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「修験道の未来・・・」

「修験道の未来・・・」

現代文明のもとでは、たとえば実践という言葉を使っても、頭のなかで考えることが実践になってしまっている。計画をつくるにせよ、問題提起をするにせよ、脳のなかですべてが終わっている。いわば人間の身体性を損なってしまったのです。

心と体は一体のもので、脳は心からも外れたコンピュータのCPUのようなものですが、その部分だけで終わってしまうと、身体性が損なわれるだけでなく心も閉じ込められてしまう。修験の修行をしていて気づくことは、それまで閉じ込められていた心が解放されていくことです。身体で感じていけるようになると、心も自由になっていく。山伏修行をすると、そういうことを感じる人が多い。そのこともまた現代人を惹きつけはじめている原因なのではないかと思っています。

修験道は、誰もが平等に山伏修行をつづけるのです。たとえばお坊さんの側と信者の側が分かれていない。山伏修行では修験の僧侶であろうと

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神主であろうと、一般の参加者であろうと同じことをする。

修行をしてきた偉い人が信者に救いの手を伸ばすということではなく、すべての人が自然、神仏、真理に救われていく。その救いが行のなかにある。それが修験ですから、すべての人が平等なのです。このかたちはこれからの宗教のあり方を示しているのかもしれないと、僕は思っている。

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8年前に哲学者内山節先生と、聖護院の宮城泰年門主猊下と私とで鼎談しましたが、その鼎談録(『修験道という生き方』/新潮選書)からの抜粋シリーズ2。対談本なのですが、なかなかいいことを言っています。自分の発言だけ、まとめて見直しております。

 

「明日は桂三扇さんの番組に出演します」

「明日は桂三扇さんの番組に出演します」

明日、水曜日に放送されるエフエムいかる「桂三扇のど・真ん中放送局」 http://www.fmikaru.jp/staticpages/index.php/sansen(11:00〜14:30) にゲストとして出演します。地元福知山出身の落語家・桂三扇さんの番組です。

エフエムいかるには4年前からコメンテーターやパーソナリティとして定期的に出させていただいていますが、今回は番組の中でゲストとしてお迎え頂き、三扇さんのインタビューを受けることになりました

 

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綾部に戻っていかるに出る前は、インタビューされる側で、NHKの「こころの時代」や「宗教の時間」を始め、「比叡の光」「かつやまさひこShow」「天空の旅人」「こころの百景」などたくさんのテレビやラジオに出させていただきましたが、最近はもっぱらインタビューをする方に廻っていたので、久しぶりにインタビューを受けます。さてさて・・・

私の出番は明日午後1時から30分程度です。よろしければ是非ご視聴ください。

インターネットサイマルラジオでリアルタイムにどこからでも聞いて頂けます。
  ↓
https://www.jcbasimul.com/radio/847/

 

 

「修験道は優婆塞信仰」

「修験道は優婆塞信仰」

大事なのは、人が生きていく上で生みだしていく猥雑性を引き受けていく宗教でありつづけることです。純粋さを求めているのに、その猥雑性と寄り添う、猥雑性を享受できる信仰が山伏を生みつづけ、拝み屋さんを生みつづけてきた。

だから修験は出家した僧侶ではなく、在家のままで修行をする山伏たちを軸にした在家主義を大事にしている。役行者自身が得度をしていない優婆塞だったわけですが、修験には一貫して優婆塞信仰があった。ー『修験道という生き方』より。

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もう8年前に哲学者内山節先生と、聖護院の宮城泰年門主猊下と私とで鼎談しましたが、その鼎談録が今年4月に上梓されました。『修験道という生き方』 (新潮選書)です。
久しぶりに読み返しました。なかなか良いことを話しています。是非・・・・

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https://www.amazon.co.jp/%E4%BF%AE%E9%A8%93%E9%81%93%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%96%B9-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E9%81%B8%E6%9B%B8-%E5%AE%AE%E5%9F%8E-%E6%B3%B0%E5%B9%B4/dp/4106038374/ref=sr_1_3?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E7%94%B0%E4%B8%AD%E5%88%A9%E5%85%B8&qid=1571036966&sr=8-3

「田中利典・今後の講演予定」

「今後の講演予定」

ありがたいことに、往時ほどではないにしろ、適度に各種の講演会やシンポジュウムに今も呼ばれている。また概ね終わったあとの評価も上々である。次への講演依頼に繋がることが多いにもありがたい。

まあ、昔から声がかかればどこにでも行くことにしている。声がかかること自体が希なることだし、ありがたいことなのだから・・・。

◇10月からの予定は以下の通り。

10月20日 王寺町リレー講座
      「優婆塞宗教の勧めin王寺町」
       午後1時半~ 於王寺町地域交流センターリーベルホール
                http://www.town.oji.nara.jp/event/3282.html
       ▲一般参加可。

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10月24日 紀伊山地三霊場会議フォーラム
       シンポジュウム「未来につなぐ熊野信仰」
                午後2時~  於アベノハルカス25階大会議室
                 https://www.rekishikaido.gr.jp/teach/forum/2458/ 
       ▲一般参加可。 *まだまだ空いてます。

 

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11月5日  庭野平和財団主催シンポジウム
      「共同体に溶け込んでいる文化としての宗教の役割」
                午後1時半~ 於中野サンプラザ「15階フォレストルーム」
                 https://www.npf.or.jp/promote_peace/post20191010.html
       ▲一般参加可。

11月12日 綾部市高齢者学級講座吉美地区
       「よりよく生きるために」 
       午前9時半~ 於吉美公民館

12月4日  なら食と農の魅力創造国際大学校
       「自然との共生〜修験道に学ぶ〜」
                 於なら食と農の魅力創造国際大学校

12月7日  田中利典長臈講演会&懇親会
       「クリスマスもお正月も祝う、日本人のこころ」
                午後3時~ 於京都悠洛ホテル Mギャラリー B1F
                http://yosino32.cocolog-nifty.com/blog/2019/10/post-fccbc6.html
       ▲一般参加可。 *まだまだ空いてます。

 

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▲は公開の催しです。よろしければ是非お出まし下さいませ。

【田中 利典長臈講演会&懇親会/クリスマスもお正月も祝う、日本人のこころ】

吉野の役職を勇退して4年・・・。少し時間もできて自分を振り返ることも多いなか、ありがたいことに、種智院大学客員教授とか私塾の塾頭とかラジオ番組のパーソナリティとか、吉野にいた頃にはできなかったことにもここ数年、従事させていただいている。

また世界遺産登録や修験道ルネサンスの時のような、年間50~60回というような頻度ではないが、各種の講演会やシンポジュウムにも月1~3回程度はお声がけをいただいている。本当にありがたいことである。

ただどこか、往年のような前向きな気持ちがずっと損なわれて、体調不良も併せて、このところ、気持ちに老いが出てきていたのも正直な感想であった。

ところで、今年に入り、慶應夕学講座や、日本ブリーフサイコセラピー学会や世界遺産15周年シンポジュウムでの出演、そして先日の知命社中の研修会などをこなす中で、ことのほか、どこでも私の話を高く評価いただくことが続き、少しづつながら、気持ちの高揚を感ずるようになってきたのである。

それで久しぶりに自ら進んで、京都市内での講話会を開催することにした。令和の京都・田中利典講話会3部作の第一弾である。よろしければお出まし下さい。

 

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【田中 利典長臈講演会&懇親会/クリスマスもお正月も祝う、日本人のこころ】

◇ご案内
クリスマスをお祝いし、大晦日には除夜の鐘を衝きにお寺へ行き、初詣は神社へお参り。わずか1週間の間にキリスト教・仏教・神道と、ごく自然に3つもの宗教行事を掛け持ちしている日本人。時季が来れば何気なくしている風習ですが、深く考えたことってあまりないのでは?

講師は修験道の聖地・吉野山の総本山金峯山寺・田中利典長臈。師走の京都で、日本古来の山岳信仰に、神道や仏教・道教などが合わさって発展した「山の宗教」である修験道の山伏に「日本人のこころ」を学ぶひとときを過ごしてみませんか?

講座終了後は、講師を囲んでの懇親会(デザート込6品の特別卓盛メニュー&フリードリンク付き)! 普段なかなかお坊さまに聞きづらいことも、ざっくばらんにお尋ねいただける貴重な機会です。定員は30名様ですので、ご予約はお早めに!

◇ご予約・お問い合わせ
TEL: 075-366-5800
https://www.secure-cloud.jp/sf/1403728148HIMnGTqM

【日時】
2019年12月7日(土)
≪講演会≫15:00~16:45(14:45開場)
≪懇親会≫17:00~19:00  

【料金】
講演会のみご参加:2,000円(税込)
講演会・懇親会の両方ご参加:7,000円(税込)

【会場】
京都悠洛ホテル Mギャラリー B1F 54TH STATION GRILL(京阪三条/地下鉄三条京阪駅から徒歩約3分)

【講師プロフィール】
~総本山金峯山寺 長臈(ちょうろう)・田中 利典師~
1955年京都府生まれ。龍谷大学文学部仏教学科、叡山学院専修科卒業。
2001年金峯山修験本宗宗務総長及び金峯山寺執行長に就任。
2013年帝塚山大学特定教授、2015年金峯山寺長臈就任。
2016年種智院大学客員教授就任。

<主な著書>
「吉野薫風抄―修験道に想う」(白馬社)
「はじめての修験道」(春秋社/共著)
「修験道入門 - 体を使って心をおさめる」(集英社新書)
「よく生き、よく死ぬための仏教入門」(扶桑社新書)
「修験道という生き方」(新潮社/共著)

https://www.facebook.com/events/2560219310688305/

「今日3日は自坊林南院の定例護摩供」

「今日3日は自坊林南院の定例護摩供」

自坊林南院の護摩は、毎月3日と19日に行っています。

ですので、今日3日も午後1時から、月例護摩供を修法します。今日もまだまだ暑いですねえ。
世界平和、邦国安寧、国土安穏そして信心の施主各位の所願成就をお祈りします。

もし、よろしければおでかけください。12時半においでいただければ、護摩木祈願(1本:300円)も書いていただけます・・・。護摩のなかでひとりひとりに聖杖と水晶の加持をします。

終わって時間があれば茶話会などもありますので・・・。よろしく。

大容山林南院:京都府綾部市渕垣町林ノ下21番地
  ↓
https://map.yahoo.co.jp/maps?p=%E4%BA%AC%E9%83%BD%E5%BA%9C%E7%B6%BE%E9%83%A8%E5%B8%82%E6%B8%95%E5%9E%A3%E7%94%BA&lat=35.3269357&lon=135.2937564&ei=utf-8&datum=wgs&lnm=%E6%9E%97%E5%8D%97%E9%99%A2&v=2&sc=3&uid=bb3af8e04c7b4155424b61637762987b2e0b9758&fa=ids

 

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「昔の名前で出ています~」

「昔の名前で出ています~」

9月27日は立正佼成会奈良教会で開催された「第16回奈良県宗教者フォーラム」。9月28-29日は尾鷲市で行われた紀伊山地の霊場と参詣道世界遺産登録15周年シンポジュウムとエクスカーションツアー。シンポはめちゃ楽しかったです。ともかく、ここ数日、前職で大変親しく関わったみなさん方と久しぶりにご一緒することが出来ました。

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27日は東大寺の狭川別当さまや唐招提寺の石田太一ちゃん。29日は盟友の植島啓司先生や村上保壽先生、九鬼熊野本宮宮司など。

金峯山寺の総長を降りてからまる4年の月日は私の周りのいろんな関係性を変えて行きましたが、別当様も先生方も、以前同様に親しく接していただきました。なかなかあり得ないことだと思うし、大変ありがたいことです。

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ここ20年以上、どうやって金峯山寺という素晴らしいコンテンツを発展させつつ、世の人々にお役に立てるかということを第一義にがんばってきましたが、いまは、ようやく、金峯山寺をどうこうするのではなく、私個人がどうあろうとするのかを考え始めてします。
そういう中で今回の宗教者フォーラムと、世界遺産シンポジュウムは多くの学びと視野を与えてくれました。

まだまだすてなものじゃないという自信も少しよみがえりましたが、でもまあ、人間というのはそう簡単には変身できないものだと、そこもつくづく思い知らされました。 

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