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「吉野の桜」 ~田中利典著述集280410

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「吉野の桜」 ~田中利典著述集280410

吉野の桜は日本一の名所として誰もが耳にしたことがあるかと思います。しかし、それが修験道の信仰の現れであることをどれだけの人がご存じでしょう。

役行者は本尊金剛蔵王権現を祈り出し、そのお姿を山上ケ岳の山頂(山上)と山麓の吉野山(山下)にお祀りになりました。これが金峯山寺の濫觴です。明治の神仏分離・修験道廃止の法難では明治7年から一時廃寺となりましたが、山上本堂は大峯山寺として、金峯山寺は山下本堂を中心に旧態の仏寺に復興し今日に至っています。...

役行者は祈り出した蔵王権現を山桜の木に刻んで祀られたと伝えられています。ですから山桜はご神木として吉野山では大切に大切に守られてきました。江戸時代には「桜一本首一つ、枝一本指一つ」とまで言われ、枯れ木さえ薪にすると罰が当たるとされました。また参詣する人たちも蔵王権現への信仰の証として、全山に献木をし続けてきました。その積み重ねでできたのが桜の名勝地吉野山なのです。また、山中を歩いていると人が寄りつけない岩角や谷間にも桜が育っていることがあります。烏がついばんで運んだのでしょう。烏も大事にしてきました。

山を埋め谷を埋め、全山が見渡す限りの桜は霞か雲か、夢のようです。その景色は長い時代に繰り返された、吉野という地の、信仰の積み重ねであることを心の隅に置いて眺めていただけたらと思います。

 ー朝日新聞奈良総局「人生あおによし」(平成27年11月25日掲載)

*****************

今朝5時半過ぎに、、金峯山寺に帰山した。今日から花供の行事である。例年、この時期はまだ中千本に位置する蔵王堂の桜はつぼみが堅いくらいで花見には早いが、今年はすでに満開を少し過ぎている。今は上千本が真っ盛り。

そんな中、毎年のような行事があり、そして多少の遅い早いはあるが、蔵王権現のご神木のシロヤマサクラが見事に咲いた中、山内を彷徨しながら、有り難いなあとつくづく想いを致したのだった。

過去の記述になるが、吉野の桜について書いた著述から転記した。

写真は満開の桜で彩られた吉野山。
 

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