「金峯山寺とは?」 ~田中利典著述集271226
「金峯山寺とは?」
~田中利典著述集271227
奈良・大和路には日本を代表する古社寺が数多くあります。東大寺、春日大社、興福寺、唐招提寺、薬師寺、法隆寺、西大寺、、大安寺、石上神宮、大三輪神社・・・。枚挙に暇がありませんが、奥大和・吉野山にある金峯山寺もそれら名刹古社寺の一つであります。
私は金峯山寺を紹介するときに、いつもこういう言い方をしています。
「日本最古の寺、斑鳩にある法隆寺さん(創建六〇七年)よりも新しいお寺ですが、大仏さまが祀られる奈良の東大寺さん(創建七四五年)より、ちょっと古い寺です」と。
寺伝によれば、修験道の開祖役行者(六三四~七〇一)によって金峯山寺は創建されたと伝えています。であるからして、聖徳太子(五七四~六二二)の創建による法隆寺よりも新しく、聖武天皇(七〇一~七五六)勅願により創建された東大寺よりは古い、ということになるのです。
ところで、金峯山寺はそういった奈良の古社寺を代表する寺院という顔より、更に大きな意味合いを持つ寺であります。それは 日本独特の宗教・修験道発祥の寺といっても過言ではない位置づけを持っていることであります。修験道とは、日本古来の山岳信仰に、神道や外来の仏教、道教、陰陽道などが習合して成立した我が国固有の民俗宗教と解説されますが、その修験道の中で、もっとも大きな由緒を持つ寺なのです。
ー平成27年8月開催・ 特別展「蔵王権現と修験の秘宝」展覧会図録掲載の拙稿「金峯山寺と修験道」より
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