夢のようです。その景色は長い時代に繰り返された、吉野という地の、信仰の積み重ねであることを心の隅に置いて眺めていただけたらと思います。

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今日は出雲からの配信です。

*写真は蔵王権現さま(金峯山寺蔵)。

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コメント

私は私の大切な人が自殺をしました。
私も10万人に一人の病気になりました。

私はなんか人生って受け入れるしかないなーと思ってます。
ジタパタしても仕方ないし
終りの日が来るまで普通の人生を送って。。。。

毎日注射を打って生きてます。
注射を打たないと死んでしまう病気です。
生きたいから毎日注射をしています。
これも自分に対しての
行みたいなものかなぁ(笑)。

悪魔っているのかなぁ。
でもみんな死ぬのでよくわかりません。
生きたくなくなるのが悪魔なのかもしれません。

出雲から配信してくださってありがとうございます。
とても難しいですが、蔵王権現様のような母親を目指したいです…
今回のお話を心に留めて、吉野山の桜を見たいです。

にゃおさん、力になれないかもしれませんが、頑張って下さいね。応援しています。

豆しばさんん、ありがとうございます。吉野の桜、綺麗ですよ。是非おいでください。

お返事ありがとうございます。

がんばって下さいって言葉ありがとうございます。
私はそういう言葉が神仏様が現れたのかなって思います。

神仏様って意外とそばにいる気がします。

不幸なのか幸福なのかは終わる時しかわからないですから。
おそれず受け入れて朝日を拝んで行こうと思ってます。。。。

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