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お昼から地元綾部のFMいかる「たなかりてんのとれたてワイド763」に出演します。

今日は、お昼から地元綾部のFMいかる「たなかりてんのとれたてワイド763」に出演します。

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メインのコーナーが2つ。ひとつは今年からはじめました「ここから始める綾部学」。今月は「綾部市と世界連邦都市宣言」をテーマに綾部世界連邦運動協会会長の鹿子木旦夫さんをお迎えします。12時半頃からの放送です。

またならどっとFMとの共同企画「りてんさんの知人友人探訪」にはNPO音楽の森知事長荒井敦子さんを迎えて、お友達トークを繰り広げます。1時過ぎです。こちらは先日奈良で収録した分です。綾部も合唱が盛んなので、荒井先生とのトークをお楽しみに。まあ、先生の一方的なマシンガントークが炸裂でしたが。

...

番組の放送時間は正午から午後2時半までの生放送です。よろしければ、お聞きください。

放送は http://www.jcbasimul.com/?radio=fmikaru ←こちらでリアルタイムにに聴くことが出来ます。

写真は荒井先生tとの収録の様子です。

「人生の逝き方」

「人生の逝き方」

この演題は私がつけたものではなく、綾部の高齢者学級の主催者の方からいただいたものである。かなり私にはハードルの高そうな演題ではあった。

もちろん仮題なので、変えていただいてもいいですと聞いてたが考える間に、当日になっていて、面倒だから、そのままの題で先月お話をした。まあまあ、思いの外、それらしいお話が出来たので、しばらくは、ほかでもお願いされた高齢者学級の演題はこれでいこうと、厚顔無恥を決め込んだ。明日、日本を代表するような水源の里(限界集落の名前をこう読み替えて綾部市を中心にそういう活動がある・・・)の奥神林地区でお話をする。

で、そんなことなどを地元の市民新聞に、投稿させていただいた。昨日掲載していただいたので、よろしければご覧下さい。

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「人生の逝き方」

先日、中上林地区の高齢者学級の講話に招かれた。「人生の逝き方」という表題を頂戴していた。

会場は農繁期だというのに、用意された席いっぱいにおいでいただいた。高齢者学級だから、みなさん、私より長く人生を生きてこられた方ばかり。そんな諸先輩を前に「人生の逝き方」を話すというのは、いくら還暦は過ぎたとはいえ、おこがましい限りである。

でもまあ修験僧になって法臈47年(ほうろうとは僧侶になった年数のこと)。逝くということは、それまでをどう生きるかということでもあるので、仏道修行を通じて学んだことをお話させていただいたのである。

内容はまだこれからも綾部市内のいろんなところでお話しする機会があるので、是非、直接聞いていただけたらと思う。今月25日には奥上林地区での高齢者学級でもお話しすることになっている。

ちょっとだけ、その一端を紹介しておこう。

私たちは見知らぬ土地に旅をするとき、ツーリストで旅券の手配をしたり、ガイドブックで事前に情報を得たりする。

人生における死出の旅路はどうだろう。逝ったことのない死後の世界、だからこそ、本当は事前に死出の旅路を用意をしておかなければ不安は増大するし、いざというとき、路頭に迷うのではあるまいか。

仏教を学ぶとか、お坊さんの話を聞くというのは実は、きたるべき死出の旅路の用意でもあるのだ。私はそう思ってお話をさせていただいている。

死んだ先のことは私も死んだことがないので、本当のことはわからないが、仏さまが示された多くのお経の中には、いかに生きるのが幸せで、いかに安心して死ねばいいのか、たくさんのお示しが残されている。

是非、いろんな機会を通じて、たくさんの方々に聞いていただきたいものである。

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法話の類いは実はあまり得意ではなく、どうしても説明口調になるか、漫談になりがちである。

下手な芸人をまねた坊主の漫談として聞いていただければ、気楽です。 
 

荒井敦子先生、登場です!

昨年4月から縁あって、綾部のコニュニティラジオ「FMいかる」と奈良市のコニュニティラジオ「ならどっとエフエム」さんで、パーソナリティのレギュラーをつとめています。

その番組の中で、私の知人友人をお招きして、ゲストトークをさせていただいています。

毎回、ものすごい豪華メンバーで、過去、聖護院の宮城門主、東大寺の狭川別当、薬師寺の村上管主、清水寺の森貫主をはじめ、宗教学者の正木晃先生、植島啓司先生などなど・・・NHKEテレの看板番組「こころの時代」にそのまま出ていただけるような著名なみなさんばかり。ほんとにほんと、ありがたいし、名誉なことです。

その番組に今日は、奈良を中心にご活躍中の声楽家で、「NPO法人音楽の森」理事長の荒井敦子さんをお迎えします。映画監督の河瀬直美さんに続く2人目の女性ゲストです。

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サイマルラジオで、どこでもリアルにエアチェック出来ます。よろしければ、是非、お聞き下さい。

放送は今日20日の午後3時です。
  ↓
http://www.jcbasimul.com/?radio=narafm

「りてんさんの年末までの講演・シンポ予定」

「りてんさんの年末までの講演・シンポ予定」

マイコプラズマ肺炎以来、漢方医の名医先生に「仕事はするな、人と会うな、家を出るな」と3Nを言い渡されていますが、自坊の法務をはじめすでに予定をしていたものは、やめるわけにもいかないわけで、先日からの潅頂会助法や知命社中の研修会講師をはじめ王寺町リレー講座の講話などなど、予定の講座はなんとかこなしています。

更に年末まで、いくつかのフォーラムや講演会などが決まっています。

以下、その日程です。非公開のものもいくつかありますが、まだ、募集をしているものもあるので、よろしければご参加下さいませ。まあまあ、元気にしてますので。(^_^)v

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□10月23日(月)14:00~16:45
●紀伊山地三霊場会議フォーラム「悠久の那智ーその魅力」
 会場:大阪あべのハルカス大会議場 
~本フォーラムでは、「悠久の那智」を熊野那智大社と観音信仰の立場から読み解き、パネルディスカッションでは、今なお人びとの心に生きる熊野・那智信仰の魅力について幅広いお話を伺います。私も出ます!!~
★台風が心配です。でも大嵐がこようと、電車が止まろうと、開催しますので・・・

□10月25日(水)10:00~11:30
●綾部市奥上林地区高齢者学級 表題「人生の逝き方」 
  会場:奥上林公民館
~地元の高齢者学級講話第三弾です~

□11月6日(月)午後3時~
●神奈川県仏教会成道会 記念講演
 会場 横浜市中区大平町96番地 西有寺(曹洞宗)
~法友の禅僧森山和尚に頼まれて、横浜降臨です。誰でも参加可~

□11月10日(金)
●観世流緑泉会 「舞うー修験と巡礼の道」
 会場:東京・観世能楽堂
~本会でご一緒する津村禮次郎さんとは津村さんの映画上映会トークでご一緒して以来の2度目。「修験と巡礼」という表題でお話をします。~
・詳しくは→ http://www.ryokusenkai.net/schedule.html

□11月18日(土)19:30~20:30
●綾部市上原地区人権学習会 
  会場:上原町公民館
~なにを話せばいいのだろう、とまだ決まっていません~

□12月5日(火)午後1時~
 一般社団法人自然文化推進機構フォーラム
 会場:東京・新宿御苑内
 内容未定

□12月9日(土)午後1時半~4時
●紀伊山地三霊場東京フォーラム
「紀伊山地の霊場と参詣道の本質を探る」
 会場:東京・ベルサール九段
   (千代田区九段北1-8-10住友不動産九段ビル3・4)F
~かつてのゴールデントリオふたたび。共著「熊野ー神と仏」(原書房刊)のベースとなった、植島啓司先生vs九鬼家隆熊野本宮大社宮司vs田中利典のゴールデントリオ?による世界遺産シンポジュウムが、新たに高野山真言宗元教学部長・高野山大学名誉教授村上保壽先生と、盆栽研究家川﨑仁美さんと加え、ふたたび東京で大トークセッションを繰り広げることになりました。僕たち3人にとっては同窓会的な催しです~

□12月16日(土)午後2時~5時
●誇り塾/りてんさんの仏教講座~「現代終活事情ー田中塾頭vs勝桂子」編
 会場:上野・黒田記念館 会費:ビジター5000円
 ~今回お招きする勝桂子さんは「よい坊さん、ひどいお坊さん」「聖の社会学」などの著書で知られる、現代寺院事情及び終活に精通した才女の行政書士、ファイナンシャルプランナー~

*写真は紀伊山地三霊場会議東京フォーラムのフライヤーです。

YouTubeに「りてんさんの知人友人探訪」第1~20回が全アップされました!

YouTubeに「りてんさんの知人友人探訪」第1~20回が全アップされました!

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私は昨年から、綾部のコニュニティラジオ「FMいかる」と奈良市のコニュニティラジオ「ならどっとエフエム」で、パーソナリティのレギュラーをつとめていますが、その中のコーナー「りてんさんの知人友人探訪」をYouTubeに順次あっぷしてもらっています。そして昨日、過去の放送分の全てがアップされました。
 ↓
https://www.youtube.com/channel/UC7QVbr1Vj7sbtHdYECt6Ufw/videos

過去のラインナップは以下。
自分ながらすごい豪華なメンバーだと思います。

第1回  村上保壽高野山大学名誉教授
第2回  倉田宇山空援隊専務理事
第3回  宮城泰年聖護院門主
第4回  狭川普文東大寺第222世別当
第5回  森谷英俊興福寺副貫主
第6回  宗教学者正木晃先生
第7回  岡本彰夫元春日大社権宮司
第8回  村上太胤薬師寺管主
第9回  田中敏彦元地域部長と映画監督塩崎祥平氏
第10回 石田太一唐招提寺副執事長
第11回 五條良知金峯山寺管長
第12回 辻本浩司奈良県庁観光局局長
第13回 宗教人類学者植島啓司先生
第14回 信貴山真言宗朝護孫子寺鈴木貴晶管長
第15回 カンヌ映画祭グランプリ映画監督河瀬直美さん
第16回 東大寺第221世別当・筒井寛昭現東大寺長老
第17回 森清範清水寺貫主
第18回 龍谷大学名誉教授淺田正博先生
第19回 漢方医桜井竜生氏
第20回 清風高校校長平岡宏一先生

*各氏だいたい25分前後です。是非、お聞き下さい。閲覧回数トップは聖護院の宮城門主で、2番目が河瀬監督です。ご覧戴いて、みなさんの評価をお待ちしています。

ちなみに、今月のラジオ放送は、奈良を中心にご活躍中の「NPO法人音楽の森」理事長荒井敦子さんが登場。映画監督の河瀬直美さんに続く2人目の女性ゲストです。奈良は10月20日、綾部は10月27日の放送予定。

また年内のゲストは、11月24日放送/第22回春日大社花山院弘匡宮司、12月22日/第23回文筆家白洲信哉氏となっています。ご期待ください。

林南院あやべ脳天大祭のご案内

【林南院あやべ脳天大祭のご案内】
 ~首から上の守り神・受験祈願の神祭(かみまつり)です!

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来る11月3日(祝)は秋の大祭を執行します。秋の大祭は「林南院あやべ脳天大祭」として、一昨年から執行させていただいております。
 
昭和52年に吉野・金峯山寺竜王院より、丹波綾部の地に脳天大神様を勧請し、以来、首から上の願い事、受験の神さまとして信仰を集めてきました。

当日午後は、頭病平癒やボケ封じ、受験合格祈願をはじめ、天変地異災害の鎮静を祈り、例年通り、大峯秘法採灯大護摩供、並びに火生三昧・火渡り式を行じます。

是非、大祭法縁にご来山いただき、秋の一日安穏な気持ちでお詣り下さい。

なお午前中の法要では、大祭法要と共に、報恩謝徳のお祈りも致します。早めに来山頂き、共にお参り下さい。初めての方もお気軽においでください!   合掌

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   「林南院あやべ脳天大祭執行要項」
                      
   日 時  11月3日(祝) 午前10時半より
   厳修方  午前10時半   内法要・法華三昧
        午前11時半  住職法話
        正  午    昼 食(五目飯弁当を予定)
        午後1時頃    大峯秘法採燈大護摩供厳修
                引き続いて火渡り式・火生三昧修行
                古札発遣、古札焚き
        午後3時頃   ぜんざい接待・お札渡し
                                 
   ◎古いお札等は当日、ご持参いただければお焚き上げ致します。

チベット密教研究者にして、清風中高校長平岡宏一先生登場!

チベット密教研究者にして、清風中高校長平岡宏一先生登場!
YouTube/「りてんさんの知人友人探訪 第20回」

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昨日、アップされた8月25日放送分の漢方医桜井竜生先生の回に続いて、先月の9月22日放送分、チベット密教研究者にして、清風中・高校長をつとめられている平岡宏一先生の回もアップされました(ちょっとバグがあり、一度、削除しました)。

平岡先生は、私も幹事として関わっている「宗派を超えてチベットの平和を祈念し行動する僧侶・在家の会」(略称:スーパーサンガ)の集まりで知り合いになり、その後はいろいろ親しくしていただいています。

先生同様に私も種智院大学の客員教授もつとめていますが、先生にはダライラマ法王様との貴重なお話や、学校長としての現代教育論などについて、興味深いお話の数々をじっくりとお聞きしました。本コーナーの記念すべき20回を飾るのにふさわしい、面白いお話でした。

是非、お聞き下さい。

○りてんさんの知人友人探訪 第20回 チベット仏教研究者平岡宏一先生
 → https://youtu.be/31BH-MozaNQ

*聞いていただいた方、よろしければご感想もコメント下れば幸甚です。

ちなみに、スーパーサンガの川端事務局長がこの対談を興味深く聞いていただき、文字起こしをして、スーパーサンガにみなさんにご紹介いただいております。以下、その文字起こし校正分を紹介します。YouTubeをお聞きいただければ、同じことなのですが(^_^;)

文章もわかりやすくて、いいですよ。ちょっとだけ、直しが入ってますけど。

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「りてんさんの知人友人探訪」
対談者
清風高校校長
スーパーサンガ特別顧問
平岡宏一さん
田中利典さん

田中:みなさんこんにちは。ここからは「りてんさんの知人友人探訪」をお届けします。
今日のゲストは密教研究者で大阪の清風中学・高校の学校長でもあります平岡宏一先生をお迎えいたしました。先生、よろしくお願いいたします。

平岡:よろしくお願いいたします。

田中:先生と私は「スーパーサンガ」というチベットを支援する会で知り合ったご縁なのですけれども、このお話は後で少しさせていただこうと思います。まず初めに、先生の略歴を教えていただければと思います。

平岡:ありがとうございます。
 私は1961年生まれ、大阪出身です。高野山大学大学院を出た後、インド南部にあるカルナタカ州フンスルにチベット人が亡命しておりまして、そこにギュメというお寺があり、そこへ留学いたしました。
 高野山真言宗の僧侶でもあります。現在、清風中学校高等学校の校長をしています。
 田中先生と同じように、私も種智院大学の客員教授をさせていただいていています。
 私の留学していた関係で、お寺が密教のお寺でしたので、ダライ・ラマ法王の通訳を9回ぐらいさせていただきました。
 昨年は、私たちの学校に法王様をお迎えして4日間説法会をしてもらいました。
 あとは、アピールさせていただかなければいけないのは、今年の末に『秘密集会概論』という本を法蔵館から出す予定ですので、それはちょっと言っておかなければいけない。よろしくお願いします(笑)。それだけです、ありがとうございます。

田中:スーパーサンガという団体のお話を最初にしたのですけれども、これはチベットが様々な問題を抱える中、日本のお坊さんがこの問題を黙示していいのだろうかと義憤に駆られるところから、「宗派を超えてチベットの平和を祈念し行動する僧侶・在家の会」・・・あまり長いので、略して「スーパーサンガ」と呼んでいるのですけど、法王が提唱される非暴力と対話による解決を支持し、慈悲の精神をもって問題の平和的な解決に取り組む。私たち日本人僧侶もここに宗派を超えて結集して、チベットにおける真の平和と自由を実現することを強く求めていこうという団体で、先生は今顧問をしていただいています。私は幹事の一人です。
 先生は法王と大変近しいご関係にもあられますね。

平岡:近しいわけでもないんですけど、はい。

田中:先ほど通訳も9回ほどなさったということですが、まずチベット密教との出合いというのはどういうきっかけで?

平岡:それは、当初は私たちの学校は種智院大学と関係が深くて、真言宗でしたので。それで、そこへ行って、そこへついた先生が北村泰道という先生で、ご専門がチベットの密教もご専門でいらして、日本の密教も詳しかったんですけども。で、その方についてインドにあるギュメというお寺に調査団として入ったのが、チベット密教との最初の関わりですね。

田中:そんな中で法王とも…。

平岡:法王様とはですね、留学中は2回ぐらいお会いしたかな。お会いする回数が増えたのは、やっぱり通訳をさせていただいたり、そういうことで回数が増えた感じです。

田中:通訳と言っても、日本語とチベット語の通訳をできるのと、チベット密教を通訳するのとでは、また違いますよね。

平岡:そうですね、若干違いますね。

田中:そういう意味ではチベット密教の学識がないと、なかなか法王様のおっしゃっているところの…。

平岡:まあ、そうですね。だけどもっと言うと、法王様の専門外のお話は、僕は訳せないのですね(笑)。だからお説教会の途中で専門外の話をいっぱいされたりするので、すごく困ったりするんです(笑)。そんなことであります。

田中:私は法王様とは3回ぐらいしかお会いしていないんですけど、お茶目な方ですよね。

平岡:そうですね。とても気さくな方です。

田中:チベット密教とは、いったいどんなものかという話になるんですが、2500年前にお釈迦様がインドで仏教を始められたというか、開かれて、それが日本の場合は北伝して、中国、韓国を経て日本に伝わってきた。だいたい大乗仏教系の仏教が入ってきた。それが日本の中で、6世紀に伝わってから今まで、さまざまな形で発展してきた。これを「日本仏教」とたぶん言うだろうと思うんですが、チベット仏教というのは、そういう意味ではどういう風に理解すればいいですか。

平岡:歴史的なことで言いますと、おっしゃったように、おそらく7世紀ぐらいになると思うんですけど、インドから直接入った感じです。
 しかしながら、日本もちょうど聖徳太子が観音様の化身という、救世観音になぞらえるように、聖徳太子は観音様の化身という信仰がありますけど、この観音様の化身とされる聖徳太子が日本に大乗仏教を根付かせたように、チベットもソンツェンガンポ王と言って、これは観音様の化身と言われる人ですけど、この人が、日本から遅れての話でありますが、チベットに仏教を根付かせた形です。
  法王様が奈良に来られた時に、冒頭のスピーチでとても私は印象的だったんですが、こういう風におっしゃいました。「日本人とチベット人とは同じ先生(釈尊)の同窓である」と。「日本の方が先輩で、私たちは後輩である」と。
  こういうお話を奈良に来られた時にされまして、ちょっと印象的でした。

田中:東大寺さんへ2回ぐらいおいでになっていましたね。

平岡:そうです。そのお話は東大寺というか、奈良の、場所は忘れましたが、講演をなさった時のお話です。

田中:そうですか。先生は法王様とも近いし、チベット密教もずっとおやりになっているわけですけど、日本の仏教とチベット仏教の魅力の違いはあるんですか。

平岡:まず、法王様は、僕も50回ぐらい会っているんですけど、あまり親しいとかはないんです。いつも一緒。忘れるということはないですよ、さすがに何回も会っていますから。パーンと頭や肩をたたかれることはあります。でも、どの人にも同じような感じです。ですから、みんな「自分は特別だ」みたいな感じを持っちゃうんです。どの人にも同じように接触(をされますから)。

田中:なんかそういう(自分は特別だみたいな)ことを言う人は僕の周りにもいっぱいおられますね。それはそういうことなんですね。法王様がそういう風に…。
 
平岡:そういう風に接触をされるんです。それは悪いことではないんです。
  どなたにもとても親切です。そういう風に心がけていらっしゃると思うんですけど。
 ただ、チベット密教の魅力はそのまま、ダライ・ラマ14世の魅力かなと思ってしまっています。

田中:「法は人によって起こる」と言いますけど、やはり魅力のある宗祖と言うか、王様と言うか、教えを説く人がいて、その教えがその時代に生きているところがありますものね。

平岡:そうですね。ダライ・ラマというと、中国もそういう話ばっかりしてしまうので、政治家みたいなイメージがありますけど、どちらかというと、チベット人が、その7世紀から始まった仏教でやってきた、ちょうどシーラカンスが深海の中で残ったみたいに、ヒマラヤの山に囲まれてお釈迦様の時代の仏教の息吹がそのまま残ったような感じで。それが、その文明の粋を結集して小さい時から教育して作った人みたいな、私は印象があります。
 ですから、先ほども言いましたが、政治家のような印象を持っている人は多いですけど、例えば日本各地どこへ行かれても、一日二食で、午前2時に起きられて、一日4時間の瞑想をされてから、どこへ行っても、講演であろうがイベントであろうが、朝1日4時間の瞑想をされてから必ず入られるという、そういう生活をされています。寝る時間はけっこう早くて、晩御飯は食べないで、早かったら6時ぐらいに寝ちゃったり、遅くても8時には寝ちゃったりするんです。毎日、世界中どこへ行っても、2時から起きてという、そういう生活です。

田中:でも、法王様は激務ですよね。世界中を飛んで回っておられますものね。日本にも毎年のように来られて、今年もまたおいでになりますね。

平岡:そうなんです。法王様は、よくおっしゃるんですけど、「ヨーロッパとかアメリカですごく受け入れられていて、それは嬉しいことでありがたいことである。しかしながら、私はもともと大乗仏教のお坊さんだ。したがって、自分が真意を発揮できるのは観音様や大日如来やお地蔵様が最初からいらっしゃる国である。だけど、なにもそこにある密教とか仏教を捨ててチベット密教になれとか、そんな大それたことは全然考えていない。ただ、自分が、日本の仏教がさらに盛んになる、多少失礼な言い方をしたら、仏教ルネッサンスになるような、そういう活動に自分は力を注ぎたい」。そうしょっちゅうおっしゃっています。
 ですから、他の国に行くよりも、日本に来ることは特別なのです。政治家に日本でたくさん会うわけでもないし、言うことでもないけれど、日本に来ることにすごくこだわっていらっしゃるのは、そういうことだと思います。

田中:そうなんですか。毎年、お出ましいただいていまして、去年は清風高校さんで4日間。また灌頂があったり、いろんな法も授けておられます。日本はファンも多いから、そういうこともあるのかなと思ってはいたんですが、法王様自体がそういう風なお考えがおありになるわけですね。

平岡:そうですね。以前、こんなことがありました。
 私がギュメに行った時に、今のギュメの管長様にチベットの質問をしていて、その時に管長様に、僕はちょっと多少かじった唯識の話をしたんです。そしたら、管長猊下がすごく喜ばれて、「おまえがそうやって、日本人なのに唯識なんか勉強をしてくれてとっても嬉しい。やがて僕たちは生きなくなるからな」と言われたんです。それはどういうことかというと、チベット人はやがていなくなってしまうかもしれないから、ということですね。
 法王様もそういう風に思っていて、やがてチベット人はいなくなるかもしれない。だから、チベット人を守っていくことも、もちろん彼にとって大きな役割ですが、それ以上に、自分らが伝えたてきた北伝の、日本にも伝わっていないような仏教がありますよね、密教。その仏教に対しての責任感をすごく持っていらっしゃって、それをちゃんと人類に残していくということに対して使命感をすごくお持ちなんです。

田中:私は13年前に、ちょうどラサに鉄道がつく1週間前ぐらいにチベットへ入らせていただいて、いろんな所を回らせていただいたんですけど、その当時から中国色がチベットに広がっていて、鉄道が通ったらもっとどんどん中国の人が入っていって、チベット人の国であるのにチベットの人たちの住む場所が失われるのを心配していたんです。実際、あの後も150人ぐらいのチベットのお坊さんが抗議の焼身自殺をなさっている現実もあります。本当に、これは他人ごとではなくて、自分たちの問題という気がするんです。

平岡:日本のお坊様たちが、そういう問題意識で立ち上がってチベット人を応援しようと思ってくださっていることはとてもありがたいことです。ダライ・ラマ法王様も感謝されていますし、他所の国のことだと考えても全然OKなわけですけど、同じ大乗仏教として宗派を超えて、皆さんでチベット人の力になってやろうじゃないかと考えてくださっていることは、とても尊いことだなと思っています。

田中:なかなか具体的な活動というのは形になっていかないところはありますが、でも、声を上げることだけでもやっていかないといけない、という思いはあります。
 (ところで)先生は密教の研究者でもおありになりますけれど、清風中学高等学校の校長先生ということですね。私の息子はまだ中学生がひとりいるので、中学校の校長先生というと親しい感じがするのですが、我々の時代と今とでは社会も違いますし世の中も違うので、子どもの事情というものもずいぶん違うと思うのですが。

平岡:そうですね。今の時代の子どもはとても難しいですよね。
 生徒にもよく言うんですけど、例えば、利典さんや僕が中学生であったころには、とっても僕らの中には興味があっても届かなかったような猥褻な情報やバイオレンスな情報が、親のフィルターを通じることなく直接子どもに届く時代です。なおかつそれはアクセスすればするほどお金になるような情報で、子どもはそういうことをよくわかっていなくて、そういう情報にさらされながら自分をきっちり律していくことがとても大切な時代です。そういう意味で、難しい時代だなと。

田中:情報量が多すぎますものね。
 情報はたくさんあってもいいんですが、要は情報をどう処理するかという、こちら側の(内面の)問題が一番大事で、これがしっかりしていないと、こっち側が破綻してしまいます。
 それが今の子どもたちは、まだこっち側ができる前にたくさんの情報にさらされるという、そういう危うい時代に彼らは生きているということですね。

平岡:それと、これもよく言うんですけど、情報化社会というのは、かつては情報が少なかったので、「あの人はどんな人?」と言ったら、「あの人は東京大学出て官庁へ勤めてハーバード大学を勤めた」、これはある女の代議士の話ですけどね、昔であればそれでね。
 で、秘書に怒られたと言うと、「それは秘書がとっても態度が悪かったんでしょう」みたいな話で終わった。今は、「このバカー」とか言って、その人の情報がいっぱい出てしまいますよね。
 情報化社会というのは、かつては情報が少なかったから、「あの人は〇〇大学を出ている」ということが一番大切で、あとの情報は無かったですから、それぐらいしか目安がなかった。だから勉強もある意味、全部切り捨てても、ともかくいい大学に入ることが大切だった。本当はよくないんですけど、そういう時代があったと思うんです。
 だけど、今は情報化社会で、いい大学を出ていても、その人の人となりというものが社会的に活躍すればするほど、赤裸々に表れる時代です。

田中:本当にヤバイ時代ですよね。

平岡:ヤバイです。逆に言うと、人となりが表れれば表れるほど、「これは間違いない人だな」と思われるような人に育てていかないといけない。ですから教育も学力だけではなくて、総合的な人間力を求められる、そういう時代になっているなと僕は思っています。

田中:それはもしかしたらいいことの部分もあると思うんですが、現実問題、子どもたちが気の毒な部分も、往々にして多いですよね。

平岡:そうですね。気の毒というか…、そうですね。だけど、僕は、情報がすごくたくさんあるということに関しては気の毒だと思います。それに振り回されるから。だから昔よりもひどいことになると思うんですよ。そんなものに引っ張られるから。
 だけど同時に教育も、ともかく勉強さえしておけということではなくて、総合的な人間力を求められる時代になって、学校もそういうことで教育していかないといけないなということを意識しだしている時代なんです。そういう意味で、教育の方向性はまともになってきているのではないかと、僕は思っています。

田中:いや、でも宿題は多すぎると思います。

平岡:宿題は多いかもしれませんね。それはしかたありませんね。

田中:僕らがこどものころ、こんなに宿題があったかなと思うほど持って帰っていますよ。

平岡:ああ、そうですか。うちも宿題が多いと言われていますから(笑)。

田中:ゆとり教育の反動で、最近やたら宿題が増えたような気がするんです。うちは(4人こどもがいて)30歳が一番上で、13歳が一番下なんです。17年ぐらい空いているんですが、17年ぐらいで、日本の教育もだいぶ迷走してて、文部省の方向性もダッチロール状態だと感じます。

平岡:そうですね。一時ゆとり教育と言って学力が下がりすぎたので、もう1回揺り戻しみたいなことがありますけど、でも今も言いましたように、学力も大切ですけど、総合的な人間力が求められていると思っています。ベネッセの調査だと思うんですけど、小学校4年生から6年生の保護者に聞いたら、「ともかくいい大学に入ってほしい」と答えたのが60%ぐらいなんですけど、95.5%の保護者が「社会で通用する力がついていなかったら意味がない」と答えています。ですから、親の意識自体も変わってきているのではないかと思います。

田中:右肩上がりで高度経済成長があって、いい学歴をもっていい会社に勤めれば人生安泰のような時代もちょっと前までありましたけど、バブルがはじけて以降、そういうバラ色の未来は見にくい時代に入っているところがあるじゃないですか。

平岡:うーん、そうですね、たしかに。大変やと思いますけどね、これから。

田中:今の子どもたちって、生まれた時から物もあるしね、全部。物をもらっての喜びとか、幸せ感というのは、僕らとはまったく違う形じゃないですか。そんな中で生き甲斐とか、これからの人生の夢とか、持ちにくいっちゃ、持ちにくいんじゃないですかね。

平岡:うーん…。これもね、ダライ・ラマ法王の話の受け売りですけど、法王様がよく言っています。20世紀は科学が神のように思って、物質社会で、物質的に満たされることが幸せだと思って、それを追求した。けれど20世紀も終わって、物資的にはけっこういいところまできて、物質的には幸せになった。でも、あんまり幸せじゃないなということに気づいて、内面の幸せを求めるようなベクトルになった。それがこの時代ではないか、と。

田中:そのとおりだと思います。

平岡:そういう意味で、子どもたちも物質的には恵まれたけど、自分の心の問題をどういう風に考えていくかとか、そういうことに保護者も、僕は生徒たちもそういう風に思うんですけど、そういうことに関心が向きだしている時代と思います。
 そういう意味では、宗教家が活躍しないといけないんです。

田中:まさにそのとおりで、「心の時代」と言われて久しいし、宗教の時代ですね。宗教が世の中を動かしてきた時代とは、実は世の東西を問わず長く続いて、ここしばらく少し宗教クライシスの時代もありましたけど、いろんな意味でもう一度、宗教が人間の生きる中でどう役目を果たしていくか。それが問われている時代で、それはまさに宗教者が問われていることでもあると思うんです。

平岡:そういうことだと思います。ですから、宗教者もがんばらなければいけない。ニーズは絶対に高まっているはずですから。

田中:そういう意味では法王様に毎年来ていただいて、チベット密教の立場から法を説いていただくと…。

平岡:法を説くというか「日本の仏教がんばれ」みたいなね。本当にそうです。僕が帰りかけていた時に呼び止めて、僕にもう1回言いました。「自分の役割は日本の仏教ががんばってもらうことを応援することだ」と。「般若心経をあげても、般若心経って何かなんてちょっと考えてもらったり、そういうことのきっかけを私はつくりたいんだ。もともと日本の仏様とか神様とか宗派があるんだから、それを大切にすることが大切だ」と。これは盛んにおっしゃいます。

田中:何ができるかというと、自分のことに敷延するとなかなか難しいところもありますが、それぞれがそれぞれの立場でやっていくべきで、いかなければいけないし、(でなければ)坊主になった意味がないですからね。

平岡:そうですね。ちょっと生意気なことを言いますけど、他の宗教、仏教以外の宗教というのは、いかに帰依するかということがポイントで、帰依が強ければ強いほど神様に近づけるみたいなね、神からの祝福が…。

田中:基本、(一神教は)契約の宗教ですからね。

平岡:仏教というのは、帰依と同時に自分の心をアップデートしていかないと、仏さんにならないといけないわけですからね。

田中:自覚の宗教ですからね。

平岡:自覚の宗教ですから帰依と同時に自分の心をどうやってアップデートしていくかということがテーマの宗教ですね。そういう意味で、現代的だと思うんです。

田中:法王のお話、チベット密教のお話、教育のお話をお聞きしましたけど、最後にまとめとして何か、先生。

平岡:まとめですか…。いろいろ言うけれど、悪い時代ではないと思っているんです。
 本物が求められている時代で、情報化社会は本物が求められている時代だから、本物にならないといけないと思うんです。本物の教育をしなければいけないし、みんなも本物にならないといけないし、そういう意味でがんばらなければいけない時代だけれど、逆に言うと、本物になる方向で努力していれば、それが成功するまでがんばらなければいけませんが、結構ちゃんと評価される時代かなという風に思っています。

田中:拝金主義というか、物資第一主義が長く続きましたけれど、ようやく終焉を迎えつつあるなかで、本当に自分の心にかえっていく、自覚にかえっていくということが、これからは大切ですね。

平岡:そうですね、金持ちになっただけで物質的に満たされただけでは幸せになれないということは、もう十分にわかって、もう1回自分の内面を見つめなおすような、金持ちでも自殺するような人はたくさんいるわけですからね。

田中:お金があるから自殺する人もいますしね。

平岡:そうですね、かえってですね。金がなかったらいいというわけではないんですが、そういう意味で自分の内面をどういう風に向き合っていくかということに関心が出てきている時代だと思います。
 この間、お医者様の団体がダライ・ラマ法王を迎えるということになって、熊本でお医者様の団体と話をしたんですけど、ダライ・ラマ法王に聞きたいことは「死んだらどうなるか」ということでした。お医者様の団体が、「死んだらどうなるか」に一番興味があるというわけですよ。だからやっぱり、ちょっと内面のことをもう1回考えるような時代に入っているんじゃないでしょうか。

田中:わかりました。先生は先生のお立場で、私は私の立場で、それぞれがんばらせていただくことができればなと思います。今日はお忙しい中、ありがとうございました。

平岡:ありがとうございました。

清風中高校長平岡宏一先生登場!YouTube/「りてんさんの知人友人探訪 第20回」

チベット密教研究者にして、清風中高校長平岡宏一先生登場!
YouTube/「りてんさんの知人友人探訪 第20回」

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今朝、アップされた8月25日放送分の漢方医桜井竜生先生の回に続いて、先月の9月22日放送分、チベット密教研究者にして、清風中・高校長をつとめられている平岡宏一先生の回もアップされました。

平岡先生は、私も幹事として関わっている「宗派を超えてチベットの平和を祈念し行動する僧侶・在家の会」(略称:スーパーサンガ)の集まりで知り合いになり、その後はいろいろ親しくしていただいています。先生同様に私も種智院大学の客員教授もつとめていますが、先生にはダライラマ法王様のお話や、学校長としての現代教育論について、興味深いお話の数々をじっくりとお聞きしました。本コーナーの記念すべき20回を飾るのにふさわしい、面白いお話でした。

是非、お聞き下さい。

○りてんさんの知人友人探訪 第20回 チベット仏教研究者平岡宏一先生
 → https://youtu.be/-X3AS7scO3M

*聞いていただいた方、よろしければご感想もコメント下れば幸甚です。

ちなみに、スーパーサンガの川端事務局長がこの対談を興味深く聞いていただき、文字起こしをして、スーパーサンガにみなさんにご紹介いただいております。以下、その文字起こし校正分を紹介します。YouTubeをお聞きいただければ、同じことなのですが(^_^;)

文章もわかりやすくて、いいですよ。ちょっとだけ、直しが入ってますけど。

*****************

「りてんさんの知人友人探訪」
対談者
清風高校校長
スーパーサンガ特別顧問
平岡宏一さん
田中利典さん

田中:みなさんこんにちは。ここからは「りてんさんの知人友人探訪」をお届けします。
今日のゲストは密教研究者で大阪の清風中学・高校の学校長でもあります平岡宏一先生をお迎えいたしました。先生、よろしくお願いいたします。

平岡:よろしくお願いいたします。

田中:先生と私は「スーパーサンガ」というチベットを支援する会で知り合ったご縁なのですけれども、このお話は後で少しさせていただこうと思います。まず初めに、先生の略歴を教えていただければと思います。

平岡:ありがとうございます。
 私は1961年生まれ、大阪出身です。高野山大学大学院を出た後、インド南部にあるカルナタカ州フンスルにチベット人が亡命しておりまして、そこにギュメというお寺があり、そこへ留学いたしました。
 高野山真言宗の僧侶でもあります。現在、清風中学校高等学校の校長をしています。
 田中先生と同じように、私も種智院大学の客員教授をさせていただいていています。
 私の留学していた関係で、お寺が密教のお寺でしたので、ダライ・ラマ法王の通訳を9回ぐらいさせていただきました。
 昨年は、私たちの学校に法王様をお迎えして4日間説法会をしてもらいました。
 あとは、アピールさせていただかなければいけないのは、今年の末に『秘密集会概論』という本を法蔵館から出す予定ですので、それはちょっと言っておかなければいけない。よろしくお願いします(笑)。それだけです、ありがとうございます。

田中:スーパーサンガという団体のお話を最初にしたのですけれども、これはチベットが様々な問題を抱える中、日本のお坊さんがこの問題を黙示していいのだろうかと義憤に駆られるところから、「宗派を超えてチベットの平和を祈念し行動する僧侶・在家の会」・・・あまり長いので、略して「スーパーサンガ」と呼んでいるのですけど、法王が提唱される非暴力と対話による解決を支持し、慈悲の精神をもって問題の平和的な解決に取り組む。私たち日本人僧侶もここに宗派を超えて結集して、チベットにおける真の平和と自由を実現することを強く求めていこうという団体で、先生は今顧問をしていただいています。私は幹事の一人です。
 先生は法王と大変近しいご関係にもあられますね。

平岡:近しいわけでもないんですけど、はい。

田中:先ほど通訳も9回ほどなさったということですが、まずチベット密教との出合いというのはどういうきっかけで?

平岡:それは、当初は私たちの学校は種智院大学と関係が深くて、真言宗でしたので。それで、そこへ行って、そこへついた先生が北村泰道という先生で、ご専門がチベットの密教もご専門でいらして、日本の密教も詳しかったんですけども。で、その方についてインドにあるギュメというお寺に調査団として入ったのが、チベット密教との最初の関わりですね。

田中:そんな中で法王とも…。

平岡:法王様とはですね、留学中は2回ぐらいお会いしたかな。お会いする回数が増えたのは、やっぱり通訳をさせていただいたり、そういうことで回数が増えた感じです。

田中:通訳と言っても、日本語とチベット語の通訳をできるのと、チベット密教を通訳するのとでは、また違いますよね。

平岡:そうですね、若干違いますね。

田中:そういう意味ではチベット密教の学識がないと、なかなか法王様のおっしゃっているところの…。

平岡:まあ、そうですね。だけどもっと言うと、法王様の専門外のお話は、僕は訳せないのですね(笑)。だからお説教会の途中で専門外の話をいっぱいされたりするので、すごく困ったりするんです(笑)。そんなことであります。

田中:私は法王様とは3回ぐらいしかお会いしていないんですけど、お茶目な方ですよね。

平岡:そうですね。とても気さくな方です。

田中:チベット密教とは、いったいどんなものかという話になるんですが、2500年前にお釈迦様がインドで仏教を始められたというか、開かれて、それが日本の場合は北伝して、中国、韓国を経て日本に伝わってきた。だいたい大乗仏教系の仏教が入ってきた。それが日本の中で、6世紀に伝わってから今まで、さまざまな形で発展してきた。これを「日本仏教」とたぶん言うだろうと思うんですが、チベット仏教というのは、そういう意味ではどういう風に理解すればいいですか。

平岡:歴史的なことで言いますと、おっしゃったように、おそらく7世紀ぐらいになると思うんですけど、インドから直接入った感じです。
 しかしながら、日本もちょうど聖徳太子が観音様の化身という、救世観音になぞらえるように、聖徳太子は観音様の化身という信仰がありますけど、この観音様の化身とされる聖徳太子が日本に大乗仏教を根付かせたように、チベットもソンツェンガンポ王と言って、これは観音様の化身と言われる人ですけど、この人が、日本から遅れての話でありますが、チベットに仏教を根付かせた形です。
  法王様が奈良に来られた時に、冒頭のスピーチでとても私は印象的だったんですが、こういう風におっしゃいました。「日本人とチベット人とは同じ先生(釈尊)の同窓である」と。「日本の方が先輩で、私たちは後輩である」と。
  こういうお話を奈良に来られた時にされまして、ちょっと印象的でした。

田中:東大寺さんへ2回ぐらいおいでになっていましたね。

平岡:そうです。そのお話は東大寺というか、奈良の、場所は忘れましたが、講演をなさった時のお話です。

田中:そうですか。先生は法王様とも近いし、チベット密教もずっとおやりになっているわけですけど、日本の仏教とチベット仏教の魅力の違いはあるんですか。

平岡:まず、法王様は、僕も50回ぐらい会っているんですけど、あまり親しいとかはないんです。いつも一緒。忘れるということはないですよ、さすがに何回も会っていますから。パーンと頭や肩をたたかれることはあります。でも、どの人にも同じような感じです。ですから、みんな「自分は特別だ」みたいな感じを持っちゃうんです。どの人にも同じように接触(をされますから)。

田中:なんかそういう(自分は特別だみたいな)ことを言う人は僕の周りにもいっぱいおられますね。それはそういうことなんですね。法王様がそういう風に…。
 
平岡:そういう風に接触をされるんです。それは悪いことではないんです。
  どなたにもとても親切です。そういう風に心がけていらっしゃると思うんですけど。
 ただ、チベット密教の魅力はそのまま、ダライ・ラマ14世の魅力かなと思ってしまっています。

田中:「法は人によって起こる」と言いますけど、やはり魅力のある宗祖と言うか、王様と言うか、教えを説く人がいて、その教えがその時代に生きているところがありますものね。

平岡:そうですね。ダライ・ラマというと、中国もそういう話ばっかりしてしまうので、政治家みたいなイメージがありますけど、どちらかというと、チベット人が、その7世紀から始まった仏教でやってきた、ちょうどシーラカンスが深海の中で残ったみたいに、ヒマラヤの山に囲まれてお釈迦様の時代の仏教の息吹がそのまま残ったような感じで。それが、その文明の粋を結集して小さい時から教育して作った人みたいな、私は印象があります。
 ですから、先ほども言いましたが、政治家のような印象を持っている人は多いですけど、例えば日本各地どこへ行かれても、一日二食で、午前2時に起きられて、一日4時間の瞑想をされてから、どこへ行っても、講演であろうがイベントであろうが、朝1日4時間の瞑想をされてから必ず入られるという、そういう生活をされています。寝る時間はけっこう早くて、晩御飯は食べないで、早かったら6時ぐらいに寝ちゃったり、遅くても8時には寝ちゃったりするんです。毎日、世界中どこへ行っても、2時から起きてという、そういう生活です。

田中:でも、法王様は激務ですよね。世界中を飛んで回っておられますものね。日本にも毎年のように来られて、今年もまたおいでになりますね。

平岡:そうなんです。法王様は、よくおっしゃるんですけど、「ヨーロッパとかアメリカですごく受け入れられていて、それは嬉しいことでありがたいことである。しかしながら、私はもともと大乗仏教のお坊さんだ。したがって、自分が真意を発揮できるのは観音様や大日如来やお地蔵様が最初からいらっしゃる国である。だけど、なにもそこにある密教とか仏教を捨ててチベット密教になれとか、そんな大それたことは全然考えていない。ただ、自分が、日本の仏教がさらに盛んになる、多少失礼な言い方をしたら、仏教ルネッサンスになるような、そういう活動に自分は力を注ぎたい」。そうしょっちゅうおっしゃっています。
 ですから、他の国に行くよりも、日本に来ることは特別なのです。政治家に日本でたくさん会うわけでもないし、言うことでもないけれど、日本に来ることにすごくこだわっていらっしゃるのは、そういうことだと思います。

田中:そうなんですか。毎年、お出ましいただいていまして、去年は清風高校さんで4日間。また灌頂があったり、いろんな法も授けておられます。日本はファンも多いから、そういうこともあるのかなと思ってはいたんですが、法王様自体がそういう風なお考えがおありになるわけですね。

平岡:そうですね。以前、こんなことがありました。
 私がギュメに行った時に、今のギュメの管長様にチベットの質問をしていて、その時に管長様に、僕はちょっと多少かじった唯識の話をしたんです。そしたら、管長猊下がすごく喜ばれて、「おまえがそうやって、日本人なのに唯識なんか勉強をしてくれてとっても嬉しい。やがて僕たちは生きなくなるからな」と言われたんです。それはどういうことかというと、チベット人はやがていなくなってしまうかもしれないから、ということですね。
 法王様もそういう風に思っていて、やがてチベット人はいなくなるかもしれない。だから、チベット人を守っていくことも、もちろん彼にとって大きな役割ですが、それ以上に、自分らが伝えたてきた北伝の、日本にも伝わっていないような仏教がありますよね、密教。その仏教に対しての責任感をすごく持っていらっしゃって、それをちゃんと人類に残していくということに対して使命感をすごくお持ちなんです。

田中:私は13年前に、ちょうどラサに鉄道がつく1週間前ぐらいにチベットへ入らせていただいて、いろんな所を回らせていただいたんですけど、その当時から中国色がチベットに広がっていて、鉄道が通ったらもっとどんどん中国の人が入っていって、チベット人の国であるのにチベットの人たちの住む場所が失われるのを心配していたんです。実際、あの後も150人ぐらいのチベットのお坊さんが抗議の焼身自殺をなさっている現実もあります。本当に、これは他人ごとではなくて、自分たちの問題という気がするんです。

平岡:日本のお坊様たちが、そういう問題意識で立ち上がってチベット人を応援しようと思ってくださっていることはとてもありがたいことです。ダライ・ラマ法王様も感謝されていますし、他所の国のことだと考えても全然OKなわけですけど、同じ大乗仏教として宗派を超えて、皆さんでチベット人の力になってやろうじゃないかと考えてくださっていることは、とても尊いことだなと思っています。

田中:なかなか具体的な活動というのは形になっていかないところはありますが、でも、声を上げることだけでもやっていかないといけない、という思いはあります。
 (ところで)先生は密教の研究者でもおありになりますけれど、清風中学高等学校の校長先生ということですね。私の息子はまだ中学生がひとりいるので、中学校の校長先生というと親しい感じがするのですが、我々の時代と今とでは社会も違いますし世の中も違うので、子どもの事情というものもずいぶん違うと思うのですが。

平岡:そうですね。今の時代の子どもはとても難しいですよね。
 生徒にもよく言うんですけど、例えば、利典さんや僕が中学生であったころには、とっても僕らの中には興味があっても届かなかったような猥褻な情報やバイオレンスな情報が、親のフィルターを通じることなく直接子どもに届く時代です。なおかつそれはアクセスすればするほどお金になるような情報で、子どもはそういうことをよくわかっていなくて、そういう情報にさらされながら自分をきっちり律していくことがとても大切な時代です。そういう意味で、難しい時代だなと。

田中:情報量が多すぎますものね。
 情報はたくさんあってもいいんですが、要は情報をどう処理するかという、こちら側の(内面の)問題が一番大事で、これがしっかりしていないと、こっち側が破綻してしまいます。
 それが今の子どもたちは、まだこっち側ができる前にたくさんの情報にさらされるという、そういう危うい時代に彼らは生きているということですね。

平岡:それと、これもよく言うんですけど、情報化社会というのは、かつては情報が少なかったので、「あの人はどんな人?」と言ったら、「あの人は東京大学出て官庁へ勤めてハーバード大学を勤めた」、これはある女の代議士の話ですけどね、昔であればそれでね。
 で、秘書に怒られたと言うと、「それは秘書がとっても態度が悪かったんでしょう」みたいな話で終わった。今は、「このバカー」とか言って、その人の情報がいっぱい出てしまいますよね。
 情報化社会というのは、かつては情報が少なかったから、「あの人は〇〇大学を出ている」ということが一番大切で、あとの情報は無かったですから、それぐらいしか目安がなかった。だから勉強もある意味、全部切り捨てても、ともかくいい大学に入ることが大切だった。本当はよくないんですけど、そういう時代があったと思うんです。
 だけど、今は情報化社会で、いい大学を出ていても、その人の人となりというものが社会的に活躍すればするほど、赤裸々に表れる時代です。

田中:本当にヤバイ時代ですよね。

平岡:ヤバイです。逆に言うと、人となりが表れれば表れるほど、「これは間違いない人だな」と思われるような人に育てていかないといけない。ですから教育も学力だけではなくて、総合的な人間力を求められる、そういう時代になっているなと僕は思っています。

田中:それはもしかしたらいいことの部分もあると思うんですが、現実問題、子どもたちが気の毒な部分も、往々にして多いですよね。

平岡:そうですね。気の毒というか…、そうですね。だけど、僕は、情報がすごくたくさんあるということに関しては気の毒だと思います。それに振り回されるから。だから昔よりもひどいことになると思うんですよ。そんなものに引っ張られるから。
 だけど同時に教育も、ともかく勉強さえしておけということではなくて、総合的な人間力を求められる時代になって、学校もそういうことで教育していかないといけないなということを意識しだしている時代なんです。そういう意味で、教育の方向性はまともになってきているのではないかと、僕は思っています。

田中:いや、でも宿題は多すぎると思います。

平岡:宿題は多いかもしれませんね。それはしかたありませんね。

田中:僕らがこどものころ、こんなに宿題があったかなと思うほど持って帰っていますよ。

平岡:ああ、そうですか。うちも宿題が多いと言われていますから(笑)。

田中:ゆとり教育の反動で、最近やたら宿題が増えたような気がするんです。うちは(4人こどもがいて)30歳が一番上で、13歳が一番下なんです。17年ぐらい空いているんですが、17年ぐらいで、日本の教育もだいぶ迷走してて、文部省の方向性もダッチロール状態だと感じます。

平岡:そうですね。一時ゆとり教育と言って学力が下がりすぎたので、もう1回揺り戻しみたいなことがありますけど、でも今も言いましたように、学力も大切ですけど、総合的な人間力が求められていると思っています。ベネッセの調査だと思うんですけど、小学校4年生から6年生の保護者に聞いたら、「ともかくいい大学に入ってほしい」と答えたのが60%ぐらいなんですけど、95.5%の保護者が「社会で通用する力がついていなかったら意味がない」と答えています。ですから、親の意識自体も変わってきているのではないかと思います。

田中:右肩上がりで高度経済成長があって、いい学歴をもっていい会社に勤めれば人生安泰のような時代もちょっと前までありましたけど、バブルがはじけて以降、そういうバラ色の未来は見にくい時代に入っているところがあるじゃないですか。

平岡:うーん、そうですね、たしかに。大変やと思いますけどね、これから。

田中:今の子どもたちって、生まれた時から物もあるしね、全部。物をもらっての喜びとか、幸せ感というのは、僕らとはまったく違う形じゃないですか。そんな中で生き甲斐とか、これからの人生の夢とか、持ちにくいっちゃ、持ちにくいんじゃないですかね。

平岡:うーん…。これもね、ダライ・ラマ法王の話の受け売りですけど、法王様がよく言っています。20世紀は科学が神のように思って、物質社会で、物質的に満たされることが幸せだと思って、それを追求した。けれど20世紀も終わって、物資的にはけっこういいところまできて、物質的には幸せになった。でも、あんまり幸せじゃないなということに気づいて、内面の幸せを求めるようなベクトルになった。それがこの時代ではないか、と。

田中:そのとおりだと思います。

平岡:そういう意味で、子どもたちも物質的には恵まれたけど、自分の心の問題をどういう風に考えていくかとか、そういうことに保護者も、僕は生徒たちもそういう風に思うんですけど、そういうことに関心が向きだしている時代と思います。
 そういう意味では、宗教家が活躍しないといけないんです。

田中:まさにそのとおりで、「心の時代」と言われて久しいし、宗教の時代ですね。宗教が世の中を動かしてきた時代とは、実は世の東西を問わず長く続いて、ここしばらく少し宗教クライシスの時代もありましたけど、いろんな意味でもう一度、宗教が人間の生きる中でどう役目を果たしていくか。それが問われている時代で、それはまさに宗教者が問われていることでもあると思うんです。

平岡:そういうことだと思います。ですから、宗教者もがんばらなければいけない。ニーズは絶対に高まっているはずですから。

田中:そういう意味では法王様に毎年来ていただいて、チベット密教の立場から法を説いていただくと…。

平岡:法を説くというか「日本の仏教がんばれ」みたいなね。本当にそうです。僕が帰りかけていた時に呼び止めて、僕にもう1回言いました。「自分の役割は日本の仏教ががんばってもらうことを応援することだ」と。「般若心経をあげても、般若心経って何かなんてちょっと考えてもらったり、そういうことのきっかけを私はつくりたいんだ。もともと日本の仏様とか神様とか宗派があるんだから、それを大切にすることが大切だ」と。これは盛んにおっしゃいます。

田中:何ができるかというと、自分のことに敷延するとなかなか難しいところもありますが、それぞれがそれぞれの立場でやっていくべきで、いかなければいけないし、(でなければ)坊主になった意味がないですからね。

平岡:そうですね。ちょっと生意気なことを言いますけど、他の宗教、仏教以外の宗教というのは、いかに帰依するかということがポイントで、帰依が強ければ強いほど神様に近づけるみたいなね、神からの祝福が…。

田中:基本、(一神教は)契約の宗教ですからね。

平岡:仏教というのは、帰依と同時に自分の心をアップデートしていかないと、仏さんにならないといけないわけですからね。

田中:自覚の宗教ですからね。

平岡:自覚の宗教ですから帰依と同時に自分の心をどうやってアップデートしていくかということがテーマの宗教ですね。そういう意味で、現代的だと思うんです。

田中:法王のお話、チベット密教のお話、教育のお話をお聞きしましたけど、最後にまとめとして何か、先生。

平岡:まとめですか…。いろいろ言うけれど、悪い時代ではないと思っているんです。
 本物が求められている時代で、情報化社会は本物が求められている時代だから、本物にならないといけないと思うんです。本物の教育をしなければいけないし、みんなも本物にならないといけないし、そういう意味でがんばらなければいけない時代だけれど、逆に言うと、本物になる方向で努力していれば、それが成功するまでがんばらなければいけませんが、結構ちゃんと評価される時代かなという風に思っています。

田中:拝金主義というか、物資第一主義が長く続きましたけれど、ようやく終焉を迎えつつあるなかで、本当に自分の心にかえっていく、自覚にかえっていくということが、これからは大切ですね。

平岡:そうですね、金持ちになっただけで物質的に満たされただけでは幸せになれないということは、もう十分にわかって、もう1回自分の内面を見つめなおすような、金持ちでも自殺するような人はたくさんいるわけですからね。

田中:お金があるから自殺する人もいますしね。

平岡:そうですね、かえってですね。金がなかったらいいというわけではないんですが、そういう意味で自分の内面をどういう風に向き合っていくかということに関心が出てきている時代だと思います。
 この間、お医者様の団体がダライ・ラマ法王を迎えるということになって、熊本でお医者様の団体と話をしたんですけど、ダライ・ラマ法王に聞きたいことは「死んだらどうなるか」ということでした。お医者様の団体が、「死んだらどうなるか」に一番興味があるというわけですよ。だからやっぱり、ちょっと内面のことをもう1回考えるような時代に入っているんじゃないでしょうか。

田中:わかりました。先生は先生のお立場で、私は私の立場で、それぞれがんばらせていただくことができればなと思います。今日はお忙しい中、ありがとうございました。

平岡:ありがとうございました。

漢方医の桜井竜生先生登場!

漢方医の桜井竜生先生登場!
YouTube/「りてんさんの知人友人探訪 第19回」
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私は昨年から、綾部のコニュニティラジオ「FMいかる」と奈良市のコニュニティラジオ「ならどっとエフエム」で、パーソナリティのレギュラーをつとめていますが、その中のコーナー「りてんさんの知人友人探訪」をYouTubeにあっぷしてもらっています。
 
過去、第18回分の放送がアップされていますが、
→  https://www.youtube.com/channel/UC7QVbr1Vj7sbtHdYECt6Ufw/videos
 
今朝は平成29年8月25日放送分の漢方医桜井竜生先生の回がアップされました。
 
桜井先生はここ6年ほど前から、昵懇でお世話になっている私のかかりつけの漢方の名医。北里大学や聖路加病院などで活躍される傍ら、『体にいいことやめてみる』(講談社刊)など、著述もたくさん出されている新進気鋭の先生です。先生とは出版記念パーティーも合同で開催をしたこともあります。
 
ご出身が奈良市内なので、最近は奈良でも月一で診療所を開設され、私の弟や息子などをはじめ、知人友人も数多くお世話になっています。
 
今回はいつもと違って、漢方のお話を中心に、お医者さんならではのトークが展開されました。是非、お聞き下さい。
 
○りてんさんの知人友人探訪 第19回 漢方医桜井竜生先生
https://youtu.be/BCYsyjGpVXI
 
聞いていただいた方、よろしければご感想もコメント下れば幸甚です。
 
*
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ちなみに、今月のラジオ放送は、奈良を中心にご活躍中のNPO法人音楽の森理事長の荒井敦子さんが登場。映画監督の河瀬直美さんに続く2人目の女性ゲストです。奈良は10月20日、綾部は10月27日の放送予定。

恩師の淺田正博先生登場!YouTube/「りてんさんの知人友人探訪 第18回」

恩師の淺田正博先生登場!YouTube/「りてんさんの知人友人探訪 第18回」

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私は昨年から、綾部のコニュニティラジオ「FMいかる」と奈良市のコニュニティラジオ「ならどっとエフエム」で、パーソナリティのレギュラーをつとめていますが、その中のコーナー「りてんさんの知人友人探訪」をYouTubeにあっぷしてもらっています。

過去、第15回分の放送がアップされていますが、
→  https://www.youtube.com/channel/UC7QVbr1Vj7sbtHdYECt6Ufw/videos

今朝は平成29年7月28日放送分の龍谷大学名誉教授淺田正博先生の回です。
淺田先生は龍谷大学・叡山学院を通じて私の恩師です。学生時代だけではなく、卒業後もずっと懇意にしていただいていて、人生の分岐点ではいつも大きなお助けをいただいてきた私にとっては生涯の恩人であり、恩師です。長男も先生の薫陶を龍大時代に受けました。親子共々お世話になった先生で、いまもときどき食事をご一緒させていただいたりしています。

そんな大恩師をお迎えしての、今回のお話は、「死」と向き合う話など、また新たな学びを得ることが出来ました。是非、お聞き下さい。

○りてんさんの知人友人探訪 第18回 淺田正博 龍谷大学名誉教授
https://www.youtube.com/watch?v=c7Ibjyc28lQ&feature=youtu.be

*聞いていただいた方、よろしければご感想もコメント下れば幸甚です。

ちなみに、今月のラジオ放送は、奈良を中心にご活躍中のNPO法人音楽の森理事長の荒井敦子さんが登場。映画監督の河瀬直美さんに続く2人目の女性ゲストです。奈良は10月20日、綾部は10月27日の放送予定。

続続と、高僧さまが登場!YouTube/「りてんさんの知人友人探訪 第16・17回」

続続と、高僧さまが登場!YouTube/「りてんさんの知人友人探訪 第16・17回」

私は昨年から、綾部のコニュニティラジオ「FMいかる」と奈良市のコニュニティラジオ「ならどっとエフエム」で、パーソナリティのレギュラーをつとめていますが、その中のコーナー「りてんさんの知人友人探訪」をYouTubeにあっぷしてもらっています。

過去、第15回分の放送がアップされていますが、
→ https://www.youtube.com/channel/UC7QVbr1Vj7sbtHdYECt6Ufw/videos
引き続いて、今朝も2回分がアップされました。いずれの方も、日本仏教界を代表する名僧の先生方です。実はこの頃、ちょうど気管支炎罹患中で、放送事故のような、ひどい声でした。お聞き苦しいかも知れませんがご寛恕ください。

○第16回は「筒井寛昭東大221世別当・現長老猊下」編
https://www.youtube.com/watch?v=ZXpe1g8ddHg&feature=youtu.be

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筒井長老はいまでもたまに個人的に食事をご一緒したりする仲で、穏やかで、いつもえらぶらないお人柄には会うたびにほっとさせていただきます。東大寺執事長時代、別当時代、長老とずっと変わらないお付き合いが続いています。

別当職勇退後はなんと大型バイクを乗り回すちょい悪親父という面もお持ちで、見かけによらずとてもユニークな方です。勇退後の生活など、悠々自適の毎日をお聞きしました。

○第17回は「森清範清水寺貫主猊下」編
https://www.youtube.com/watch?v=6FCd6ococjc&feature=youtu.be

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森貫主を知人などと紹介するのはとてもおこがましい限りですが、神仏霊場会などでたびたびご一緒したほか、最近は息子の清顕さんととても親しくしていただいて、曲げて、お出まし願うことになりました。清水寺へお邪魔して収録させてただいています。森貫主、とってもいいお声です。

年末の「今年の一字」をお書きになるので有名な高僧ですが、もちろんそのお話も詳しくお聞きしています。

ちなみに、今月のラジオ放送は、奈良を中心にご活躍中のNPO法人音楽の森理事長の荒井敦子さんが登場。映画監督の河瀬直美さんに続く2人目の女性ゲストです。奈良は10月20日、綾部は10月27日の放送予定。

「紀伊山地の霊場と参詣道の本質を探る」

「紀伊山地の霊場と参詣道の本質を探る」
  …かつてのゴールデントリオふたたび。

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共著「熊野ー神と仏」(原書房刊)のベースとなった、植島啓司先生vs九鬼家隆熊野本宮大社宮司vs田中利典のゴールデントリオ?による世界遺産シンポジュウムが、新たに高野山真言宗元教学部長・高野山大学名誉教授村上保壽先生と、盆栽研究家川﨑仁美さんと加え、ふたたび東京で大トークセッションを繰り広げることになりました。僕たち3人にとっては同窓会的な催しです。だって、この三人で、同じテーマで、なんとすでに8回ほど、トークセッションを繰り広げた仲なのです。上記の本はその第1回第2回のトーク内容が編集されました。

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あれから8年。是非、多くの方々に、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の魅力とその意議に触れていただければと願うものです。

日時:12月9日(土)午後1時半~4時
場所:ベルサール九段
   千代田区九段北1-8-10住友不動産九段ビル3・4F

詳細はチラシをご参照下さい。
またお早めに、お申し込みください。

【紀伊山地三霊場フォーラム】・・・当日もまだ席は若干あります。

【紀伊山地三霊場フォーラム】・・・当日もまだ席は若干あります。

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今年は熊野那智大社御創建1700年、那智山青岸渡寺西国三十三所草創1300年の節目の年にあたり、遠い過去の時代から現在へ受け継がれた信仰の魅力を聞いて感じていただきます。
 
本フォーラムでは、「悠久の那智」を熊野那智大社と観音信仰の立場から読み解き、パネルディスカッションでは、今なお人びとの心に生きる熊野・那智信仰の魅力について幅広いお話を伺います。

実 施 日 平成29年10月23日(月) 
開催場所 あべのハルカス25F「大会議室」(大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43)
時  間 14:00~16:30(開場13:30)
募  集  220名(事前申込み、先着順)
入 場 料  1名 1,000円(当日支払)
 ※歴史街道倶楽部会員は無料(本人のみ)

○基調講演 1
「悠久の那智~那智大社の立場から~」 
  講師:男成 洋三 師(熊野那智大社宮司)
・男成洋三師:熊本県生まれ。1976年國學院大學卒業。
 明治神宮奉職から禰宜、権宮司などを経て2016年から熊野那智大社宮司
   
○基調講演 2
「悠久の那智~観音信仰の立場から~」
  講師:高木 亮英 師(那智山青岸渡寺副住職)
・高木亮英師:和歌山県生まれ。比叡山に三年間入山後、1972年龍谷大学卒業。
 諸国霊山や世界の聖地を巡礼し、1984年から那智山青岸渡寺副住職。
 熊野大峯奥駈修行や那智四十八滝回峰復活、本年権大僧正昇任。 
 
○パネルディスカッション  「今に生きる熊野・那智信仰の魅力」
 男成 洋三 師、高木 亮英 師、川﨑 仁美 氏(盆栽研究家)
 田中 利典 師(金峯山寺長臈)
[進行]植島 啓司 氏(宗教人類学者)   
 
・川﨑仁美氏:京都府生まれ。高校3年生から盆栽雑誌のナビゲーターを務める。
 その後独学し、国内外で盆栽の解説・キュレーションを行う。
 京都工芸繊維大学大学院博士課程単位取得満期退学。京都造形芸術大学非常勤講師。
 2016年 Googleの美術工芸アーカイヴ
 「Google Cultural Institute」盆栽項の監修&執筆。
   
・植島啓司氏:東京都生まれ。宗教人類学者。
 京都造形芸術大学空間演出デザイン学科学科長。
 1972年東京大学卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了後、
 シカゴ大学大学院に留学。
 関西大学教授、NYのニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ客員教授、
 人間総合科学大学教授を歴任。
 1970年代から現在まで、世界各地で宗教人類学調査を続けている。
 著書に『聖地の想像力』『世界遺産神々の眠る「熊野」を歩く』
 『伊勢神宮とは何か 日本の神は海からやってきた』など。 
   
・田中利典師:京都府生まれ。龍谷大学文学部仏教学科・叡山学院専修科卒業。 
  2001年から金峯山寺執行長及び金峯山修験本宗宗務総長を勤める。
  2015年金峯山寺長臈就任。
 現在、自坊(宗)林南院住職、種智院大学客員教授、紀伊山地三霊場会議顧問。
 著書は『修験道っておもしろい!』(白馬社)『修験道入門』(集英社新書)、
   『はじめての修験道』(共著-春秋社)、『熊野ー神と仏』(共著-原書房)など。
   
<紀伊山地三霊場会議>
ユネスコ世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」(2004年登録)の登録地である吉野大峯・熊野・高野山の三霊場により、登録五周年を期に設立されました。
その目的はそれぞれ登録施設に関わる宗教者の立場から、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の保全と発展に寄与するとともに、「第一の門番」としての役目を果たすことを目指しています。 

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