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筒井寛昭東大寺別当との鼎談「奈良仏教のこれから」(下)

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筒井寛昭東大寺別当との鼎談「奈良仏教のこれから」(下)ー田中利典著述集を振り返る280409
 
本稿は昨日に続き、現東大寺別当で華厳宗管長の筒井寛昭猊下との鼎談記事から跋文の2である。
 
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田中
冗談のようにしてずっと言い続けていることがあるんですよ。奈良県は全国に先駆けて政教分離を止める特区にしてくれと。
 
筒井
奈良の観光はお寺と神社。そのためにお寺、神社に県が積極的にかかわる。これは奈良県民のため。遷都祭はそれをやってくれと言っているわけですよ。
 
東大寺では、奈良時代の宗教性を伝えるべく現在、新しい収蔵庫を造っております。そこに展示部分をつくって、聖武天皇はじめ奈良時代の仏教の紹介、またその意義をそこで説明するつもりです。そこには無料のインフォメーション部分と、お坊さんが説明できるような、椅子席でも30席くらいの映像を中心とした部屋もあります。
 
頼まれればそこで案内もできる。東大寺にはこれがあって守ってきたということを見ていただける無料部分も造る。それが今度の「東大寺総合文化センター」というものです。来年に出来ます。地震があった時に危ないものをそこに収める。法華堂の日光・月光菩薩、吉祥天、弁才天を正面に置いて、そこは免震台の部屋になっていて、今まで1200年以上守られてきたものを私たちはこういう形で守ってきましょうと。
 
それはこれから奈良としてどういうもっていきようがあるのかという一つの結論というか、文化庁に対してもこういう保存の仕方をしてほしいという発言にもなる。ただ単に置いておくのではなく、こういうふうに守ろうと東大寺では考えています。
 
田中
私は平城京遷都と平安京遷都の違いは何か、ということを準備会議の初めから提言してきました。平安遷都は、それまでのものと隔絶した形で造営されます。ところが、平城遷都はそうじゃない。飛鳥を中心に古代国家ができてきて、そういうものを継承して造った。お寺だって移築するわけですから、つながりがある。その中では吉野とのつながりもある。平安京のように全部が更地からできたものではなくつながってできたと。
 
平城京ですからややもすると吉野も桜井も飛鳥も関係ないとされがちですが、そういう視点で、私は違うと思う。全部関連していて平城遷都があるのだから、大極殿のことだけをやったのでは意味がない。全県単位でやるところに平安京との違いがある。だから吉野は県南部の一つの拠点として、吉野の象徴である蔵王権現の御開帳を来年(10年)9月から100日間やる。これは平城京のバックボーンとして奈良県がもつ山岳地帯の力を示すためのひとつなんです。
 
田中
守っていくためにはある程度変わり続けることも必要。全然変わってなかったら残っていない。間違いなく時代に応じて微調整的に変化してきた歴史はある。だからと言って時代に迎合してヘンな変え方をしてしまうと守れなくなってしまう。そこらへんを誤らないようにしなくてはいけない。
 
筒井
基本は変わらない。枝葉が変わっていくということですね。
 
ー仏教タイムス2010年1月14日号掲載:鼎談「奈良仏教のこれから」
 
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筒井猊下はこの春で東大寺別当職を勇退され、東大寺長老となられる。大変な重責を恙なく全うされ、お疲れ様でした。晋山式に伺ったのが昨日のように感じます。たぶん東大寺の晋山式に招待していただいた近年最初の金峯山寺の僧侶に私はなったのかもしれませんね。最近疎遠な関係でしたから・・・。
 
さて、よく私の金峯山寺長臈職を「長老」と間違って表記されるが、「長老」と「長臈」はずいぶん違う。「長老」というのは、その一山の山主を務めた方が引退して名乗る名号で、「長臈」は山主を務めていないが、一山の重役職を務めて功績があって引退した人に与えられる名号なのである。
 
写真は昨年の秋に猊下と親しく食事会をご一緒したときのもの。左から筒井猊下、佐野女史、某市長、私。

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