「日本という国」
「日本という国」
~田中利典著述を振り返る280121
このところ、芸能記者並みのSMAP騒動に首を突っ込んだ書き込みなどをしましたが(笑)、私なんぞがいくら騒いでも、芸能界や日本の硬直化した日本社会の老害に是正されるとは思えないので、本来の書き込みにもとります。
...これはもう10数年前になりますが、浅草寺文化講座に招かれてお話をしたときに講演録からの、跋文です。
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「日本という国」
ここで、皆さんにちょっとお考えいただきたいことがあります。話が少し横にそれますが、「日本」という国…正式名称「にっぽん」ですが、この日本という国名は、いつから日本になったかご存じですか?
よく「日本人の常識は外国人の非常識」、と言われますが、おおよそ外国人は自分の国の国名がいつから定まったか、だいたい知ってるんですよね。
たとえばアメリカ合衆国は、アメリカ人に聞くと、13州が独立宣言をした1776年からと、大概知ってはりますわ。あるいは韓国の方に大韓民国という国はいつからありましたかと言うと、1948年からですと、ご存じだと思うのですが、はて日本人はというとに、いつからこの国名がついたか、大部分の方が考えたことないでしょう。教わったこともないでしょう。多分知らんと思うんですよ。
私も最近まで知りませんでした。実は近年だいたいはっきりしてきたようで、養老律令というのがあるんですが、これは689九年に制定されます。この頃だそうです。所謂、天武天皇、持統天皇の頃に「日本」を国の名前として定めたのではないかと、言われています。それまでは「倭(やまと)」と呼んでいた。倭という国から日本という国名を使ってきたのが7世紀後半のこの頃である。天皇という称号を使い出すのと、ほぼ同じころだと言われています。それまでは「大君(おおきみ)」と言っておったのが、天皇という称号を使うようになって、日本という国名も使うようになったようです。
~浅草寺文化講座平成12年版:田中利典講演録「役行者という人」より
*写真はイメージです。
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