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「蝋月供養法」

「蝋月供養法」
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蝋月、つまり12月である。
 
この12月1日から8日まで、禅宗では蝋八大接心といい、お釈迦さまがお悟りを開かれた成道(じょうどう)を記念して、昼夜寝ずに座禅する修行会がある。私は禅宗門ではないので、接心の座禅は出来ないが、代わりに、1日から8日まで蔵王権現供養法を毎朝、1座つとめている。
 
平成26年春に吉野山の役職を辞して、故郷綾部の自坊林南院に帰山したが、その節、50日100座の蔵王権現供養法を修した。自坊での活動を本格的に行っていくという、私なりの覚悟での修行だったが、だんだんと身辺が忙しくなり、またまた自坊のことがおろそかになりつつある。
 
そんな中、先の金峯山寺八千枚大護摩供で随喜した折、管長の八千枚護摩供修法の脇で、管長登壇の毎座ごとに、蔵王権現供養法を行じた。それが八座だった。そしてそのとき、自坊での、蝋八供養法を発心するところとなったのである。この思いつきは、吉野の権現様から、自坊の権現様への、思し召しだったのかもしれない。
 
自坊は来年開山45年を迎える。師である父の開基以来、綾部の地に金峯山修験の法灯が灯り、その灯を受け継いだ私だが、父のようにはなかなか大きな灯になっていかない。私なりの灯火のつなぎ方があるのかもしれないと懊悩する中で、ともかく、長年怠ったご本尊のご供養を申し上げようと発心した次第である。
 
生来、自分のこととなると、あまり熱心に取り組めないところがある。しかしながらまずは足下を堅固にしないと、なにをやっても砂上の楼閣となってしまうだろう。ただいま、猛省中である。
 
今年は5月に肺炎を罹患し、その後も体調不良が続いている。いろいろと考えるところも多い毎日なのである。蝋月にこの一年を振り返り、修行のひとときを過ごさせていただいている。ありがたいことである。
 
とりあえずは蝋八をきちんとおさめて、また前に進むことが出来ればと思っている。
 
*写真は今月3日の月例護摩供。

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